あまりにも大きなビルのホテルに戸惑ってしまう「ええっと?」
大きな建物、田舎では見たことないから、崩れてしまうんじゃないかと、少し足が震える
そして、一条様に手を急に掴まれ走らされた
走ると思わなかったから、足が縺れて転けそうになる。それでも一条様は足を止めることなく走るものだから「え、あっ!ちょっと!」と止めるが、全く聞く気配がない
これ、なんのために走ってるんだろう?
歩いて行けばいいのに…。なんて考えてる時に、徐々に減速し始め、自動ドアの前で少し止まり、ドアを抜けた先でもまた、走り、いつまで走ればいいんだろ?と思いながらも、真正面にあるエレベーターのところで止まった
止まった瞬間に息が荒くなり「はぁ、はぁ」と呼吸をする
横目で一条様の方を向いたが、息を荒らげていなかった
なんだこいつ!化物かよ!なんて思っていたら一条様が「ゆず、大きなものが怖いのか?」と質問してきた
いきなりの質問に「へ?」と間抜けな声で聞き返してしまった
「いや、さっき、震えてただろ。ビル見てさ」
え、あ…バレてたのか…。あぁ!でも、弱い所を見せたら、それこそほらほらゆずの嫌な建物だぞ~って脅してくるかもしれないし!
だ、第1!僕に怖いものなんかない!お化け以外…。あ、ジェットコースターとかも嫌い…。
なんて思っていたら「ハハッ…ゆずは嫌いなものがあと2つぐらいありそうだな」とバカにされた
ムキャ!「そんなものないです!ゆずに嫌いなものはこの世にない!」と断言した
「ハハッ!そうか、ゆず。嫌いなものがあったらなんでも言え。俺が全部無くしてやる」と言われたところで「チーン…1階です」とエレベーターが鳴った
なんか、ちょっとかっこいい…
ほんのちょっとだけだけどねとぼーっと一条様の後ろ姿を見てたら、エレベーターに乗っていることに気が付き、急いで乗る
僕が乗ったら、すぐに閉まり、上に上がっていく
沈黙のままずっと待っていると一条様が口を開いた「なぁ、ゆず」
「はい」
「ここ密室なのわかるか?」
「…はい」
「しかも、エレベーターは見ての通り狭いし出られない」
「そうですね」と冷静に答えたが嫌な予感がするのは気のせいだろうか…
「じゃあ、襲い放題だな笑」
…。やばい!失敗した!!!ど、どうしよう!ここから逃げ出す方法は!と思い周りを見るけど、逃げ場はない
そして、一条様がクルッと僕の方を向き、一歩づつ、一歩づつ前にくる
僕は一歩づつ、一歩づつ、後ずさりをする
そして、等々、行き止まりになってしまった
やばい…逃げ場がない
「ゆず、ここで発情させて、番にしたら一生、ゆずは俺のそばに居てくれる…考えただけでもゾクゾクするよ」
番になってしまったら性行為は愚か、キスなども吐き気がしてしまいできなくなる
そして、僕がここで抵抗したところで勝てやしない
もう、諦めるしかないのか…
ギュッと目を瞑り、覚悟を誓った
首元に近づいてくる気配がする
右側の首に摘まれるような痛い感覚が襲う
「痛っ…」
あれ?でも、番のって後ろ側だよね?と思っていたら一条様が離れた
「なんてな!するわけねぇよ。この前も言った通り、ゆずの身も心も欲しいんだよ」と唇にちゅとしてきた
「ふぇ!?してるじゃないですか!?」
「いや、ゆずの顔、絶対キス待ってる顔だろ」
「いや!待ってません!」と頬をぷくっと大きくして怒っているように見せる
「笑笑…。まぁ、キスしたかったんだよ」と言った後に「チーン」とエレベーターが行ったので、あんまり聞こえなかった
コメント
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タイトルから話まで全部が天才すぎる💓💞
初コメ失礼します! 今日は早く見れて嬉しい(*>∀<*) また続き楽しみに待ってますね!!