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テラーノベル(Teller Novel)
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二口君の貧血です。これから何回か、二口君の体調不良を何作か書こうと思います。その後にちゃんとリクエストいただいたものを書くので、お付き合いください。



3年生が引退した。俺、二口啓治が次の主将に任命され、俺が今では伊達高バレーボール部の主将となった。しかし、想像していたよりも主将の仕事はハードで大変だ。部活中にも自分の練習がしたいが、部員全員の練習メニューやアドバイス、部誌というものを書かなければならない。今日に反省点、明日はこんなメニューを組んで練習する。などなど色々書かなければならない。こんな事を毎日こなしていたのかと思うと、前主将の茂庭さんはすごいと改めて感じた。3年生の事は、もちろん尊敬していた。居なくなったら、すごい大きな存在だったと改めて実感する。帰ったらもう遅い時間で、軽く勉強してご飯食べてくらいの時間しかなかったが、寝る時間を惜しんで自主練した。朝練の時だって、誰よりも早く行って、部室を開けなければならない。朝練も通常より早く行って、自分の練習をした。午後練も部誌を早く書いて居残り練習した。家に帰っても筋トレなどをして少しの睡眠しかしなかった。

そんな生活で体が持つわけはない。ちょくちょく体に不調は感じていた。頭痛や眩暈、吐き気

精神的にも疲れてんだなって思っていたけど、主将として部活を休むという選択肢はなかった。青根や同級生に顔色が悪いと指摘を受けたが、寝不足だと誤魔化した。だって今日は…絶対に休みたくない日だった。引退をした3年生達が久しぶりに顔を見せてくれる日なのだ。

今日に授業は移動や実習、体育などがなく心底安心した。しかし、午後練が近づくにつれて、頭が痛く、ふらふらした。部室の鍵を開けなければならないから、怠い体を無理矢理動かして、部室に向かう。部室に着く頃、先に来ていた後輩が

「二口先輩‼︎開けてください〜」

と言ってきたので、遅くなってごめんな!と軽く会話をして部室を開ける。

練習を開始する頃には頭痛は増して、体がふらつく。いつもは俺もすぐに練習に混じり、途中から練習メニューの確認をするのだが、今は動きたくないと思った。しばらくすると茂庭さん達3年生がきた。

3年生 「おーっすやってるかぁ〜‼︎」

部員 「お久しぶりです〜」

といつも以上に元気な部員を見るとやはり俺は主将にはなれないと、嫌になる。

茂庭 「あれ?二口は?」

というと青根が俺がいる方向を指差す。

茂庭 「あっありがとう」

鎌先 「今日は絡んでこないと思ったら、ちゃんと主将やってるね」

青根 「二口…無理してます。最近全然笑わなくなりました。元気…ないです。」

茂庭 「二口はああ見えて責任感があるから、主将の責任感じちゃってんのかもね。俺様子見てくるよ」

青根 「コク))お願いします。」

茂庭 「うん」


茂庭 「ふーたくち‼︎」

と呼んでるけど、頭がズキズキしてふらふらする。全然聞きえない。

そしたら、いきなり目の前が真っ暗になった。

茂庭 (集中してんのかな…後でいいか)

と振り返って戻ろうと思ったその時、後ろでバタン‼︎と音がした。

茂庭 「え…二口⁈」

俺の叫び声で部員や鎌ちやささやんも集まってきた。

「どうした…‼︎」

「二口⁈」

「保健室に…!」

部員は練習を青根に指示させて3年生は二口に付き添った。よく見ると顔色も良くないし、隈もできている。無理をしていたんだと思うが、それに気づけなかった、自分が許せない。



二口 「んっ」

3年生 「二口‼︎気が付いたか?」

二口 「あれ…保健室…なんで」

保健室の先生 「見た所貧血と睡眠不足ね。あまり無理をしないように。じゃあ私は職員会議があるから、後は頼んでいいかしら」

茂庭 「あっはい!ありがとうございました」

保健室の先生 「お大事にねー」

二口 「あっ練習戻んなきゃ。」

とまだふらふらする体を持ち上げ練習に向かいおうとした。

鎌先 「まだそんなふらふらじゃねぇか!休んどけよ」

茂庭 「そーだよまだ寝てなきゃ…」

二口 「休んでる暇なんてないです。」

と茂庭さんの言葉を遮ってしまった。でも止まれない。涙と一緒に今まで我慢していたものが溢れてくる。

二口 「俺はまだ自分の事でいっぱいいっぱいで、主将なんて立場で偉そうな事を言えるほど立派な人間じゃないんです。もっと頑張っていかないと、鉄壁が壊れる。勝てない。俺なんか、茂庭さんみたいな主将なんてなれるわけ…ないんです。もうやだ…」

それを3年生達は静かに聞いていくれた。久しぶりこんなに泣いたのなんて久しぶりだ。止めようにも、一度溢れたものはなかなか止まってくれない。

茂庭 「二口はさ…俺から見ても誰から見ても頑張ってると思う。俺になんて憧れる必要なんてないんだよ。二口は二口らしい鉄壁を築いていけばいいと思うよ!」

二口 「でも…俺不安です。」

鎌先 「あー‼︎もう‼︎いつもいやってほど生意気なのになんでそんな弱気なんだ‼︎っていうか主将に向いてないって言ってたけど…お前らそろそろ出てこいよ‼︎」

二口 「は?」

保健室の外で

「あれ?俺らバレてる?」

みたいな会話が聞こえるとバレー部員がぞろぞろと入ってくる。

女川 「お前もっと頼れ。なんの為の仲間だよ」

青根 「コク))頼れ。」

茂庭 「主将できてるよ」

二口 「はい…はい…‼︎」

そこからしばらく部員に頭を撫でられたり、無理をしすぎるなと説教を受け、部員の優しさに泣けてきた。しばらく泣いて、安心した為か睡魔が襲ってきた。俺は、茂庭さんに倒れるように寝た。

茂庭 「おっ…と。寝た…」

鎌先 「寝かしとこーぜ。どーせ寝れてないんだろ。隈できてたし。」

茂庭 「そうだね」

その時寝顔の写真を撮られ、先輩のスマホのホーム画面になったのを知るのは数週間がたった後だった。

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すごいです!フォロー失礼します!

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