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『初音ライダー剣』

第22話

“交換”

光「何だ?」

レン「お前、カテゴリーQだろ。封印させてもらうぜ!」

レンは光に宣戦布告すると、早速レンゲルバックルを取り出し、腰に装着する。

レン「変身!」

「OPEN UP」

レンはポーズを取った後、スピリチアエレメントをくぐってレンゲルへと変身し、光に挑みかかる。

光「…ふう。」

光は軽いため息の後、正体・タイガーアンデッドへと変化し、応戦する。レンゲルはレンゲルラウザーをがむしゃらに振るってタイガーアンデッドを攻撃していく。タイガーアンデッドはレンゲルの大振りな攻撃パターンを見切り、攻撃の合間を縫ってレンゲルの懐に入り込み、レンゲルの顎の下から掌底を入れる。

レン「くっ!」

レンゲルは掌底をくらって怯むが、すぐに踏ん張って体制を立て直し、ラウズカードを2枚取り出し、そのうち1枚をレンゲルラウザーでラウズする。

「REMOTE」

レンゲルは♣10「REMOTE」のカードでもう1枚のカード・♣8に封印されていたスキッドアンデッドを解放し、使役する。レンゲルはスキッドアンデッドに指示し、自分と共にタイガーアンデッドに襲いかからせる。スキッドアンデッドは煙幕を吐いてタイガーアンデッドの視界を封じる。だが、タイガーアンデッドはこれをものともせず、スキッドアンデッドに接近してそこにまた掌底を叩き込む。スキッドアンデッドはその掌底で飛ばされ、倒れ伏した。レンゲルは負けじとレンゲルラウザーを振るってタイガーアンデッドを攻撃するが、タイガーアンデッドはレンゲルの腹部に右足で蹴りを入れる。

レン「ぐ…」

レンゲルは鳩尾に蹴りをくらってよろける。しかし、再びレンゲルラウザーを握って立ち向かおうとする。だが、タイガーアンデッドの威圧感を受けて踏みとどまった。

光「まだやるか?」

タイガーアンデッドはプレッシャーを放ち、レンゲルを威圧する。その佇まいは既に「お前は私に勝てない」と無言のまま言っている感じだ。

レン「…っ!」

レンゲルは地面を強く踏んで悔しがり、その場から撤退する。

光「…あいつ…戦いを強制されてるのか…?」

タイガーアンデッドは先の戦いを通してレンゲルの多重人格の様子と、レンゲルがスパイダーアンデッドの邪気に操られていることを察した。

ウルフアンデッドにブラックファングを奪われたミクとMEIKOはウルフアンデッドを追跡すべく、BOARD宿舎に戻ってウルフアンデッドの行方を追っていた。

MEIKO「どう?ウタ、モモちゃん。」

ウタ「まだ反応ありません。」

ウタとモモはアンデッドサーチャーでウルフアンデッドの反応を追うが、まだ反応をキャッチできない。そんな時、宅配が1つ届いた。

MEIKO「何?こんな時に…」

MEIKOは外に出て宅配を受け取った。中身を見てみると、ラウズアブゾーバーが1つ入っていた。

MEIKO「これって…」

ミク「あ、アブゾーバー!」

ミクとMEIKOはこのラウズアブゾーバーがギャレン用のモノだと確信した。

ミク「これで姉さんもジャックフォームになれるね!」

ミクは嬉しそうな顔をする。

MEIKO「でも、カテゴリーQのカードがない…」

MEIKOはカテゴリーQのカードがないことを残念がる。せっかくラウズアブゾーバーがあっても、Qのカードがなければジャックフォームへのパワーアップは果たせない。そこで、ミクはあることを思いついた。

ミク「…あの人に頼んでみようか。」

MEIKO「へ?誰よ、あの人って。」

ミク「頼んでみる!」

ミクは心当たりのある人物に頼んでみようという。そして、駆け足でBOARD宿舎を出ていった。

スーパーからはルカとユキが出てきた。2人は買い物袋に多数の食材を入れて抱えている。

ユキ「お姉ちゃん、今日ウチに食べにくるよね?」

ルカ「ああ。」

ユキ「よかった。ウチに美味しいお菓があるんだ。お姉ちゃんにも上げるよ。」

ルカ「ああ、それは楽しみだな。」

何気ない会話をしながら帰路を歩く2人の前にミクが現れた。

ミク「ルカさん…」

ルカ「ミク…」

ルカはミクを見て立ち止まる。その様子をユキが見ていた。

ユキ「お姉ちゃん、どしたの?」

ルカ「ユキちゃん、悪いけど先に帰ってくれる?すぐ追いつくから。」

ユキ「え、また…」

ルカ「すぐ追いかけるから大丈夫だ。私が約束を破ったことがあったか?」

ユキ「う、ううん。」

ルカ「じゃ、後でな。」

ルカはユキに先に帰るよう言い、人払いをする。ユキは少し不安そうだが、結局は素直に従った。

ルカ「…で、何の用だ?」

ミク「カテゴリーQのカードが欲しいの。くれない?」

ミクはルカが持っているカテゴリーQのカードを譲ってくれるよう求める。だが、ルカはそう簡単にウンとは言わない。

ルカ「条件がある。」

ミク「条件?」

ルカ「♥のカードをもらおうか。」

ルカはミクが持っている♥のスートのラウズカードを渡すよう言う。

ミク「分かった。」

ミクはすんなりと了承し、手持ちのカードを差し出す。ルカはそれを受け取ると、その中から♥7と♥8のカードを抜き取る。

ルカ「この2枚をもらう。」

ルカは♥7と8のカードをミクに見せた後、ポケットに収める。

ミク「じゃあ、カテゴリーQを…」

ルカ「もう1つある。今追っているカテゴリーJを倒したら、そのカードを私によこせ。」

ミクはカテゴリーQのカードをもらえると思ったが、ルカはさらに条件を出してきた。カテゴリーJ=ウルフアンデッドのカードをよこせと言うのだった。

ルカ「倒せたらでいい。時間も問わない。」

ミク「分かった。必ず倒す。」

ルカ「…」

ルカは倒せたらという前提条件を出したが、ミクは快く答える。その瞳はまっすぐ前を向いている。

ルカ「…いいだろう。持っていけ。」

ルカは♦Qのカードを取り出し、ミクに渡す。

ミク「ありがとう!」

ミクははきはきした声でルカに礼を言い、その場を去った。

ルカ「…」

ルカは無言でミクの後を見送った。

♦Qのカードをもらってブルースペイダーの元に来たミクにウタから連絡が入る。

ウタ「ミク、カテゴリーJを見つけた。今、MEIKO先輩が追ってる!」

ミク「分かった!」

ミクは通信を受け取ると、ブルースペイダーに跨り、ブルースペイダーを走らせる。同時に、ブレイバックルを取り出して腰に装着した。

ミク「変身!」

「TURN UP」

ミクはブルースペイダーごとオリハルコンエレメントをくぐってブレイドに変身し、アンデッドがいる場所を目指して走る。

街中ではギャレンがレッドランバスを走らせ、ウルフアンデッドの乗るブラックファングを追っていた。ブラックファングは最高速でレッドランバスを上回る。さらに、ウルフアンデッドのバイク操縦テクニックと相まってギャレンを寄せ付けない。

MEIKO「このッ!」

ギャレンはギャレンラウザーを取り出し、ウルフアンデッド目掛けて発射する。だが、ウルフアンデッドは軽く車体を左右に振って銃弾を回避する。その動きはまるで背中に目がついているようだ。

MEIKO「く…」

ミク「姉さん!」

対応に苦慮するギャレンの隣にブレイドが来た。

MEIKO「ミク、丁度良いとこに!」

ギャレンは良い時に来たと思い、ブレイドに作戦を伝える。

MEIKO「この先で回り道して。ヤツを包囲するわよ!」

ミク「う、うん!」

ギャレンはブレイドに回り道してウルフアンデッドを挟み撃ちにするよう指示を出す。ブレイドはこれを承諾し、ギャレンの元を離れて回り道する。

MEIKO「よし!」

ギャレンはそう言うとレッドランバスのスピードを上げてブラックファングに追いつき、右側からギャレンラウザーを撃つ。ウルフアンデッドは体を反らしてこれを回避し、さらにスピードを出してギャレンと距離を取ろうとする。ギャレンは怯まずギャレンラウザーを撃ってウルフアンデッドを牽制する。ウルフアンデッドはさらにブラックファングのスピードを上げる。そして、ブラックファングがトップスピードに入ろうとした頃、レッドランバスを完全に引き離せるとウルフアンデッドは思っていた。その時、ブレイドがブルースペイダーを駆って目の前に現れた。トップスピードで走っていたブラックファングはブレイドのいきなりの出現に驚き、慌ててハンドルを切った。だが、そこでギャレンがギャレンラウザーを連射する。ブラックファングはタイヤに銃弾が当たり、パンクを起こす。それでも尚走り続けるブラックファングだが、もうトップスピードは出ない。そこが狙い目だと睨んだギャレンはレッドランバスにラウズカードをラウズする。

「FIRE」

ギャレンは炎のエネルギーを纏ったレッドランバスを車体ごとブラックファングに突っ込ませる。ブラックファングは車体がへこんで大きなダメージを負い、大きく転倒した。ウルフアンデッド自身はその直前にブラックファングから降りたため、ダメージはほぼない。だが、足でライダーたちから逃げきるのはもう不可能だ。

新名」「よくも…よくも俺のブラックファングを!」

ウルフアンデッドは怒りに燃える目でギャレンとブレイドを睨む。

ミク「姉さん、これを!」

ブレイドはギャレンに♦Qのカードを渡す。ギャレンは早速、左腕に装備したラウズアブゾーバーにそのカードをセットする。

「ABSORB QUEEN」

ギャレンは次に♦Jのカードをラウズアブゾーバーでラウズする。

「FUSION JACK」

ギャレンは金色の光に包まれて装甲の一部が金色に輝き、背中にはオリハルコンウィングが現れ、ジャックフォームとなった。

新名「よくもォ!」

ウルフアンデッドは鋭い刃を武器にギャレンに殴りかかる。だが、ギャレンはオリハルコンウィングを広げて空中へ飛び上がり、強化型ギャレンラウザーから♦2、4、6のカードを取り出し、ラウズする。

「BULLET」

「RAPID」

「FIRE」

「BURNING SHOT」

3枚のカードの絵柄がギャレンにオーバーラップされた後、ギャレンは強化型ギャレンラウザーを構えてウルフアンデッドに狙いを定め、炎の弾丸を高速で連射する。

新名「うあああああ!」

ウルフアンデッドは炎の弾丸を連続で受けて大ダメージを負い、その場に倒れ伏してアンデッドクレストを開いた。ブレイドはそこにブランクのラウズカードを投げ込み、ウルフアンデッドを封印した。その直後、ブレイドは誰かの視線に気付いた。ルカが物陰で腕を組んで見ていたのだ。

ミク「…ありがとう。」

ブレイドは約束通り、ルカにウルフアンデッドを封印した♥Jのカードを渡した。ルカはそれを受け取り、ブレイドとギャレンに背を向けてその場から退散した。

MEIKO「何でアイツにカード渡すの?」

ミク「ごめん、約束してたから。」

ブレイド/ミクは♦Qのカードを手に入れる際、ルカに条件を付けられたことをギャレンに話した。

MEIKO「そんなことがあったの。」

ミク「うん。だから今度、お礼でも言った方がいいんじゃないかな。」

ブレイドとギャレンは変身を解いて元の姿に戻って会話をした。

一方のルカは条件という約束事を付け、それを守ったブレイド=ミクに対し、こういうのも悪くないと思い、微笑した。

ルカ「…?」

ルカは自分に少し驚いた。何故自分はこんなことを考えるようになったのか。彼女はそれをまだ分からない。


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