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風呂から出た松井くんは、急いで私のところに戻ってきた。
「ごめんいきなりいなくなって…」
ありえないほど近くに来て、もう急接近…
キスした時ぐらい近くにいる。
私も少し制服を脱いでくつろいだ。
「あのね、さっきの踊る姿を見たかったって言葉めっちゃ嬉しかったよ!」
少し談笑をしていたらあっという間に時間が過ぎた。
門限は特になかったけど、もう日付も変わりそうだし帰ろうと思った時、
電気がいきなり消えて、辺りが真っ暗になった。
それと同時に、松井くんは凶変した。
自分の体ではどうにもできないほど勝手にいろんなことをされて、恥ずかしい感情と困った感情が浮かんだ。
これって良くないことでは…
純粋で無垢な私にはわからなかった。
それでもなぜか拒む方ができず、なぜかそんなことをする前の松井くんよりも好きになっていた。
これが私の初めてだった。
「家まで送るから」
いつものように自転車に乗せてもらって、家まで帰った。
部屋が暗くなった時とは違う表情で、いつも通りの彼に戻って。
あの時間はなんだったんだろうと思えば思うほど不思議なものに感じた。
この時の話は、大学生になるまで誰にも話せなかった。
よくわからないからこそ、関係をきちんとさせたほうがいい。
私はそう思って、彼を公園に呼び出して聞いた。
「昨日のことなんだけどさ、あんなことするって私たち付き合ってないよね…」
すると彼は手を握りながら謝った。
「ごめん、俺もよくわからなくて。
付き合うとかもよくわからないからさ。
もう終わりにしよう」
この日以降、彼と話すことはなかった。
知らないふりをして、知らない顔をして、2人だけの秘密を抱えながらお互い大人になってしまった。