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『初音ライダー剣』

第23話

“手札”

城光=タイガーアンデッドに敗れたレンは彼女を打倒すべく、BOARD宿舎に戻ってきた。

レン「おい!」

レンは怒声を上げてBOARD支部に入った。その声にビビったモモは怯え竦んだ。

モモ「…な、何…?」

レン「ラウズカードをよこせ!」

モモはレンの威勢に対し、すっかり怯えている。そこに、キヨテルが助け舟を出した。

キヨテル「カードはありませんよ。」

レン「何!?」

キヨテルの言葉にレンは驚いて問う。

キヨテル「ラウズカードは全てライダーが持っています。ここには1枚もありません。」

レン「チッ!」

キヨテルはラウズカードは全てライダーたちが持っていると言う。方便ではなく、本当のことだ。レンは舌打ちしてBOARD宿舎を後にした。

同時刻、仮面ライダーカリスはシャドーチェイサーを走らせ、アンデッドの気配がした場所へと向かっていた。そして、林の中で岩に腰かけてゲーム機で遊んでいた少年と出会う。

少年「ん?」

ルカ「カテゴリーKだな。」

カリスは少年をカテゴリーKと呼び、シャドーチェイサーを降りてカリスアローを向ける。

キング「…面倒だな。キングでいいよ。」

キングを名乗った少年は面倒臭そうに岩を降りてゲーム機をしまい、正体・コーカサスビートルアンデッドへと変化する。同時に、配下のアンデッド・スカラベアンデッドも出てきた。カリスはコーカサスアンデッドらの方へダッシュして一気に距離を詰め、カリスアローを振りかざす。だが、その瞬間にカリスの動きが止まった。スカラベアンデッドの能力でカリスの居る空間の時間が止まってしまったのだ。スカラベアンデッドはその隙に、手にしたチャクラムを投げてカリスを攻撃する。

ルカ「ぐっ!?」

カリスは思わぬダメージを受けて倒れ転げ、崖からそのまま落ちてしまった。

キング「…ジョーカーもこの程度か。んじゃ、ゲームの続きでもしようかな。」

コーカサスアンデッドはカリスが崖から転げ落ちたのを見て、スカラベアンデッドを返し、再び人間態となってゲームの続きをすることにした。

キング「ん?」

キングはカリスが居た場所に散らばっているラウズカードを見つけ、全て拾い上げた。

キング「へえ、戦利品だな。」

キングは拾ったラウズカードを見てニヤリとした。

その後、林の中でアンデッドの出現を感知したという報せを聞いたミクがブルースペイダーを走らせて林の中を探索していた。その中で、倒れているルカを発見した。

ミク「あ!」

ミクはブルースペイダーを停め、ルカの元に駆け寄る。

ルカ「…ん?」

ルカは山小屋の中で目を覚ました。その付近ではミクが傷の手当をしていた。

ミク「あ、起きた?」

ミクはルカが目を覚ましたのを確認し、彼女の側に寄る。だが、ルカはどこか苦しそうだ。

ルカ「っ…」

ミク「どうしたの?」

ルカ「何でもない…」

ミクはルカを気遣うが、ルカは腕を伸ばしてミクを拒絶する。だが、ミクもそう簡単には引き下がらない。

ミク「何でもないことないでしょ?そんなに苦しそうなのに…」

ルカ「…何でもない!」

ミク「何でもないことないよ!まずは私に話してみて!」

ルカ「…少しだけだ。」

ミクは強引なまでにルカの事情を聞き出そうとする。ルカも本調子でないためか、意外とすぐに観念した。

そして、ルカは何があったかをミクに話す。

ミク「カードを失くした?」

ルカ「…ああ。」

ルカは手持ちのラウズカードを失くしてしまったことを話した。そして、話を終えると、ルカは山小屋を後にしようとする。

ミク「どこ行くの?」

ルカ「…カードを探す。」

ルカは苦しみつつも、カードを探しに行こうとする。

ミク「私も一緒に探す!」

ミクも一緒にルカの失くしたカードを探そうと名乗り出る。

ルカ「…よせ。お前に借りを作る気はない…」

ミク「借りとかそんなのはいいよ。私がしたいからするの。」

ミクはルカのカード探しに付き合うと言い出す。ルカはこれを拒否するが、ミクの強引さに押され、結局一緒に探すことにした。

そして、ミクとルカはカードを探した。だが、1枚も見つからず、ルカの手元にあるのは♥A「CHANGE」のカードのみだった。

ミク「…見つからないね。」

ルカ「…」

キング「当たり前だろ。僕が持ってんだから。」

ミク「へ?」 ルカ「!」

ミクとルカがカード捜索をしていた最中、キングが林の中から声をかけてきた。

ミク「誰?」

ルカ「…カテゴリーK!」

キング「だからキングでいいって。」

キングは右手でルカの持っていたラウズカードを出す。

ルカ「…返せ!」

キング「嫌だね。面白くないからさ。」

キングは手に持ったカードをしまう。ルカはキングの方へダッシュし、♥Aのカードを取り出してカリスラウザーでラウズする。

ルカ「…変身!」

「CHANGE」

ルカはカリスへと変身し、キングに挑みかかる。キングもコーカサスアンデッドへと変化し、カリスのカリスアローでの一撃を止めた。だが、本調子でないカリスは簡単に押し切られ、そのまま弾き飛ばされて地面に転倒してしまう。

ルカ「く…」

キング「何でわざわざカリスの姿で来るかなぁ…」

ルカ「…黙れ!」

キング「本当の姿を晒し出せばいいのにさあ。」

コーカサスアンデッドはルカがカリスの姿で挑んできたことに呆れる。そこにミクがルカの「本当のこと」について勘繰る。

ミク「本当の姿?」

コーカサスアンデッドはミクの言葉を聞いて、あることを思いついた。

キング「知らないの?だったら教えてやるよ。そいつは死神・ジョーカーだよ!」

ミク「え!?」

ミクはコーカサスアンデッドに問う。

キング「何が嫌なのか知らないけど、アンデッドの本性を受け入れりゃ良いのにさ。その方が一気に楽になるし。」

ルカ「…黙れと言った!」

カリスは再びコーカサスアンデッドに挑む。だが、コーカサスアンデッドの剣での一撃でカリスはまたしても弾き飛ばされた。ミクはカリスの側に駆け寄る。

キング「ひょっとして、これが欲しい?」

コーカサスアンデッドは♥2「SPIRIT」のカードを取り出してミクとカリスに見せる。

ルカ「…返せ!」

キング「嫌だね。じゃあな。」

カリスの声虚しく、コーカサスアンデッドは林を去った。カリスは変身を解いてルカの姿に戻り、再び苦しみ出した。

ルカ「はあ…はあ…」

ミク「ルカさん。」

ミクはルカを気遣う。その一方で、ルカに聞きたいことを問う。

ミク「ジョーカーて、何?」

ルカ「…私の、本当の姿だ…」

ルカは自分の本当の姿がジョーカーであると言う。そしてその直後、ルカは正体・ジョーカーへと変化した。だが、すぐにルカの姿に戻った。

ミク「何で…正体を隠すようなことを?」

ルカ「分からない…ただ、ヒューマンアンデッドのカードを手にして、ユキちゃんに会ってから、元の姿に戻るのが次第に嫌になった…」

ミクはさらに聞き出す。ルカ/ジョーカーは♥2「SPIRIT」のカードを手にして以来、ユキと出会い、彼女と一緒にいるうちにジョーカーの姿に戻るのが疎ましくなったという。同時に、アンデッドの性(さが)である闘争本能も抑えられ、人間に感化されてきた。だが、「SPIRIT」のカードを失ったことで、アンデッドの本能を押さえることが苦しくなってきた。

ミク「…そうだったんだ。ごめんね。」

ルカ「…何故、謝る?」

ミク「だって、嫌だったんじゃないの?正体について話すの。」

ルカ「…いや、別にいい…」

ミクは話したくないことを聞いたと思い、ルカに謝罪する。だが、ルカは別にいいと思い、その後もミクと少し会話をした。

ミク「ルカさん、BOARDに来ない?」

ルカ「何?」

ミク「BOARDに来て、私たちの仲間に入ってほしいの。」

ミクはルカにBOARDに来るように誘う。

ルカ「…だが、お前たちBOARDはアンデッドを封印するのが仕事だろう…?」

ミク「大丈夫。皆は私が説得するから。」

BOARDの仕事はルカも知っている。ミクはルカをBOARDに入れるため、BOARDの面々を説得すると買って出た。

BOARD宿舎に戻ったミクは早速、皆の説得を試みた。現在、BOARDにいるのはミクを除けばMEIKOとウタの2人だけだった。

MEIKO「アンデッドをここで?何バカなこと言ってるの?」

MEIKOは当然、拒否した。ウタもMEIKOに同意する。

ミク「でも、悪い人じゃないよ?人間に感化されてて。」

ミクは引き下がらずに2人を説得しようとする。

ウタ「ミク、あの人をここに引き込むのはこれで3回目だけど、誰もあの人に気を許してないよ。実際、私の勘だけど、あの人がジョーカーなんじゃないかって思ってる。」

ウタはルカの初期のアンデッドサーチャーでの反応から、ルカがジョーカーなのではないかと思っていた。

ミク「う、うん。そうだけど…」

MEIKO「え!?」

ミク「あっ!?」

ミクはまずいことを言ったと思い、口ごもった。だが、時すでに遅し。

MEIKO「ミク、今ジョーカーて言ったわよね?」

ミク「い、いや…言い間違えちゃって…」

MEIKO「しらばっくれるの止めなさい!」

MEIKOは本気で怒る。そして、アンデッドについて説明する。

MEIKO「1万年前のアンデッドたちのバトルロワイヤル…地球の覇権をかけたその戦いに参加した生物の始祖たちの中に、どの生物にも属さない唯一の例外がいた。それがジョーカーよ!」

ミク「それで…何?」

MEIKO「高い戦闘能力と、倒した敵の能力を使えると言われるジョーカーはどのアンデッドからも一目置かれていた。そして、誰もがジョーカーを恐れて、時には敵同士で手を組んででも潰そうとした。何故か分かる?」

ミク「い、いや…」

MEIKOは力説するが、ミクは分からない。BOARD支部襲撃以来、資料のほとんどが燃えてしまって、調べられなくなったからだ。だが、MEIKOはそれを知っている。

MEIKO「ジョーカーがバトルロワイヤルに勝ち残れば、誰も生き残らない!地球から全ての生命がいなくなるの!」

MEIKOはルカ=ジョーカーが地球の生命を全て滅ぼすと言う。ルカはそれを奥の部屋で聞いていた。

ルカ「…」

MEIKOはルカのいる部屋に向かう。ミクはそれを止める。

ミク「姉さん、何するの?」

MEIKO「言うまでもないでしょう?」

MEIKOはルカのいる部屋の前でギャレンバックルを取り出す。だが、彼女が部屋に入るのをミクが止める。

MEIKO「そこどきなさい、ミク!」

ミク「ダメ!私は…あの人が人類を滅ぼすなんて考えられない!」

ミクは体を張ってルカの封印を止めようとする。

MEIKO「じゃあ、どうするの?」

ミク「それは…」

MEIKOはミクに善後策を問うが、ミクは答えられない。考えていないためだ。だが、MEIKOはミクの気持ちを汲み、ある事を提案する。

MEIKO「…じゃあ、こうしましょう。」

MEIKOはミクを外に連れ出す。そして、ギャレンバックルを取り出す。

MEIKO「私が勝ったらジョーカーはここで封印する。ミクが勝ったら、自分の考える通りにすればいい。」

ミク「…」

MEIKOは実質上、ミクに決闘を挑んできた。ミクはMEIKOと戦うなど不本意ながらも、ルカを守るためブレイバックルを取り出す。

MEIKO「変身!」 ミク「変身!」

「TURN UP」 「TURN UP」

音声の後、2人はオリハルコンエレメントをくぐって仮面ライダーへと変身した。MEIKO/ギャレンとミク/ブレイドは互いに武器を取り、ルカ/ジョーカーの封印を巡って対立する。


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