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かわもんside
カチ、カチ、という軽いクリック音が、やけに耳についた。
ずきん「りょうへいさん、さっきのとこもう一回戻りません?看板立ってるかもですし」
ずきんの声が、ヘッドセット越しに少し歪んで届く。
長期集合企画――50人で挑むこの狂ったサバイバル集合企画は、すでに何分経ったかも分からなくなっていた。
俺、ずきん、りょうへいの3人が開始30分で集まり雑談をしながら歩く。
今回の集合企画は<殺人鬼がいる世界で集合>
kunさん率いる8人の殺人鬼が銃で襲ってくるから逃げながら鍵を探しチームごと集まるというよくある企画だ。
たまたま同じ赤グループの2人と出会えたのは運がいい。
雑談をしながら歩いていると俺らの後ろを歩くりょうへいの声が聞こえなくなっていた。
画面の奥で、キャラクターがぎこちなく動く。
その操作をしているはずの本人は――
ずきん「……大丈夫?」
ずきんがぽつりと呟く。
返事がない。
その瞬間だった。
ゴンッ、という鈍い音がVCに響いた。
マイクが机にぶつかった音じゃない。
もっと重くて、嫌な響き。
床に何かが叩きつけられたような音。
一瞬の沈黙。
ずきん「……え、今の音なに?」
「りょうへい?」
誰も笑わなかった。
画面の中のキャラは壁に向かって歩き続けている。
壁にぶつかってもそこを一点に足が動いている。
現実のほうが、止まってしまったみたいに。
コメント
2件
ありがとうございます😭 ドキドキしながら読ませて頂きました😍