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ひかり!
#オリジナルストーリー
みーさんからどっこしょ
3
火曜日。
朝の教室。
玲は席に座りながら、星羅を見ていた。
昨日から決めていた。
今日、聞く。
もうこれ以上、疑い続けるつもりはない。
「おはよう、玲くん!」
「……おはよう」
星羅が笑う。
その笑顔を見て、玲は確信する。
――やっぱり、この人だ。
昼休み。
二人でいつものように弁当を食べる。
星羅は楽しそうに話している。
「昨日ね、配信で――」
そこで口を止めた。
「……」
「どうした?」
「ううん」
星羅は笑う。
「なんでもない」
玲は箸を置く。
「星羅」
「ん?」
「今日、放課後時間ある?」
「……あるよ」
「話したいことがある」
星羅の胸が跳ねる。
「……うん」
放課後。
誰もいない教室。
窓から夕日が差し込んでいる。
二人だけ。
「……」
「……」
しばらく沈黙が続く。
先に口を開いたのは玲だった。
「星羅」
「うん」
「聞きたいことがある」
「……何?」
玲は一度息を吸う。
「星乃セラって……」
星羅の瞳が揺れる。
「……」
「お前だろ?」
教室が静まり返る。
時計の音だけが聞こえる。
「……」
星羅は答えない。
数秒。
十秒。
そして――。
「……うん」
小さな声。
「私だよ」
玲は目を閉じる。
やっぱり。
「……そうか」
「……怒ってる?」
「なんで?」
「ずっと隠してたから」
「別に」
「……本当に?」
「ああ」
星羅の目に涙が浮かぶ。
「……よかった」
涙が頬を伝う。
「本当に……よかった……」
「星羅」
「だって……」
星羅は涙を拭う。
「もし嫌われたら、どうしようって……」
「嫌わない」
「……」
「むしろ」
玲は少しだけ笑う。
「ありがとう」
「……え?」
「セラに救われたから」
星羅は言葉を失う。
「俺が今ここにいるのは、セラのおかげだ」
「……玲くん」
「だから、ありがとう」
星羅は顔を伏せる。
肩が小さく震える。
「……ずるい」
「何が?」
「そんなこと言われたら……」
星羅は涙を拭きながら笑う。
「もっと好きになっちゃうじゃん……」
「……」
「もう、どうしよう」
星羅は笑っている。
でも。
その目には涙が残っている。
「私ね」
「ん?」
「玲くんが初めて配信に来てくれた日、覚えてるよ」
「……」
「コメントも覚えてる」
「そんなのまで?」
「うん」
星羅は胸に手を当てる。
「『今日を生きる理由が見つかった』って」
「……」
「そのコメントを見た瞬間、泣いたんだ」
玲は驚いた。
「私の言葉が……誰かを救えたんだって」
「……」
「だから」
星羅は玲の手を握る。
「私も、玲くんに救われたの」
「俺が?」
「うん」
優しく笑う。
「玲くんが私の配信を見てくれたから」
指を絡める。
「玲くんが私の言葉を大切にしてくれたから」
さらに強く握る。
「玲くんが……今も私の隣にいてくれるから」
「……」
「ありがとう」
二人はしばらく黙っていた。
そして。
「これで、秘密は一つなくなったね」
星羅が笑う。
「ああ」
「じゃあ、これからは……」
星羅は少し恥ずかしそうに言う。
「学校でも、もっと近くにいていい?」
「今までと変わらないだろ」
「違うよ」
「?」
「今までは『クラスメイト』だったけど」
星羅は玲の手を握ったまま。
「これからは、私がセラだって知ってる玲くんと……」
一瞬だけ頬を赤くする。
「普通の女の子としても、隣にいたい」
「……分かった」
「……本当に?」
「ああ」
「約束?」
「約束」
星羅は嬉しそうに笑った。
その日の夜。
星羅は自室で一人、スマホを眺めていた。
今日の玲との会話。
全部、頭に残っている。
「……知ってくれた」
正体を。
過去を。
全部。
「これで……」
星羅は微笑む。
「玲くんは、私のことを全部知ってる」
そして。
スマホの画面に映る玲とのメッセージを見つめる。
「……もう隠さなくていいんだ」
今まで抑えていた感情が。
少しずつ、溢れていく。
「好き」
「大好き」
「玲くんが大好き」
何度も呟く。
そして――。
「だから……」
星羅は玲とのトーク画面を閉じる。
「私以外の人なんて、いらないよね?」
笑顔。
けれど。
その言葉だけが。
部屋の静寂の中に、不気味に残った。
コメント
3件
ついに来た!星羅ちゃんが「星乃セラ」って認めるシーン、めっちゃドキドキしたよ…😭💕 玲くんが「ありがとう」って言ったところで私も涙腺崩壊した。でも最後の「私以外の人なんていらないよね?」って不気味な笑顔…!! え、これって独占欲? それとも闇深? 続きが気になりすぎるよ〜〜〜🌸✨ 春さん、今回も最高のエモさとゾクゾクをありがとうございます!