なにわの姫

☀️

『なぁ○○。』

「…なぁに、」

『今日おやすみにしよっか』

起きて1番に言うセリフそれ？

「やだよ」

『でも、』

「でもなに？」

『体調悪そう』

「大丈夫だよ」

起きてすぐに私の体調不良に気付いてくれる。

『でも』

「大丈夫だから」

その場は私が言いくるめて終わったんだけど

『やっぱ大丈夫やない』

出発前にそう言われて、その話は終わったじゃん、ってイライラして。

「大丈夫だって！」

『大丈夫やないよ！心配やから言ってんの！』

「大丈夫だから！！」

どんどんヒートアップしてしまう。

『○○が大丈夫って言ってる時点で大丈夫やないから！』

「大丈夫！」

『今日雷鳴るけど？1人なんやろ？』

「大丈夫だもん」

『そんなに行きたいなら行けば』

『過呼吸なっても助け行かんで』

「いいもん」

最後は投げやりになって、迎えの車に乗り込む。

🚗

マネ「元気なくない？喧嘩でもした？w」

さすが長年一緒にいるだけあって。

「そうだよ」

マネ「仲介者は？」

「皆んな居なかった」

マネ「そうなの？」

「ロケとか旅行とか。」

マネ「そうだった、」

マネ「んで、原因は？」

「今日休めって。」

マネ「あ〜、言われてみれば、ちょっと顔色悪いかも。」

マネ「今日天気ものすんごい悪いみたいだし」

マネ「心配してんだよ。」

「それは分かってるけど、」

最近過呼吸なってないし。

マネ「あ、そういや帰り高橋さんと一緒じゃん。」

「え、そうだっけ」

マネ「雑誌撮影が近くの喫茶店だからって。」

マネ「仲直りしててよ〜？こっちが気まづいから〜」

「そう言われても、、」

あんな大喧嘩したんだよ？

でも、、このままもダメだよね、

と思いつつ、収録準備に取り掛かる。

S「○○ちゃん、ダンスうま！！」

「一応アイドルなので！w」

S「一応じゃないよw」

久しぶりにSくんに会う。普通の爽やかイケメン。

無事に収録を終えて、少しSくんとお喋り。

S「久しぶりだね〜」

「元気だった？」

S「元気元気！というか○○ちゃん体力あるね！w」

「でしょw」

「でも流石にちょっと疲れたかも、w」

S「だよね。ゆっくり休みな。」

S「すんごい頑張ってるみたいだけど休むのも大事だぞ〜w」

「分かってるよ〜」

分かってる。分かってるけど。

マネ「次の打ち合わせしてくるんで、その間に着替えちゃってください」

「はーい。」

マネ「ちょっと時間かかりそう。」

「じゃあゆっくり着替えてる。w」

ゴロゴロゴロ⚡

「雷、」

大丈夫、落ち着いて、ゆっくり深呼吸。

ピカッ⚡

チカッ

電気が消えた。そう思ったのは一瞬。またすぐに電気は付いた。けど、、

「はっ、はぁっ、」

呼吸が乱れて過呼吸気味になる。最近大丈夫だったのに、、

自分で落ち着かせようと頑張るけど、中々治まってくれない。

苦しい、誰か、、恭平、

ダメだ、止めてくれたのに無理やり行ったのは私。助けに行かないって言ってたし、もしかしたらまだ撮影してるかも。

でも、、

恭平Side

『はぁ〜、、』

ピカッ⚡

『はっ？』

一瞬の停電。

『それにしても雷やばいな、』

思うのは○○のことばかりで。大丈夫かなとか、過呼吸起こしてないかなとか。

『ん、マネージャーさんや』

マネ💬「先に○○さんと合流しててください。部屋は、」

俺ら喧嘩したしなぁ、、

マネ💬「早く仲直りしてくださいよ」

あれ、知ってて言ったん。

その時、電話が鳴る。表示されていたのは○○の名前。

📞『もしもし』

📞「、、」

なに？無言？

📞『もしもし？○○？』

📞「ごめ、っ、何でもな、っはぁっ、」

ﾌﾟﾂｯ

『え、切れた、』

『過呼吸なってたよな、』

『助けてって言えばええのに、』

『…いや、俺が助けに行かんって言ったからか、、』

○○Side

苦しいのが耐えられなくて、恭平に電話してしまった。

でも声が少し不機嫌に聞こえて、何でもないって言って切ったけど、、マネ、早く、！

ｺﾝｺﾝ

マネ、？

『○○！』

そこに立っていたのはマネージャーではなく、愛しい人。全身びしょ濡れで、息も上がってる。

「きょ、、何で、」

『大丈夫。深呼吸。ほら吸って〜、』

恭平が来ると、不思議と呼吸が楽になる。

「きょ、くん、っ泣」

『もう大丈夫。苦しかったな。』

そう言って抱きしめて頭も撫でてくれる。

『朝はごめんな。言い過ぎた。』

恭平は悪くないのに。

「んーん。○○もごめんなさいっ、」

『1人で不安やったよな、ごめんな』

何にも悪くないのに謝る恭平。

『朝、あんなこと言ったから電話切ったんよな。ほんまごめん。でも、電話してきてくれてありがとう。』

「きょ、泣」

『大丈夫大丈夫。』

もう大丈夫なんだっていう気持ちが溢れて、涙が止まらない。

その涙を恭平が拭ってくれる。

『そろそろ泣き止んで？w』

「ん、っ、」

ちょっぴり困り顔でそうお願いされる。w

『○○、約束しよ』

「約束？」

『どんだけ大きい喧嘩しても、俺にイライラしとっても、うざいと思っても、苦しいとか辛いって思ったら連絡してほしい』

「うざいって思っても？w」

『たとえ俺のこと嫌いになっても。○○が俺の知らんところで苦しんどるのは嫌やから。お願い。』

「わかった、」

『飛んでいくから』

「フランスにいても？」

『おん。飛んでくわ』

「ありがと」

マネ「やっと仲直りですか。」

「マネ、」

マネ「帰りますよ〜」

マネ「あ、高橋さん着替えあります？」

『ある、と思います』

🏠

大「○○ー！雷、大ちゃんおらんくても大丈夫やったー！？」

「大丈夫ー」

大「何かあったらすぐ言うんよ〜！？」

「ありがと」

和「お、○○たち帰った〜？ご飯できてるで〜」

『ありがとうございます〜』