『四角関係なんて好きじゃない』〜この気持ちに嘘はつけない〜
第17頁 必ず守ってみせる。
『ニャー。』
『ゴロゴロ……♪』
『ね、猫カフェ!』
『あぁ。早く花澄さんと二人きりになりたかったからな。』
『2人きり?』
『あぁ。猫は人じゃないからな。』
キッパリと言い切るバスティンに思わず笑いを堪える。
『バスティンは猫好きだもんね。』
『あぁ。もふもふは正義だ。』
『確かに可愛いもんね。』
私は猫ちゃんを膝に乗せて優しく撫でる。
バスティンは猫に包まれて幸せそうだ。
『むぐ…。 』
『……。』
包まれてと言うよりは…囲まれてる。
一方その頃――。
『ベリアンお疲れ様。大体だったね。』
『一部始終見ていたけど…あんなに、積極的だったっけ?』
『いつものベリアンじゃないように感じたよ。』
『ふふ、私も男ですから。2人には負けられませんし、それに…。』
『それに?』
『…いえ。なんでもありません。』
(花澄さんのあんな可愛い顔が見れましたから。頑張って良かったです。ふふ。)
『バスティン今頃上手くやってるかな?』
『というか尾行するなってあいつも釘刺しやがって。』
『よほど花澄さんとのデートを邪魔されたくないみたいだな。』
『バスティン君は勘が鋭いところがありますからね。まぁ私なら尾行がバレないようにしますけど。』
『ふん、わざわざ水を刺すようなことをしなくてもあやつなら大丈夫だろう。』
『ナックなら気付かれずに尾行できるよな、ナックじゃあバスティンを尾行しろ。』
『話を聞けボスキ( ・᷅-・᷄ )』
『ふふっ。でもきっと大丈夫だよ。バスティンなら。』
ドンッ!
『ば、バスティン……?』
『済まない。もう我慢できない。』
『え、あの…っ。』
急に床ドンされて距離が近くなる。
『っ……!』
キュッと目を閉じる。
『お前っ!』
ひょいっ
『花澄さんの頭の上に乗るな!重たいだろう!』
バスティンが私の上に乗る猫ちゃんを抱き上げた。
『ニャーゴ…』
『この子頭の上に乗るのが好きみたいで…。』
(びっくりしたぁ…。)
『済まない、びっくりさせたな。』
『ううん。大丈夫だよ。』
『お客様、そろそろ閉店になります。』
『あ、はい!じゃあまたね猫ちゃんたち。』
猫ちゃんたちに手を振って私達はお店を出る。
『……。』
俺は花澄さんをじっと見つめる。
『段々と過ごしやすくなってきたね。でもまたすぐ寒くなっちゃうんだろうな…なんて、気が早いか。』
『…あぁ。……花澄さん。』
『ん?』
足を止めて花澄さんを真っ直ぐ見つめる。
『これから先と俺は花澄さんのそばに居たい。』
『バスティン……。』
『何があっても必ず守ってみせる。
だから…。』
バスティンは私に跪く。
『俺と一緒に居て欲しい。』
夏の冷たい風がバスティンの髪をなびかせる。
同時に私のこの暑い体温も攫って欲しい。
『…ちゃんと、考えるね。』
3人のためにも、私の為にも…。
ちゃんと、考えるから。
『あぁ。ありがとう。』
そして、3人のデートは幕を閉じ――。
週明けの月曜日の夕方…。
告白の返事をすることに。
次回
最終頁 私の答え
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