髙地優吾
『……おそい』
彼氏の優吾が飲みに行ってくると出かけてもう日をまたいでしまった。彼はお酒は強い方では無いから潰れるなんてことは無いはずなんだけど、、、
ピンポーン
『っ!!』
帰ってきた!連絡入れずに帰るなんて珍しいなと思い、ドアを開けてみると
ガチャ
樹「……えーとこんばんはー!」
『樹さん?!』
樹「あっ!○○ちゃんごめんね、こーち潰れちゃって」
『いや!こちらこそ優吾がすみません!』
優「……!○○だあ!」
ギュ
あの優吾がこんなことしてくるの珍しい
………相当飲んだんだな
『樹さんほんとにありがとうございました!ほら、優吾もお礼言って?』
樹「いいよいいよ笑こっちも飲ませすぎちゃったし笑この借りはこーちに後日ちゃあーんと返してもらうからさ笑」
『もうぜひぜひ笑こき使ってください笑笑』
なんて樹さんと話していると不満そうな顔がひとつ
優「……ねえ、じゅりと喋りすぎ。○○はおれのだから」
『っへ?!どうしたの優吾?!』
日頃そんな事言わないから思わず変な声が出てしまった
樹「っっっは笑笑メンバーの彼女取ろうとするほど性格悪くねえよ笑まぁこーちの彼女さんじゃなかったら狙ってただろうけどね?」
『ちょっ笑やめてください笑』
樹「明日も仕事だから帰るね。あ、あとこーちもなんか悩んでるっぽいよ?笑良かったら聞いてあげて」
『分かりました!わざわざすみません』
樹「いーえ、じゃあこーちまた明日な!」
そう言って樹さんは帰って行った
遠いのにほんとに申し訳なかったな、
『優吾、とりあえず着替える?』
優「………うん」
そう言って脱衣所に消えていった
なんか元気なかったな、そういえば悩みがあるんだっけ?後で聞いてみよ
そんなことを考えながら私はリビングで優吾の水と二日酔い用の薬を用意した
ガチャ
『あ、優吾、着替え終わった?』
優「……うん」
『薬と水、用意したから飲みな?』
2人でソファーに座り、優吾は薬を飲んだ
『そういえば、なんか樹さんが、悩みがあるっぽいって言ってたけど、何かあったの?』
そう聞いてみると、優吾は明らかに顔をしかめた
優「……ねえ、樹のこと好きになってない、?」
『……へ?』
優吾は不安そうに言葉を続ける
優「さっき楽しそうに話してた、おれ置いて」
「樹だけじゃない、○○交友関係広いから嫉妬する、俺だけの○○なのに」
『……そんなこと考えてたの?』
優「でも俺年上だし、余裕ないのかっこ悪いから言ってこなかったけど、嫉妬深いから」
「ねえ、俺だけだよね?」
お酒のせいで顔があかく、潤んだ目で不安そうに聞いてくる
普段、余裕たっぷりの彼からは想像もつかないので思わず顔が緩む
『ふふっ笑うん、優吾だけだよ、優吾が好き』
そう伝えると、彼もふにゃふにゃと笑い、
優「んふ笑おれもすき」
ギュ
そう答えると、いつもより強く抱き締めてくる
『これからは年上とか考えず、いっぱい甘えてくれていいんだからね?』
優「うん、これからはいっぱい伝える」
あとさ
彼はそう言って、子供みたいな悪い顔をしたあと
優「俺、結構嫉妬深いから、覚悟しといてね?」
『ねえ、今日会社の飲み会があるから』
優「………男いる?」
『そりゃあ会社の飲みだからね笑』
優「なるべく男の近くに座らないで、あと連絡もこまめに返して、帰りは迎えに行くから」
あれから彼は感情をしっかり伝えてくれるようになった
嫉妬深いから大変なこともあるけど、なんだか愛されてるように思えて私も悪い気はしていない
『うん、わかったよ笑迎えお願いする時は連絡するね』
『じゃあ、行ってきます』
優「あっ!まって!」
慌てて部屋に引っ込んで行った彼を可愛いなあと思いながら眺めていると、すぐに出てきてシュッと私になにかふりかけた
優「ん、俺の香水、魔除けにね」
彼の嗅ぎ慣れた香りが、私の鼻をかすめる
優「行ってらっしゃい」
ちゅっと触れるだけのキスをしてしまえば行きたくないなあなんて感じてしまう
彼はそんな私の気持ちに気づき、あの夜と同じ子供みたいな悪い顔をして私を送り出した
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