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番外編32『主様がナンパされてたら』前編
麻里衣編
街を歩いてたらナンパされた。
🫖
『失礼、悪魔執事の主。麻里衣さんと言いましたか?』
『私に御用ですか?』
『貴方のお噂はかねがね。幾つもの難事件を解決された探偵だそうで。』
『ふふっ。もったいないお言葉ですわ。』
『今から時間ありますか?行きつけのカフェでお茶でも…。』
(どうしようかしら。無下に断れないわ。
断ったらみんなの立場が…。)
『遅くなり申し訳ございません、主様。』
『べ、ベリアン…。』
『貴族様、私の主様になにか御用ですか?』
『悪魔執事…。いや、美しい麻里衣様とお茶をしようと思っただけだ。』
『そうですか、申し訳ございません。主様は今私とお出掛けをしていますのでお引き取りください。』
『そうか、ではまた。麻里衣さん。』
『ベリアン…。ありがとう。どうやって断ればいいか悩んでたの。』
『主様がお一人で出掛けるので心配して追いかけたんですよ。何を買いに出かけたのですか?』
『ベリアンに似合いそうな紅茶のカップを前に見つけて…それを買いに…。』
『主様…。嬉しいです。』
『帰ったらアフターヌーンティーにしましょ。』
『えぇ。』
『ところで、さっき私の主様って…。』
『あ、えっと……。それは…///』
『クスッ。』
『わ、忘れてください…。』
ベリアンは顔を真っ赤にする。
『どうしようかしら。』
『あ、主様……っ。』
ベリアンなら言いそう。私の主様って。好き!
🍳
『こ、困ります。離してください…。』
『ちょっと付き合えよ、悪魔執事の主様。どうせ暇だろ?』
『っ…。』
(ガラの悪い貴族に絡まれてしまった…。どうしよう。ここで薙ぎ倒したらダメだし…。)
『おら、こっち来い。』
グイッ!
『痛……っ!』
(助けて、ロノ……!)
ドガッ!
『いってぇ!!』
『主様!!大丈夫ですか!?』
『ろ、ロノ…。』
ロノは貴族に飛び蹴りをした。
『お、お前悪魔執事!貴族の俺にこんなことしていいと思ってるのか!』
『あんたこそ主様に強引に迫るなんて許さねぇぞ!』
『チッ、覚えておけよ!』
『ふぅ……。大丈夫ですか?主様。』
『ごめんなさい、ロノ、迷惑かけて……。』
『迷惑なんてとんでもないですよ。でも1人で街に来るなんて俺を誘ってくれたら良かったのに。』
『いや、その……。』
『??』
『ロノにプレゼントを買ってたの。だから秘密にしておきたかったんだけど…バレちゃったわね。』
私は紙袋の中から、ハンドクリームを取り出した。
『ロノは調理担当で洗い物とかよくするから赤切れとか肌荒れしないように…。』
『これを俺に…すげー嬉しいです!大切にしますね!』
『良かった、喜んでくれて。』
『早速今日使います!』
『ふふ、ありがとう。』
主の為なら誰が相手でも助けてくれる…
ロノカッコイイ✨
🦋
『よいしょ……。これと、これ。後、これも…。』
私は本屋さんで本を買っていた。
『ふふ、フェネス喜ぶかな。これお会計お願いします。』
会計を終え、外に出る。
『買いすぎちゃったわ。早く帰らないと。』
と、その時――。
『失礼お嬢さん、すみませんね綺麗だったもので声をかけてしまいました。』
『あ、えっと…。』
『良ければこのあとお茶でも?』
『す、すみません。私急いでるので…。』
『重そうな荷物ですね、良ければ運びましょうか?』
『大丈夫です、持てますから…。』
『遠慮しないでください、貴方のような綺麗な方にこんな重たいものを持たせるなんて出来ませんから。』
(この人強引すぎてちょっと嫌…。)
『や、やめてくださ…っ。』
『主様…!』
『フェ、フェネス…?』
フェネスが間に入り私を引き寄せる。
『主様に御用ですか?随分しつこくしていたみたいですが。』
『悪魔執事!つまりこの人は主様…?』
『そうですけど。』
『あ、ありえない。こんな綺麗な方が呪われてる悪魔執事の主様だなんて…。』
『…執事のことを悪く言わないで下さい。
こうして私のことを助けに来てくれた。貴方みたいな失礼な方から。貴方みたいな方とはお茶したくありません。失礼します。』
私はフェネスと一緒に屋敷へ帰る。
『主様、1人で待ちに行くなんて何か急ぎの買い物でもあったんですか?』
『ごめんなさいね、心配させちゃったのね。
でも来てくれて嬉しかったわ。ありがとう。実はこれをフェネスにあげたくて。』
『本ですか?あ、これ、俺が読んでる続編の……。 』
『えぇ。フェネスに薦められて私も読んだけど面白くて。それで新刊出てたから。』
『ありがとうございます!早速読みます!』
『私も一緒に読んでもいいかしら。』
『も、もちろんです!』
『じゃあ今夜書庫でね。』
(あ、主様と2人きり……楽しみすぎる。)
フェネスの真面目な顔好きなんだよねキリッとしたおめめ(๑♡∀♡๑)
🌹
『うーん…。』
『お嬢さん、お悩みかな?』
お店の店員さんに話しかけられる。
『はい、アクセサリーを買おうとしてるんですけど何にしようか迷ってしまって。』
『なるほど…。あげたい人の好きな物とか分かるかい?』
『好きな物ですか…。』
(薔薇とか…。チーズ…。そうだ!)
『この薔薇の形をしたピアスを下さい。』
『決まったかい?じゃあ安くしとくよ。喜んでくれるといいねぇ。』
『ふふ、ありがとうございます。』
ピアスを受け取り屋敷へ帰ろうとすると
後ろから声をかけられた。
『失礼。ちょっといいかな?』
『何でしょうか。』
『いや、すみませんね。アクセサリーを眺める貴方の横顔があまりにも綺麗だったもので。恋人への贈り物か何かですか?』
『い、いえ。これは…。』
『あれ、貴方どこかで見たことありますね。もしかして…。悪魔執事の主様ですか?』
『え、えぇ。そうですけど…。』
『じゃあそれは執事に?』
『はい。』
『いやー勿体ない。こんな素敵なものをあんな呪われた執事にプレゼントなんて。』
『!』
『貴方も脅されて仕方なく主になってるんですよね?可哀想なお人だ。今すぐフィンレイ様に言って悪魔執事から解放を…。』
(この人、黙って聞いてれば好き勝手…。)
私は拳を握りしめる。
『あの、失礼ですけど――!』
『そこまでっす。』
『!!』
『残念っすけど、主様は脅されて主様になってくれたんじゃないっす。俺達を助けるために主様になってくれたんすよ。』
アモンは私を抱き寄せて庇う。
『それに…。俺達は脅してるんじゃなくて…離さないだけっすよ。こんなに素敵な主様を…他の誰にも渡したくないっすから。』
アモンは私の髪にキスを落とす。
『っ!!』
『っ…。』
『で?いつまでいるんすか?可愛い主様の照れた顔は俺だけしか見ちゃダメなんすけど。』
アモンは私の顔を隠すように抱き締めた。
『チッ…。』
『あ、アモン…ありがとう…。あの、なんで…。』
『主様が1人で街に出かけたって聞いたっすから心配してきたんすよ。あれ、その紙袋…。』
『あっ。』
私は後ろに隠す。
『もしかして俺へのプレゼントっすか? 』
『ち、ちが…。』
『ん〜?』
『っ…。そうよ。これは……。アモンへのプレゼントよ。』
『え。』
↑半分ほど冗談だったので驚いてる
『アモンに似合いそうな薔薇のピアスがあったから……。似合うと思って。』
『これを、俺に?』
『いつもお世話になってるし……ね。』
『……。』
『アモン?』
『いや、マジで嬉しいっす。主様からのプレゼント……大切にするっすね!』
『喜んでくれて嬉しいわ。助けてくれてありがとね。』
『当然っすよ。主様のことはいつどこにいても守るっすから。』
こんなんキュン死するて。❥―(⸝⸝⸝♥ᯅ♥⸝⸝⸝)―➤
🍷
『ルカスへのプレゼント…か。うーん…。』
(私は未成年だし、ワインは買えないわね。
お酒以外のプレゼント……。櫛…。髪留め…。
ベリアンやミヤジに聞いておくべきだったかしら。)
私は行ったり来たり道を歩いている。
『おや、あなたは…。』
『私ですか?』
『悪魔執事の主様。えっと……麻里衣様の方ですか?』
『ふふ、双子なので見分けが着きませんよね。はい、当たりですよ。』
『やっぱり。こんな所でどうしましたか?』
『実はルカスへのプレゼントを悩んでいて…。』
(良かった、悪魔執事に対して懇意にしてくれてる人だ。)
『ルカスと言うとよく会議に来るあの執事ですか。執事にプレゼントをするなんて優しいんですね。』
『いえいえ、そんなことないですわ。何を送ろうか悩んでるくらいですから…。』
『それならいいお店を知ってますよ。あの執事にピッタリなお店を。』
『ルカスにピッタリな…。』
(あ、この人にならワインを買ってもらえるかも。)
『すみません、案内して貰ってもいいですか?』
『えぇ。もちろん。』
数時間後。
『ありがとうございます。お陰様でプレゼントが決まりました。』
『それは良かったです。喜ぶといいですね。』
『えぇ。ありがとうございます。』
と、貴族の人と話していると……。
『すみません、主様になにか御用ですか?』
『えっ?』
『る、ルカス!』
『あ、貴方は…申し訳ございません。主様に対して以前貴族の方が失礼を申し上げたので…。』
『いやいや、間違えるのも無理はないよ。グロバナー家には悪魔執事を忌み嫌う者ばかりだから。』
『失礼致しました。』
貴族の方はニコッと微笑み去っていく。
『心配してくれたのね。ありがとう。何もされてないわよ。』
『すみません、つい……主様が声をかけられていたので…。』
『大丈夫よ。でもありがとうね。』
『ところで、それは…。』
『これはね、あの人に案内されて買ったワインなの。ルカスになにかプレゼントしたくて。でも私はまだ未成年者だから買えなくて。ルカスの好きそうなワインよ。』
『これを私に…。』
『気に入って貰えると嬉しいんだけど…。』
『凄く嬉しいです…大切にしますね。』
『美味しく飲んでね。』
『いつか主様とも飲めたらいいですね。』
『えぇ。約束よ。』
『はい。約束です。』
ワインじゃなくて君に酔うよ。(名言)
🕯
『離してください!』
『あぁ?悪魔執事の主の分際で生意気な!』
(お酒臭い……。面倒な輩に絡まれてしまった。)
『誰か助けて…。』
『悪魔執事の主が絡まれてる……。』
『無視だ無視。悪魔執事に関わるとろくな事にならないから。』
『っ……。』
(誰も助けてくれない…。仕方ない、自分でなんとかしよう。)
私は腕を振り払い薙ぎ倒す。
ドガッ!
『うぐっ!』
『どのようなお咎めも私がお受けします。なので、執事達には手出ししないでください。』
私は頭を下げる。
『この……貴族の俺をこんな目に合わせて…痛い目見ないと分からねぇみたいだな!』
貴族はワイン瓶を振り上げる。
『っ……!』
私は目をつぶる。
いつまで経っても衝撃が来ないので目を開けるとミヤジが目の前に立っていた。
『み、ミヤジ!』
『主様に手を上げるなんて許されない行為だ。早くここから去ってくれ。これ以上のことをする前に。』
貴族は恐れおののいて走り去る。
『ごめんね、怖い思いをさせたね。』
『大丈夫よ。1度なぎ倒したから。』
『……綺麗な手に拳を握らせてしまったね。申し訳ない。』
『助けてくれたわ。ミヤジは。ありがとう。』
『…。おや、これは?』
近くに落ちていたガラスの破片を拾う。
『あ…さっきので割れてしまったんだわ。』
『え?』
『実はミヤジにプレゼントを渡したくて…。
香辛料の入ったスパイスを何個か買ったの。それで辛い料理を作ってあげたかったの。でも…割れてしまったわ。ごめんなさい。』
『…主様。そんな悲しい顔しないでくれ。その気持ちだけで充分私は嬉しいよ。』
『ミヤジ……。』
『今日はもう帰ろう。帰ったらゆっくり休むといい。』
『ミヤジ…。えぇ。ありがとう。』
『また今度作ってくれるかい?』
『うん。もちろんよ。』
『楽しみにしてるね。』
優しさの塊ミヤジ…(๑´ω`๑)♡キュン
💮
『ハナマル…喜んでくれるかしら。』
私はハナマルに抹茶の香りのする香水を買った。
『早く帰らないと。みんな心配しちゃうわ。』
と、屋敷に帰ろうとした時だった。
『そこの綺麗なお嬢さん、俺と遊ばない?』
(ゲッ。ナンパ…。めんどくさいから無視しよ。)
『……。』
『ねぇねぇ無視しないでよ。俺と遊ぼうよ。』
『……。』
(しつこいわね。)
と、無視して去ろうとした時だった。
ガシッ!力強く腕を掴まれる。
『なっ!』
『俺の店で飲まない?お姉さん可愛いからサービスするよ?』
『わ、私飲めないので離してくださ…っ。』
(振り解けない…っ。)
『…はな、まる…っ。』
『…呼んだ?主様。』
ハナマルが男を引き剥がす。
『俺の大事な主様に触れないでくれない? 』
『チッ。悪魔執事の主だったのかよ。クソッ。』
タッタッタ…。
『ハナマル…ありがとう…。』
『どういたしまして。俺の事呼んでくれたでしょ?』
『っ、それは…。』
『ふっ。まぁ無事でよかったよ。』
俺は主様の頭を撫でる。
『ところでさっきから持ってるその紙袋は?』
『これはね…ハナマルへのプレゼントよ。』
『え?俺に?』
『えぇ。ハナマルの好きな抹茶の香りの香水なの。いい香りするでしょ?』
シュッ。
『確かに……。』
『ふふ、喜んでくれてよか――わっ!』
ハナマルに抱き締められる。
『これで…お揃いだな。他の執事に嫉妬されちまうかもな。』
『は、ハナマル、は、離しなさ…っ。』
『離れていいの?』
『か、からかわないで…っ。』
『うん、いい香りだな。主様。』
『もう……こういう時ばっかり…。』
『じゃあ帰るぞ。香水、ありがとな。』
ハナマル……罪な男や!Σ((( ‘○’)⊃⊃⊃逮捕ッ!!
☂️
『ふふっ♪ユーハンきっと大喜びするわね。』
(あんまんの特売日で沢山買えたわ。帰ったら一緒に食べよっと。)
ドンッ!
『きゃ!』
『あぁ?いってぇ…。』
『す、すみません。』
『ん、なんだ女か。よく見たら可愛い顔してんじゃねぇか。』
『え…。』
ガシッ。
『お嬢ちゃんのせいで肩怪我したから責任とってくれよ。お嬢ちゃん可愛いから少しサービスしてくれたら許してやるよ。』
『嫌…離して…っ。』
『いいから来いって…。うぐっ!』
ドサッ!
『え……。』
『ご無事ですか。主様。』
『ゆ、ユーハン!?』
『手をお取りください、逃げますよ。』
『う、うん!』
ユーハンの手を取り走り出す。
『全く、主様に手を出すなんて100年早いんですよ。助けるのが遅れて申し訳ございません。』
『だ、大丈夫よ。あ、見て、これ、ユーハンにあんまん買ったの。帰ったら一緒に…』
ユーハンは私の手を握る。
『…震えています。強がらないでください、私の前では。』
『っ……。』
『帰ったらお茶を入れて一緒に食べましょう。ね、主様。』
『ユーハン…えぇ。ありがとう。ユーハンが来てくれて安心したからもう平気よ。』
『では、屋敷までこのままで行きましょう。とは言っても、私が主様と手を繋ぎたいだけですが。ふふっ。』
ユーハン…他の執事がいない時君やばいよね
うちに秘める…あれよ、あれ独占欲が…。
🤍
『シロって何が欲しいのかしら。シロの好きなもの……。』
(絵の具…メープルワッフル…。シロって欲がないからな…。よし、あれにしよう。)
『すみません、これください。』
『はいよ、お、これに目をつけるとはお嬢ちゃんお目が高い。これは一点物なんだ。はいよ、負けとくよ。』
シロへのプレゼントはピアスだ。シロに似合いそうな水色のピアスだ。
買おうとしたその時――。
『お嬢ちゃんよ、それ譲ってくれねぇかな?』
『え?』
『悪いことは言わねぇよ、お嬢ちゃんみたいな綺麗な女に傷つけたくねぇからよ。俺らはここら辺で有名な奴でよ。痛い目見たくなきゃそれ譲りな。』
『っ……。』
『お、お嬢ちゃん、素直に渡した方がいい。じゃないと…。』
『でも、これは……。』
ぎゅっとピアスを握りしめたその時だった。
『おい。我の主に何してる。』
(この声…!)
『シロ…っ。』
『なんだぁ?お前は!』
『ふん…。野蛮な奴らは好かん。』
『なんだと!』
『…はぁ。次に我の主に手を出してみろ。
その時は我がお前を許さない。』
我はギロッと輩を睨む。
『ひいっ!』
シロは私の手を掴み歩き出す。
『…怒ってるわよね。』
『……あぁ。』
『ご、ごめんなさ…』
『我自身にだ。お前を守れなかった我に苛立ちを覚えている。』
『シロ……。』
『これは…我にあげるものだったのか?』
こくんっと頷く。
『怖い思いをしてまで、欲しいものか。』
『っ……ごめんなさい。』
『…我は、お前から貰うものならどんなものでも嬉しい。』
『え…。』
『我の為に選んでくれたものなら…我は喜んで受け取る。だから…』
ぎゅっ。
『我のいない所で…無茶するな。いいな?』
『…うん。』
シロは私を力強く抱きしめた。
シロってたまにメロいしたまにツンデレよな。
次回は後編!
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