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私は前世、黒葛原純麗をいじめていた。理由は単純、ムカつくから。ここまで聞いたらただのたちの悪いいじめっ子みたいに聞こえるだろうけども、弁明ぐらいさせてよね。まあ、私は前世かなりの美少女だと自覚してたわ。周りからチヤホヤされて本当に幸せだった。その時にあいつは現れたの。私が高校の入学式のとき、私は勿論綺麗に制服を着こなして輝いていたと思うわ。なのに、あいつはこの私の目に止まった。私だから分かる……と言うべきなのか。綺麗な白い肌。黒一色の髪と瞳。そしてその美貌を隠さんとする偽りのだっさい眼鏡。え?何で眼鏡を偽りって、言ったかって?そりゃあ、度が入ってなかったんだもの。だって、普通、度が入ってたらそのレンズに入った対象物が凹んだりするでしょ?でもあいつの眼鏡にはそれがなかった。まあ、それはいいわ。問題はあいつが見抜ける人には圧倒されるぐらいの美人だったってこと。いや、美人、は美人だけど女優とは全然違う。特別化粧をしているわけでもない普通のかんじ。どっちかって言ったら女優の方が綺麗だわ。なのにその無のオーラはあいつを包み込んでいた。それが、悔しくて悔しくてたまらなかった。暫くして、私はその悔しさを本人にぶつけるようになったわ。ものを隠したり、壊したり、暴力も振るったし悪口だって言ったし私は色んなことをした。でもあいつは堂々としながらため息一つつかず、殴ってくるだけだった。そう、殴ってきた。しかも、それを先生に言及されたら「正当防衛です。」の一点張り。本当に殺そうかと思ったわ。でも、これで分かったのはあいつ……黒葛原に感情が無いわけでは無いことが分かったわ。
……一回だけ帰るときに後をつけたことがあったの。そしたらあいつ、寄り道なんてするからどうしたのかと思って後を追ったのよ。そしたら、あいつ、猫を…!猫を!猫をナデナデしてたのよ!その時は帰ったわ。色々とギャップと情報がありすぎて。あのよ!あのクールでビューティホーのミステリー少女が口の端を上げながらもふもふしてたのよ!?学校のもてない男子が見たら卒倒するわ。あれ以来、あいつが何やろうとあんまり思わなくなったのよね。でも、何故か突っかかっちゃう。夢原七不思議の一つよ。そして、高校2年になった頃、転校生が来た。そいつの名前は、清水志奈。黒葛原とはまた違う雰囲気を持った美少女。基本的な色合いは黒葛原と一緒だけど何よりの違いはオーラにあった。黒葛原が喋らない無の存在だとしたら清水は触れてはいけないような近づけない存在。えーと、分かりやすく言うと黒葛原は本当に何も感じなくてまず届くの問題じゃなくて居ない感じ?清水は遠くに居る存在?って、感じ。うん、わからないわ。とにかく二人共謎だった。そしてその謎の一人、黒葛原に今再会した。本当なら、会いたくなかった。見られたくなかった。突然へんな奴に殺されて、気づいたら真っ暗なとこに居て、目が覚めたと思ったら赤ちゃんになってて、もう、家族にもあえないと確信して。全てを投げ出したくなったわ。そんな醜い姿、見られたくなかった。そして、今、3年ほどたってやっと同じ境遇の人と出会えて。でも、黒葛原は無いわよ。八神はまだ仲は普通に良かったしそこまでだったけど。それでも黒葛原は無いでしょ?だって、あれよ?一応いじめてたのよ?ぐっ!自分でいじめをしていたと言う自覚を持ったことに精神的ダメージが!だって!だって…だって……もう何も言わないわ。ごめんなさい。って、謝れたらどんだけ楽か。はあ。……まあ、いいわ。もうここに来てから3年よ?気持ちの整理もできたわ。って事で私がまとめた事、ドーン。
1、あのとき死んだ掃除当番全員が転生している。
これはもう決定ね。まあ、一応あの不審者が校内の生徒達を皆殺しって言う最悪の事態も考えたわ。だって、あいつ人じゃないって言われても納得するような力だったし。そして、もう一つの確信があの場、掃除当番だった奴しか今のところあってないから。もしかしたらそうじゃないかも知れない。たまたまかもしれない。でも、あの場に居た人しかまだあってないのを見ると大体そんな感じだと思う。
2、ここは地球じゃない。
これは簡単。だって、あのクロンとか言うの金髪碧眼よ?まず日本じゃないし、魔法なんてものあるし、異世界みたいだわ。……異世界か。
3、全員、この施設のような場所に監禁されている?
これは、確証が本当に無い。まず、私達以外にも監禁されてる転生者が居るなら私はすぐに気づいているはず。え?何故って?ふふーん。それは私の妖夢視幻覚のお陰よ!この妖夢視幻覚は相手に幻覚を見させる効果があって、妖夢視幻覚は簡単に言うと忍者みたいな感じの効果を詰め合わせたスキルよ。スキルって何って?ふふーん。スキルって、言うのは!ババーン。異世界でよくある超能力よ!ババーン。うん、ババーンババーン、うるさくてごめんなさいね。話が逸れだわ。ええっと、まず妖夢視幻覚は忍者ぽい能力に加えて相手が今何を思っているのかが大体分かるようになってるの。でも、私の場合このスキル、自然発動しちゃうのよね…。だから、解きたくても解けない。使いづらいスキルだわ。って、また話が逸れたわね。もとの話に戻るけど、このスキルは一度探知した場所に特定の人物や生物が確認出来る特殊能力があるの。それで調べたけど、反応は私を合わせて3人しか居なかった。これが証拠。でも、このスキルは謎が多いからわからないけどね。てか、あれ?何で私はこれがスキルだと知ったんだったけ?…ま、いっか。まあ、今のところこんか感じかな?じゃあ…私も寝ようかな?それにどーせ、クロンはこっちを監視してるだろーし。はあ。私達、どうなるのかしら。私は自分の布団に潜り目を閉じた。
私は知らなかった。まず、何でこんな状況に置かれながらも平常心をある程度保てたのか。少しは疑心があってもこの状況を疑わないのか。何故私達は集められたのか。ここは一体何処なのか。今、転生者は何をしているのか。まだ、世界を知らない。まだ、きっと、何処かで、あんたは……知らないの。