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『四角関係なんて好きじゃない』〜この気持ちに嘘はつけない〜
第16頁 貴方と居たいんです。
『べ、ベリアン。手…っ。』
『…。すみません。今日はこのまま離したくないんです。』
『え…っ?』
『私も…自分の思うより大人ではないようです。』
ベリアンは私の手を自分の口元に当てる。
チュッ。
『こんなにも貴方を…。欲しいと思うなんて。』
触れられたところが熱を帯びる。
『ベリアン…っ。』
一方その頃――。
『……。』
『ロノ、元気だして?』
『花澄さんの返事聞けなかったな。
ベリアンさんが遮るようなことするなんて…。』
『それだけ、ベリアンさんも本気ということでしょう。』
『手強いなぁ、ロノ。まぁ、諦めんな。決めるのは花澄だ。どんな結果になろうとロノは受け止めるしかないけどな。』
『……はい。』
『ロノ君…。』
私とベリアンはプラネタリウムを見に来ていた。
『綺麗ですね…。』
『うん…。』
手を繋いだまま寝そべってプラネタリウムを見上げる。
(こんな積極的なベリアン…初めて。)
『中々ロマンティックなところに来たんだね。』
『ふふ、ベリアン嬉しそう。』
『ルカス、お前もう少しそっちによれ。狭いだろう。』
『ふふっ♪いいじゃんたまには。』
『( #`꒳´ )』
『織姫と彦星ですか……。』
『ん?』
『あ、いえ、織姫さんと彦星さん一年に一回しか会えないなんて寂しそうだなと。私なら耐えられません。』
ベリアンは目線は星を見たまま私に告げる。
『私なら…天の川を泳いででも会いに行きます。自分の好いた相手に会いにいくためなら。』
ドクンッ!
前触れもなく淡々と告げる横顔に…目が反らせない。
うるさくてたまらないのは私の胸の鼓動。愛しくて堪らないのは貴方のその顔。
独り占めしたくて堪らない。
その後もベリアンは手を繋いだまま星を眺めた。私の体温がどんどん熱くなってるのを知ってるのに。
私とベリアンはプラネタリウムから出て
夜ご飯を食べることに。
『花澄さん。あーんしてあげます。』
『自分で食べられるよ?』
『ふふっ。私がしてあげたいのです。』
『っ…。』
もぐっ。
『ベリアン良く恥ずかしくないね。ほかの人見てるのに。』
『むしろ花澄さんの反応を楽しんでるような気もするね。』
『ベリアン凄く嬉しそうです。ニコニコしてますから。』
一方その頃――
『そろそろ時間だな。』
『バスティン。お前で最後だ。頑張ってこいよ。』
『あぁ。』
『頑張って下さいね、バスティン君。』
『最後までお前らしくやればいい。』
『頑張って、バスティン!』
『……健闘を祈る。』
俺はベリアンさん達の後を追い掛けた。
『そろそろ時間ですね…。』
『え?そうだね…。』
『……花澄さん。』
グイッ!
ベリアンが私の手を引いて抱き締める。
『ベリアン…っ?』
『大好きです。花澄さん。これから先も…ずっと貴方と居たいんです。』
『っ……。』
『このまま貴方のこと――。』
ベリアンが私の唇にキスしようとする。
『――!』
『はぁ、はぁ…。ベリアンさん。
交代だ。』
ベリアンの行動がわかっていたかのようにバスティンが私の前に立つ。
(食えない人だ。俺が後ろから来るのをわかってて…花澄さんから見えないのをいいことに…。)
『…おや。残念です。では、花澄さん。
楽しかったです。』
『う、うん。私もだよ。』
ベリアンにヒラヒラと手を振る。
『花澄さん。』
『バスティン?』
『今日で最後だ。だからこのまま二人きりになれるところに行こう。』
『え…っ? 』
バスティンは黙って私の手を取る。
次回
第17頁 必ず守ってみせる。