テラーノベル
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あの日から__
何もかもが変わったようで
でも、変わっていない日々が続いていた。
放課後。
同じ帰り道。
隣にはちゃんと君がいる。
ak「ねぇ」
?「なに〜?」
ak「今日の俺は?」
少し考え、君は笑う。
?「今日は〜…“ちょっとうるさい光”」
ak「それ絶対悪口でしょ」
?「半分くらいはね」
軽いやり取り。
変わらない空気。
でも__1つだけ、前と違う事がある。
すれ違う人が、ほんの一瞬だけ、君を見るようになった。
ak「…今、見てたよね」
?「え?」
ak「あの人、さっきお前の事見てたよ?」
振り返ると、その人はもう普通に歩いている。
気のせいにも思える、ほんの一瞬。
でも、確かに君を“見ていた”
?「…ちょっとずつ、かも」
ak「何が?」
?「ちゃんと“ここにいる”って、認識され始めてるのかも」
少しだけ嬉しそうに、でもどこか不安そうに笑う。
それから数日。
その変化は、確実に増えていった。
ぶつかりそうになれば、少しだけ避けられる。
隣を通れば、視線が一瞬だけ止まる。
完全にではない。
でも、確実に“存在している”。
ak「…良かったじゃん!」
?「うん……でも」
少しだけ間があく。
?「もし、完全に見えるようになったら」
ak「?」
?「その時、俺はどうなるんだろ」
その言葉に、少しだけ胸がざわつく。
次の日。
2人はいつもの場所にいた。
でも、その日はいつもとは違った。
前から歩いてきたクラスメイトが、はっきりと足を止める。
クラスメイト「え…誰?」
クラスメイトは君の方を見ている。
はっきりと。
確実に。
ak「…見えてる」
?「…うん」
少しだけ、震えた声。
でも、その顔は__
どこか嬉しそうだった。
クラスメイトは不思議そうにしながらも、すぐに去っていく。
その背中を見送りながら、
君は小さく息を吐いた。
?「ねぇ、」
ak「ん?」
?「もし、俺がちゃんと“普通”になったらさ」
少しだけ間をあけて言う。
?「名前、教えてもいい?」
一瞬、時が止まる。
あの日、拒んだ言葉。
でも、今は__
ak「…うん!」
ゆっくり、頷く。
ak「その時は、もちろん聞くよ」
君は、少し驚いた表情をして、
それから、ふっと笑った。
?「そっか」
夕日が、ゆっくりと沈んでいく。
ak「ねぇ」
?「なに?」
ak「今日の俺は?」
少しだけ考えて、
君は、前よりも少しだけ、優しく言った。
?「“ちゃんとここにいる人”」
その言葉は、以前とは少し、違って聞こえた。
並んで歩く帰り道。
今度は、みんなの目に映るかもしれない。
でも____
それでもいいと思えた。
コメント
2件
:(っ'ヮ'c):ハワワ神作すぎる!!