テラーノベル
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🍷「…頭痛い………」
帰って開口一番。
荷物を受け取りながら、奏斗の顔を覗き込むと痛みによって歪んだ眉間が目に入った。
風呂に押し込んでその後に御飯かなと考えていたけど、これはそのまま寝かせたほうがよさそうだ。
🌸「横んなってて。薬持ってくるから」
🍷「うん…」
大きく溜息をついて寝室に向かう。
その姿を見送ってから、私は薬を入れている引出しを確認した。
所謂お天気痛をよく発症しているから、自分用の痛み止めは常備している。
が、一応女性特有の痛み向けではあるので、今回は別の薬を手に取った。
これまた常備しているペットボトルの水を1本手にとって寝室に向かう。
静かにドアを開けると、真っ暗闇の中ベッドに横たわる奏斗の背中がうっすら見えた。
🌸「ごめんつけるよ」
回り込んで声をかけてからベッドサイドのランプをつけた。
奏斗は眩しそうにしながらゆっくり目を開け、ベッドの上に座り込む。
飲めと薬とペットボトルを手渡すと、暫く黙ったあとこちらを見つめてきた。
🌸「え、飲んでよ」
🍷「……飲ませて?」
🌸「ん???」
🍷「口移し…」
この状況でそんな冗談出てくる?
いや、弱ってるのはわかる、わかるからこそそのおねだりを叶えるべきかと血迷ってしまった。
そんな訳なくない?
🌸「飲めるよね」
🍷「いけるかと思ったんだけどなぁ…」
言いながら薬を水で流し込む。
残念そうな顔されてもしないからな。
でも正直ちょっと安心した。
死にそうな顔して帰ってくるんだもん、相当痛かったんだと思うけど冗談言うくらいはできるみたいで。
🌸「なんか食べる?」
🍷「いらない」
🌸「うん、じゃあおやすみ」
立ち上がったところで腕を掴まれた。
なんだと振り返ると、今度は本当に懇願するような視線を向けられる。
🍷「…ひとりでいたくない、」
🌸「ん”………」
🍷「一緒にねよ…?」
簡単に振り解けるくらいの力なのに、どうしても抵抗はできなかった。
ゆるゆると腕を引かれ、奏斗の腕の中に閉じ込められたままベッドに沈んでいく。
電気付けっぱなしなんだよなぁ。
まだ家事も終わってないんだけど。
色々考えてたけど、抱き枕よろしく抱え込まれて奏斗の匂いと体温に包まれてしまえばどうでもよくなってしまう。
こんな事で安心してくれるなら、全部後回しでいい。
頭上から聞こえてきた寝息を子守唄がわりに、どうか明日には奏斗の体調が快復するよう祈りながら、私も静かに意識を手放した。
* ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ * ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ *
あまり酷くないといいけど!
早く良くなりますように…(。>ㅅ<)✩⡱
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