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「お前の才能を俺にくれ!!」
俺はレオの頼みを断ることなんかできなかった。
サッカーをやめるタイミングがなくなっちゃった。
レオは俺を世界一にするなんて言ってたよね。俺のせいでレオは脱落と夢を天秤にかけなくちゃになった。
ずっと一緒にいようって約束もした。めんどくさいって言う気持ちも勿論あったけど、きらきらしてるレオを見てたら、サボるわけにはいかないなって思った。約束したもんね。
今になると、2人でグラウンドを何周もしたのはいい思い出だったのかなーと思う。いわゆる「青春」ってヤツ?
俺の思い出にはいつも一緒にレオがいてくれた。
「YES BOSS」
お前が読んでくれたその言葉が、また頭の中て再生される。
今まで俺の周りにいたヤツらは全員、俺の才能と立場にしか目を向けてくれなかった。
小学生のころの参観日、自分の親すらちゃんと俺を見てくれていない気がした。
いつも物事に熱くなる『フリ』をしていた。もう誰にも期待なんてしなかった。
そうやって守って保っていた自分の本心さえ、もうなんなのか分からくなった。
充実した人生?勝手にそう思っれても別に構わない。今日もそうやって俺は強がる。あいつはこれが俺の悪い癖だって言ってた。そうなのかもしれない。
本当はいつだって消えてしまいたくてしょうがない。俺はいくら外面が良くても、中身は空っぽなんじゃないかと思うと怖くてしょうがない。
悔しさでいっぱいになったこの顔が、誰にもバレないように、と何重にも仮面を被った。こんな顔大事になんてできるわけがない。
「なぁぎっ!!」
レオと一緒に居た時間がもしかしたら、レオにとっても大切だったらいいな、と思う。
俺、レオと一緒に居て、ちっちゃな幸せをいっぱい貰ってた。レオはどうなんだろう。
俺と出会って色々やったことがレオの思い出になっててほしい。思い出じゃなくても、トラウマでもいい。ちゃんと俺のことを覚えてて。
お前と離れるなんてさ、きっとバグかなんかだよ。きっと。そう自分に言い聞かせた。
「1個だけ 約束ね」
あの時玲王が俺を選んだのは、一番の間違いなんだと思う。
でもお前がどんなにあの選択を後悔しても、俺はずっと玲王の隣にいるよ。
俺の大切な物はなにかって聞かれたら、俺は玲王って言うよ。そう。今無くしちゃったそれ。
ごめんね玲王
でも2人でどこからか間違えた道を進んじゃったからには、もう戻れないよ。
お前が笑ってる時も、泣いてる時も、怒ってる時も。今までの散々な思い出の責任をとって、俺は玲王の隣にいるよ。
もう少し、感情豊かで居た方が良かったのかな。
だってなにもしない方が楽で失敗しない生き方なんじゃないの、と思う。
ただ生まれたから生きて、
めんくさくない方を選んで。
別に生きてても死んでるような感じで良かった。
でも、玲王と出会っちゃったから。
きらきらしてて、少し傲慢で我儘なお前に出会っちゃったから。
でも、なんでも思い通りに俺が動くなんて思わないでよ。
「めんどくさくよ玲王」
約束したのに、お前は俺から離れてった。
お前だけ1人で、幸せになろうなんて思うなよ。
最後まで一緒って言ったじゃねーか。
こんなに熱くなってたのは俺だけだったのかな。
お前の光に俺はなれないのかな。
「見捨てるなら ちゃんと見捨てろよ」
なに言ってんの?
俺はさ、ずっとお前に壊されてたんだと思う。
自分で思うよりもずっと前から。
2人で練習してた時も、
2人で夢を見た時も、
お前のその綺麗な手で、俺の髪を乾かしてくれた時も。
ばらばらになった時も。
なのに玲王は気づいてくれない。なんでだろうね。
俺は玲王の後悔として、ずっと一緒に居るよ。
お前が俺に首輪をつけたんだよ。飼い主なら、ちゃんとペットのこと可愛がって、責任持って一緒に居てよ。
この見えない首輪は一生外れないはずなんだよ。
お前にひどいこと言ったよね。あの時の玲王の顔を何回も思い出す。俺って最低だね。
こんな後悔ばっかの俺より、玲王と一緒にいた時の方が俺、かっこよかったし可愛かったかも。
「レオ。」「なぁぎっ!」
お前の一生の後悔になってやる。
大切な物?そんなの、今俺が見失ったお前に決まってんじゃん。
あの約束は俺らの後悔で夢なんだよ。
もう戻れないな。
お前が笑ってる時も
お前が悔しくて泣いてる時も
お前が他のヤツと組んでいても
2人の約束って言う呪いの下で
ずっと一緒だよ。