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身体中を覆う倦怠感を打ち消す様な心地よい温もりの中で目が覚める。
タイマーを使っているのか部屋は丁度良い温度になっていることと、密着している肌はお互いの体温が混ざり合うように熱が発生している。
「おはよう」
髪を撫でる指先は優しい。
「おはよう」
昨夜、しつこく鳴らされた森川彩香からの着信に不安を感じその不安を打ち消したくて主導権を握ろうとしたがあっさりと覆された。
身体中にその感触が残っている。
「シャワー借りるね」
「大丈夫?歩ける?」
散々、愛され腰は鈍い痛みが残るものの足が立たないとかではなさそうだ。
「大丈夫」
賢一に向かってニッコリと微笑んでからシャワールームに向かう。
サイドテーブルに置いてある賢一のスマホを目の端だけで確認するが画面はただ黒かった。