テラーノベル
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配信のアーカイブに付いたアンチコメント。
それを見つけてしまった瞬間、一気に体温が下がる感覚がした。
🌸「……………」
🍷「………」
不機嫌があからさまに態度に出る。
勿論奏斗に対するものではないが、それを感じ取った奏斗が若干居心地悪そうにちらちらとこちらを見ていた。
反論なんてするつもりはないけど、どうしてももやもやはしてしまう。
意識を逸らそうとゲームしてみたり、漫画読んでみたり。
結局またコメントみたり。
ごろごろしながら暫くそれを繰り返していたけど、とうとう耐えきれなくなった奏斗が声をかけけてきた。
🍷「……、ねぇ、どうしたの」
ごろりと寝返り、奏斗に視線を向ける。
すぐに視線を戻して、コメント欄を開いてそのままめいっぱい腕を伸ばしてスマホを手渡す。
🌸「………………むかつく」
🍷「ん?………あ〜、これ?」
それを軽く読み流してスマホを返される。
もやもやした感情を表に出したまま奏斗を見つめると、少し困ったように微笑まれた。
🍷「🌸がそんなに気にしなくてもいいのに」
それはそうなんだけど。
ネット上で活動している以上、おそらく一般的な人より悪意に晒されやすい。
本当に些細な揚げ足取りだったり、ネタとしての発言を誤解されたり。
🌸「だって見ちゃったのは気になるじゃん…」
🍷「ん〜………」
何を言っても私が落ち着かないのがわかったのか、作業を止めてこちらに向かって両手を広げた。
この方法である程度宥められてしまう自分、ちょろすぎない?
でもだって好きな人とのハグだよ?抗える訳がない。
伸ばされた手を掴んで立ち上がって、ソファに座った奏斗の膝上に抱え込まれる。
そのまま一定の速度でゆるゆると頭を撫でられ、その心地よさに目を閉じた。
🍷「…俺の為に怒ってくれるのは嬉しいけどさ、でもどうせ考えるならもっと楽しい事にしてよ」
🌸「………………………うん…」
🍷「けっこう間があったな??」
🌸「おかげさまでだいぶ落ち着きましたが」
🍷「…が?」
溶けきらなかった小さな塊を吐き出すように。
🌸「……ごめん」
ギリ届くかわからない声量で謝ると、私は奏斗の腕に噛み付いた。
🍷「い”っ…!?」
反射的に引っ込められた腕を目で追って、流れで奏斗の顔を見上げる。
いきなり何してんのこいつって目で見られた(当然)。
大丈夫、血の味はしなかったから怪我にはなってない。
🌸「…ふぅ!」
🍷「いや、は?何なんで俺噛まれた???」
🌸「すっきりした」
🍷「意味わかんないんだけど?!」
そりゃそうだろうね、もやもや発散したかっただけだし。
混乱している奏斗を尻目に、立ち上がりぐっと背伸びをする。
🌸「なんか疲れたし寝よ」
🍷「この流れで寝る!?」
🍷「甘い空気のままえっちする流れじゃないの…?俺痛い思いしただけじゃん…」
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🌸「しない」
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