第一章 出会い
私は、中野歩美(なかのふみ)。高一だ。
私が中一の時の話をしよう。
理科の準備室に先生の手伝いで北村先生と二人きりだった。
「先生!危ない!」
棚が落ちてきそうになっていて、私は必死で叫んだ。
しかし先生は余裕があり、私を庇ってくれた。
ちゅっ
「!」
気が付くと、棚の下敷きになっていた。
そして
先生と私の唇が確かに重なっていた。
「大丈夫?」
先生は、それがなかったかのように接するので、
私の幻覚だったのかと思った。
「せ、先生こそ!大丈夫ですか?」
「うーん、棚が持ち上がらんな。しばらくこのままかも…」
先生の柳色の目が目の前にあって、
(綺麗だな〜)
と思っていた。今考えるようなことでは無いとはわかっていた。
「…中野さん?」
目を見つめすぎたせいで、先生は戸惑っていた。
「えっ、あっ…いや、結構経ってますよね? 」
「勃っ…え?」
「2、3分くらい。休み時間終わっちゃいますよ…」
「……あぁ。」
そんなこと言っても、棚が勝手に立ち上がる訳ではなかった。
「先生が横に行ったらいいんじゃないですか?」
「いや、そしたら中野さんに棚が直撃するやろ…」
「避けます!」
「生徒を危険な目にあわせる訳には…」
そうこう話してると、足音がした。
「北村先生!生徒と何してるんですか〜w」
その声の正体は、山本先生だった。
「山本くん!ちょ、出して!」
「嫌ですよ。ね、中野さん。」
「えっ、はい。」
山本先生は笑った。
私が押しに弱いことを知っての上だろう。
「中野さん…」
「あばっ!違います!!」
山本先生がどうして助けてくれないのか、分からなかった。
「どうして… グスッ」
「!」
「!」
二人は慌てていた。
「中野さん、落ち着いてっ!」
「俺が悪かった!俺が悪かったから!」
「うぅ…なんでそんなに酷いことするんですか…」
山本先生は少し考え、迷った後答えた。
「嫌い……やから?」
余計に分からなかった。
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