テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「……かっちゃん、まだ起きてるの?」
夜もすっかり更けて、部屋の明かりも落としたあとだった。
出久が隣を見ると、勝己はまだ眠っていなかった。
「起きてる」
「眠くないの?」
「お前が隣にいるの確認してから寝る」
「……もう確認したでしょ」
「何回確認してもいいだろ」
「ふふ……」
出久が小さく笑うと、勝己は少しだけ眉を寄せた。
「なんだよ」
「ううん。かっちゃんって、ほんと僕のこと好きなんだなって」
「今さらか?」
「今さらだね」
「……ったく」
勝己は呆れたように息を吐いた。
けれど、離れる気はないらしい。
むしろ出久の手を取って、指を絡める。
「当たり前だろ」
「うん」
「俺、お前とずっと一緒にいるからな」
「……ずっと?」
「ああ」
勝己は、まるで何でもないことを言うみたいに出久を見る。
「死ぬまでずーーーっと、一緒だ♡」
「……」
出久がぱちぱちと瞬きをした。
「……かっちゃん」
「ん?」
「それ、すごく重いこと言ってる自覚ある?」
「は?」
本気で分かっていない顔だった。
「普通だろ」
「普通……?」
「好きな奴と死ぬまで一緒にいたいって、普通だろうが」
「そ、そうかな……」
「そうだ」
勝己は迷いなく頷く。
「だから、お前も覚えとけ」
「何を?」
「俺が死ぬまで、お前は俺の隣」
「……」
「俺が先に死んだら?」
「え?」
勝己は少し考えてから、当然のように続けた。
「迎えに行く」
ひま
45
青嵐
28
「かっちゃん……」
「んで、また一緒になる」
「来世でも?」
「当たり前だろ」
即答だった。
「来世でも、その次でも、そのまた次でも」
繋いだ手を少し持ち上げる。
「俺がお前を見つける」
「僕がかっちゃんを見つけるんじゃなくて?」
「俺が見つける」
「なんで?」
「俺の方が、お前を見つけられそうだから」
「……なにそれ」
「知らねェよ」
勝己は少し照れたように目を逸らした。
「ただ、何回生まれ変わっても、お前だけは分かる気がする」
「……」
「顔が変わってても、名前が違ってても、俺のこと忘れててもいい」
出久の手を包み込む。
「俺が分かる」
「かっちゃん……」
「だから安心しろ」
「何を?」
「どこにも行かねェよ」
その言葉に、出久はしばらく黙っていた。
やがて小さく笑って、握られた手を握り返す。
「……じゃあ、僕も一緒にいる」
「おう」
「死ぬまで?」
「死ぬまで」
「そのあとも?」
「そのあとも」
「来世も?」
「来世も」
「……そのまた次も?」
「しつけェな」
勝己は笑った。
「全部だ」
「……ふふ」
「何回聞かれても答えてやる」
そして、出久の顔を見ながら、当たり前みたいに言った。
「俺はずっと、お前だけだ」
「……僕もだよ」
「なら決まりだな」
「何が?」
「ずーーーっと一緒」
「……うん」
勝己は満足そうに笑って、繋いだ手を離さなかった。
「おやすみ、俺の出久」
「おやすみ、かっちゃん」
静かな部屋に、二人の声だけが残った。
その約束を、勝己は冗談でも、勢いでもなく。
本気で、当たり前のこととして信じていた。
コメント
4件
うわ、めっちゃ重い……でも最高でしたっ🤍💘 「死ぬまでずっと一緒」ってよくある台詞だけど、かっちゃんが言うと全然軽くないんですよね。しかも「迎えに行く」「来世でも見つける」って、もう執着の領域超えてる。でも出久がそれに「うん」って素直に返してるところがまた良くて……重いのに温かい、不思議な関係性が本当に好きです。最後の「俺はずっと、お前だけだ」にもう胸がギュッとしました。こんな約束、本気でできる相手ってそうそういないですよね。尊すぎて夜眠れなくなりそう〜🥀