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友人依存の太陽、針金の巣

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友人依存の太陽、針金の巣

8 - 第8話月影美帆里

2022年10月06日

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の名前は月影美帆里。高校三年生だ。今日から受験勉強が始まるということで、昨日の夜はあまり眠れなかったのだが、それでも朝になれば目が覚めるもので、いつも通り学校へと向かっていた。

そうして学校に着き、自分の教室に入ろうとすると――。

「……ん?」

ふわりと何か甘い香りを感じた気がした。気のせいだろうかと思いながら、私は自分の席へと向かう。だがしかし、やはりどこか香ばしく感じる匂いが漂ってきていて、私は思わず足を止めて振り返った。教室の中を見回すと、クラスメイト達は皆一様に窓の外へと視線を投げかけている。私もつられてそちらを見てみれば、そこには一人の男子生徒がいた。

すらりと背の高い彼――伊織くんは、いつものように人好きのする笑顔を浮かべていて、片手を上げてこちらへ挨拶してくる。私もそれに応えて小さく手を振れば、彼は満足そうに笑みを深めた。

そのまま伊織くんの様子を見守っていれば、次第に落ち着きを取り戻し始めたのか、静かに眠りについていた。

それを見てホッとしていると、今度は突然部屋の扉が開かれて……そこに立っていたのはお姉ちゃんだった。

「あぁー! やっぱりここに居た!! もうっ、なんでわざわざこんなところに隠れてるわけ!? 探し回ったんだけど!!」

「ごめんね。ちょっとだけ隠れさせてもらってました。あと、勝手に入ってきちゃダメだよ?」

「えぇ〜、別に良いじゃんか。っていうかそれよりさっきの話なんだけど!」

そう言いながら詰め寄ってくるお姉ちゃん。

その勢いに押されながらも僕は話を続けることにした。

「うん。それでいいよ。そうしてごらん……」

「えーっと……なんの話?」

「だから、キミの夢の話だよ」

「あぁ夢ね!なるほど!」

「ボクはね、もうちょっとしたら消えるからさ」

「ふむふむ……って!?」

「ほら、やっぱり覚えてない」

「……あれ?ほんとうに誰だったっけ?」

「まぁ、いいんだけどさ。とりあえずがんばってみてよ」

「ん~?よくわからないけどぉ……」

「えへへぇ!あたしはねぇ!

『お友達』が欲しいんだよ!」

「だからぁ……キミのこと、『お友達』にするね?」

「大丈夫だよぉ!痛くないからぁ!」

「ふぅ……やっとできたよぉ!」

「これからよろしくねぇ♪」

「あっ!そうだぁ!名前つけてあげるぅ!」

「そういえば聞いてなかったよねぇ?」

「なんて呼べばいいのかなぁ?」

「あ!じゃあさっき教えてもらったからぁ……」

「キミの名前はぁ……『お兄ちゃん』で決定だねぇ!!」

「はあ!?なんでそうなんだよ!!俺はお前の兄貴じゃねえぞ!」

「えぇ~だってぇ…………」

「……おい、なんだよ?」

「お兄ちゃんの名前、わかんないもん!名前教えてよぉ」

「んなこと知るかああ!!!」

俺の名は【御堂正孝】(みつどうまさたか)。

年齢は15歳。高校1年生になる。

今は家族4人で海外旅行中。

「あぁ~……暇じゃのう……」

ワシの名は、山田太郎(仮)! 異世界からやってきた魔王さまの側近じゃ。

今、我々はホテルの部屋でのんびりと寛いでおるところよ。

しかし、平和すぎる時間は退屈なもの。

そこでワシは考えた。

そうだ! せっかくだから、勇者様ご一行の様子を観察してこよう!! そうと決まれば話は早い。

早速スマホを手に取り、ビデオ通話アプリを立ち上げる。

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