影山がぎゅっと拳を握りしめる。
その拳は微かに揺れているように見えた。
俺は影山を見ることができなくて、俯きながら話を聞いた。
『俺がもっと早く結び終えていればお前は振り返らなくてすんだんじゃないか』
『俺が早く顔を上げてればもっと早く車の存在に気づけたんじゃないか』
『そもそも俺が家を出るときに確認してれば良かったんじゃないか』
『そんなもしを考えても意味がないことなんて分かってる』
そこで影山は鼻を啜った。
こいつ、、泣いてるんだ。
『でも、どうしても考えちまうんだ』
『俺のせいじゃないかって』
「それは違う!!」
俺は影山の方をパッと見た。
俺が叫んだのにびっくりしたのか、影山は目を見開いて俺を見た。
僅かに影山の瞳が揺れた。
「影山のせいなんかじゃない、俺が不注意だったせいだから、お前が気にすることじゃない」
『そう、だけど、、俺が』
「だから違って言ってるだろ」
俺がそういうと、影山はポツリとつぶやいた。
『、、んでだよ』
「え?なに?」
『なんで俺を責めないんだ!』
影山はそう言って涙を流していた。
コメント
4件
初コメ失礼します。 影山は少し苦しいですね