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元貴の大学生活は、彼にとって大きな挑戦であり、同時に自分の「居場所」を自らの手で作っていく、とても前向きな時間になっています。
高等部時代までは滉斗や涼架に守られている印象が強かった元貴ですが、専門的な学びを通して、少しずつ「強さ」を身につけていきました。
元貴が専攻する障害・特性学の講義では、彼の経験が大きな強みとなっています。
聴覚過敏の特性を持つ当事者として、どのような環境調整(合理的配慮)が必要かを、専門用語を交えて論理的に説明できるようになりました。教授からも「君の視点は非常に貴重だ」と信頼されています。
滉斗から贈られたイヤーマフや、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを状況に合わせて使い分け、自分自身をコントロールする術を完璧にマスターしています。
元貴の穏やかで聞き上手な性格は、福祉や教育を志す学生たちの中で自然と人が集まる場所になっています。
学科の女子学生たちからは「元貴くんと一緒にいると、なんだか優しい気持ちになれる」と評判。ですが、あまりに距離が近くなると、どこからともなく心理学科の滉斗が現れるため、周囲からは「神聖な領域」として一線を画されています。
静かで落ち着く図書室は、元貴の「避難所」兼「勉強部屋」。たまに、難しい顔で心理学の本を読んでいる滉斗と、隣り合って座っている姿が目撃されています。
家に戻れば、涼架の強力なバックアップ(とお節介)が待っています。
涼架が保育実習で出会った「少し敏感な子」への接し方について、元貴が当事者の視点からアドバイスをすることも。「りょうちゃん、その子には言葉より先に、絵で見せてあげたほうが安心するかも」といった元貴の助言が、涼架のレポートを何度も救っています。
勉強で疲れた涼架と滉斗のために、元貴がハーブティーを淹れるのが3人の家のルール。元貴の淹れるお茶は、二人にとって「明日も頑張れる魔法」のようなものです。
最近の元貴は、自分から進んで「学内のバリアフリー調査」のボランティアに参加し始めました。
「ひろとに守ってもらうだけじゃなくて、僕も誰かのために動けるようになりたいんだ」
そう言って笑う元貴の隣で、滉斗は「……無理だけはするな」と不器用に応えながら、誰よりも誇らしげにその背中を見守っています。
小説じゃなくて、紹介文だわこれ
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