テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
塩﨑:あれ、絶対仁人と勇斗さんだったよね!?
山中:俺たちの目に狂いがなければそうだと思いますけど
曽野:おはよー!ってなになに?
塩﨑:おはよ!実はさ、俺と柔見ちゃったんだよね…仁人と勇斗さんが一緒に会社に来てるところ!!
曽野:…またまたぁ!冗談言わんといて下さいよ!そんな一緒に通勤なんて、太智さんと柔ちゃんじゃあるまいし
山中:あ、俺たちに嫉妬してんだ笑、舜も一緒に来ればいいのにさ、朝弱いから先行ってるだけだよ
曽野:嫉妬してないし、ってそこはどうでも良くて!ホントなの、?その2人の話は
塩﨑:ほんとだよ!いやぁ、マジびっくりしたなぁ。明日雪でも降るんじゃない?
佐野:あのなぁ…全部聞こえてんぞ、?もうすぐミーティング始まるから準備しろ!!
3人はつまらなさそうな顔をしながら各々の準備を始める。最悪だ、よりによって声がでかい太智に見られてたとは。陰でコソコソ噂を広めるような奴らじゃないんだけど、なんせ声が通るからなぁ…
昨日の夜
佐野:仁人、明日から俺と一緒に通勤するぞ
吉田:…はぁ?!
佐野:だってさ、その状況普通に危なすぎでしょ!?実際ストーカーみたいなことされてる訳だし。何か起きてからだとダメなんだよ? だから、明日から一緒に通勤して一緒に退勤しよ…だめか、?
吉田:いや、だめ、では無いですけど…恥ずかしいし…俺の問題に佐野さんを巻き込む訳にはいかないし、
佐野:俺が、仁人のことが心配でやってるだけだよ。だからそこは大丈夫
吉田:んぇ…でもな…うーん、やっぱ恥ずい
佐野:なんで?
吉田:なんでって、そんなん、なんか…
佐野:…もしかして照れてる?
仁人の顔はほんのり赤く染まっていて、口はもごもごしている。俺とも目を合わせてくれない、けど、拒絶してる感じには見えなかった
吉田:はぁ、?照れてないです!
佐野:じゃあ決まりだね。大丈夫だって!太智と柔太朗も一緒に通勤してるじゃん。あいつらも同じ社員寮だから一緒に来てるだけっぽいし。そういう奴は沢山いるよ。いつも電車は同じ時間のやつ乗ってるよね。じゃ、明日の朝エントランス集合ね。おやすみー
吉田:ちょっと、!
俺は最後はまくし立てて半ば強引に許可を得た。まぁ、本当に嫌ならメールとかでメッセージ来るだろうし…ん、?これってハラスメントに当てはまるのか、?やばい、仁人なら上に報告してもおかしくない…
俺はシャワーを浴び部屋着に着替え、ソファーにもたれ掛かる。目の前のテーブルには俺のスマホが置いてある
佐野:…謝った方がいいのかな
ピコン
通知をみると仁人からメッセージが届いていた。俺は唾を飲み込み、恐る恐る画面を見る
〔仁人:今日は巻き込んでしまって申し訳ございませんでした。迷惑だとは思うんですけど、明日からもよろしくお願いします。〕
そのメッセージの後に、可愛いキャラクターのおやすみなさいというスタンプが送られてきた
佐野:…なんだ、可愛いところあんじゃん笑、こちらこそよろしく、おやすみっと
そして、朝、初2人で出勤。話すこともなくて非常に気まずい…ということを通り越して、仁人があまりにも怯えながら歩いてる様子を見て、正直胸が痛んだ。会社の冷たい仁人しか見ていなかったから、まぁギャップなんだけど。良くないギャップだよな
佐野:仁人って出勤俺と同じくらい早いよね。それってなんで?
吉田:…あいつ夜行性なんで。朝早いといない気がするから…でも、早すぎると人の目がないからいつ襲われるか分からないし、この時間が丁度いいって気付いたんで
確かに、俺が普段は一番乗りだが、一時期仁人の方が早くデスクにいた時あった。納期で忙しいのかと思ってたけど、そんな理由だったんだ…あの時、俺が話を聞いてあげてたら、もっと気持ちが楽になってたのかな
佐野:…俺ついてるから、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ、?
吉田:え、?そう見えます?
佐野:あぁ…うん。かなり
吉田:…分かりました。ご指摘ありがとうございます
佐野:ご指摘ではないけど…
吉田:あ、あと一個お願いしたくて
佐野:ん?
吉田:会社の中には一緒に入らないでほしい、です。やっぱ恥ずかしいんで…すみません、こんなにわがままで…
え、なんか、やばいんだけど。本当にあの冷たい仁人だよね?こんなオロオロしてる感じ初めて見たんだけど。うわ、俺、男なのに母性本能くすぐられるんだけど、?
俺はこの感情を悟られないよう軽く承諾した。そして今に至る
はぁ、柔太朗はまだしも、太智と舜太は楽しくなると声でかくなるからなぁ…これじゃあここら辺のデスクの人たちに、一緒に出勤してるのバレるのは時間の問題だな
そんなことを考えながら会議室に入ったが、いつもなら一番乗りの仁人がいない。珍しいね、なんて柔太朗と話していたら
仁人:失礼します
あ、丁度来た。しかも太智と舜太も一緒に。 って、2人とも明らさまにテンションが下がりすぎだろ!!見るからにしょんぼり項垂れていて、まるでお通夜状態だ。うん。絶対、仁人怒ったな、?これ以上口に出すな的なこと言ったね?
そんな様子を柔太朗もニヤニヤしながら見ていたが、仁人からなにか耳打ちされると呆れたような表情になった。こいつらの関係性面白すぎるなぁ
佐野:全員揃ったことですし、早速本題に入るのですが…
吉田:はぁ、佐野さん、すみません…多分付けられてます
佐野:だよな…
もう、すごいと思う。ほぼ毎日付けられている。最初は全く分からなかったが、何日も続けられれば話は別だ。お前、一体パパ活で何をしたんだよ…
佐野:どうする、?次の角曲がる?
吉田:はい、とりあえず、そうしましょう
俺たちは枝道や角などを活用して上手くやり過ごしてきた。緊張感が半端ない。こんなのを仁人はずっとひとりでやってたのだと考えると、本当に凄い、けど早く頼ってほしかったな、なんて考えてまう
吉田:ッ、、ハァ、ッハァ
佐野:…大丈夫か?
吉田:…すみません、なんか…色々思い出して、しまって、ハァ、
佐野:もうすぐ着くから、頑張れ
付けてきたやつを撒いたことを確認して、俺たちは駆け足で社員寮に駆け込んだ
佐野:仁人…歩けるか、?
吉田:…ハァ、ッ、、だ、いじょうぶ、っす
佐野:…大丈夫じゃないでしょ、
俺はフラつきながら歩こうとする仁人の肩を支えながら仁人の部屋の玄関前まで歩く 。仁人の目にかかっている髪がバサバサと揺れる。首からは汗が滴っていて、口からは懸命に空気を取り入れようとする音が聞こえる
佐野:…鍵、どこ?
吉田:右ポケッ、ト…
佐野:触るよ?
俺は仁人のズボンに付いているポケットにそっと手を入れ、鍵を探す。ん?どれだ、?これはハンカチだよな?これか、?
吉田:…ハァ、ハァ、佐野、さん、ッ、そんな、触んない、で…
佐野:ごめん!そんなつもりじゃないんだけどさ…あ、あったあった
鍵を回し扉を開ける。玄関の電気を付けると奥の部屋の様子が薄ら見える。俺の部屋と同じ間取りなのに、どこかシンプルで、簡素な印象。うわ、本棚とかお洒落だなぁ
佐野:ここで、大丈夫かな?
俺は仁人を座らせる。まだ呼吸は少し荒くて心配だけど、仁人の性格上あまり滞在して欲しくはないだろう。本当はちゃんと部屋まで連れて行きたいけどね、?
吉田:……
佐野:…じゃ、明日ね、おやすみ
そう言ってドアノブを回そうと後ろを振り向いた瞬間、何かワイシャツに違和感を覚える。振り向くと、仁人が俺の袖を掴んでこっちを見ていた
え、珍しい。仁人から触られることなんて無かったのに。うっ、その上目遣いプラス訴えかける顔やめて欲しい。俺、そういうのに弱いんだよな…ってダメダメ!仁人は部下!真面目な仁人のことだ、なんか業務連絡でもあるんだろ
俺はこんな激重感情を顔に出さないようにしながら、あくまで部下を思いやる優しい先輩として尋ねる
佐野:どうした?
吉田:佐野、さん…もう少しでいいから、ッ、そばにいて、?
佐野:…は、?
♥200いき次第、第3話だします
コメント
2件

続き楽しみです!
おおお、第2話!めっちゃ良かったわ…! 仁人の会社での冷たいイメージと、プライベートのオロオロ怯える感じのギャップがたまらん。佐野さんの「母性本能くすぐられる」って心情、めっちゃわかるわ笑。あとラストの「そばにいて?」は反則やろ…!袖掴み&上目遣い、完全にやられた。ふたりの距離がちょっとずつ縮まってく過程が尊すぎる。 ストーカー要素もあって、ただのラブコメじゃない緊張感がちゃんとあるのも良い。続きめっちゃ気になる!