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#オフィスラブ
猫塚ルイ

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コメント
1件
いやー、第88話、めっちゃ引き込まれたわ…!瑠奈が「一人じゃ何も進まない」って感じてるところに、まるで願いが通じたみたいにリュカが現れる流れ、熱すぎるでしょ。しかも「何となく居る気がしたから」って台詞、ズルいよな。不眠で早朝からファミレスにいる社長というキャラも好きだし、朝からハンバーグじゃないことにホッとする瑠奈の気持ち、めちゃくちゃ分かるわ。母親の存在に気づかされるシーンも「そう来たか!」って感じで、物語の広がりが楽しみ。次話、実家同行あるのかな?楽しみにしてる🔥
——離婚届には証人二名の署名が必要
離婚を決意しておきながら
その手順や要件を把握していなかった
友人らしい友人もいない自分には
殊の外ハードルが高い
頭に浮かんだのは……
リュカ
そしてもう一人は——
伊藤さん?
今の私にとって
一番話しやすく
一番頼めそうなのは
伊藤さんだ
しかし……
伊藤さんとて
かなりハードルが高い
リュカと同様に
リスクも付きまとう
伊藤さんは鈴木さんと直接繋がりがあるし
何より噂好きの情報屋気質
噂話として広まりかねない
悪い子ではないし
口が軽いというわけでもないのだが……
そもそもこの件に関しては
全く話したこともなく
一からの説明を要する
果たして本当に伊藤さんで大丈夫だろうか……
大丈夫以前に応えてくれるのかもわからない
また壁にぶち当たってしまった
離婚話が進んだのも
リュカのアドバイスがあったから
結局私一人では
物事が遅々として何一つ進まない
こんな時リュカがいれば
そうリュカへの再相談を視野に入れた時だった
「おはよう!ずいぶんと早いね」
まるで願いが通じたかのように
現れたのはリュカだった
茫然と見つめる先で
当たり前のように席へ来ると
至極当然のように相席した
「……色々あったのかな?」
「大丈夫?」
リュカは
私の顔を見るなりそう言った
何となく私の状況を察したのだろうか
もしかしたら
泣き腫らした私の顔が物語っていたのかもしれない
「リュカ……社長こそどうしたんですか?」
「こんなに朝早くから」
驚いたのと同時に
腫れあがった顔を見せるのが恥ずかしくなり
伏し目がちに話した
「たまに来るよ、朝も」
「不眠症だからさ、目覚め早いんだよ」
「それに……何となく居る気がしたから」
「……」
“ 狼の嗅覚は人間の1万倍以上の感度があり匂いで追跡する—— ”
そうだった
リュカは勘も良いし嗅覚も鋭い
それにしても……
一社の社長がファミレス……
頻度が高過ぎて根城のようになっている
まるで外聞を気にしないリュカにとっては
24時間開いていて
飲食も提供してくれて
体よく留まれる場所
その程度の認識なのだろう
私は
降って湧いたまたとないこの機会に
昨晩の成り行きを告げ
離婚届の署名についても相談した
「——なるほどね」
ベーコンエッグサンドを頬張り
それを飲み込むとリュカが答えた
さすがに朝からハンバーグではなかった
それもそうかと思いつつも
私的には
それだけで滑稽で
それだけで面白かった
気付けば陰鬱だった気分も何処へやら
体調も
気分も
普段通りに戻っていた
「署名は俺がするよ、一名分は」
「でも、社長の名前が直接夫の面前に出ることにリスクはないですか?」
「全く無くはないだろうけど、証人として署名した人以上の存在ではないだろう?」
「それと、まだ社内モードじゃなくて平気だから」
「リュカでいいよ」
尾行された一見以来過敏になっていた
会社に近いこともあり
私なりに気を遣ったつもりだった
「それと……もう一名分に関してだけど」
「瑠奈が選ぶなら同僚の子でも良いと思うけど……」
「離婚のこと、母親にまだ言ってないんじゃない?」
「いずれ言わなければならないなら、その報告と一緒に署名貰って来たら?」
「母親が了承済みなら夫的にも納得せざるを得ないんじゃないかな」
言われてその存在に気付いた
全く以て母親のことが頭から抜け落ちていた
言われてみれば確かにそう
母親から了承を得ているのは
純也に捺印させる上でプラスに働くかもしれない
ただ……
ただでさえ癖の強い母親が
どんな反応をするのか全く読めない
かと言って無下にするわけにもいかず
いずれは報告しなくてはならないことでもある
「朝はスイーツ食べないの?」
重く真剣な話の最中
突拍子もなく変な問いを投げかけてくるリュカ
この人は……
どこまでも天然なのだろうか
どこまでが本気で
どこまでがふざけているのか
たまに境界線が分からなくなる
冷徹な社長とのそのギャップが
妙に母性をくすぐるのが憎い
「朝は食べません」
「リュカだって朝からハンバーグ食べないでしょ?」
「まあね、食べれるけどね」
頭脳明晰なのにどこか天然
その感性の不均衡さに
思わず笑みが零れてしまう
「ケーキハンバーグ論争はともかくとして」
「同行しようか?母親に会いに実家戻るなら」
「——!?」