ーーーーーまた、何時か。
⚠太中BL,織中BL
なんかもう色々あれ(語彙力)
ーーー織田作之助視点
武装探偵社から見えるビルで、
身を乗り出し、自殺を試みる男。
近づいてみると、つかんだ腕は細く、
私が触れると折れそうなほど。
しかし其の顔は西洋人形だろうか、
と思うほど美しく、
ヨコハマの夕焼けを焼き付けたような髪も、
青空と海を映し出したような瞳も。
細い体、
しかし傷だらけで。
赤いシャツに、黒い上着、そして黒い帽子。
それらの全てが、彼を美しく、
否、もはや神秘的にまで昇華させていた。
何故自殺をしようとしたか、
そう聞くと、彼はポートマフィアの
人間だと言うことが分かった。
武装探偵社とポートマフィアは
敵対組織だが、
自殺未遂を放って置く理由にも行かず、
それに、私には、
彼が悪い人間には見えなかった。
行きつけのバーに入り、
私は酒を、彼はジュースを頼んだ。
彼曰く、酒に強くない上に、
酔っ払ってしまうとバレてしまう、
との事。
何にバレるのか、そう思いながら話を聞くと、
それはそれは物凄い話を聞いた。
彼は、ポートマフィアの最高幹部にして、
ポートマフィア首領…太宰治の元恋人で、
元相棒である。
そして今は、彼にもはや奴隷のように
扱われているらしい。
『信じられッか、?
ある日いきなり恋人が、
お前なんか元々好きじゃないッて
突き放してくるんだぜ…?』
そう、泣きながら話す彼の言葉や声には、
拭いきれないほどの悲しみ、
痛み、
苦しみが含まれていた。
なんとなく、守りたいと思った。
そして、私は彼の頭を撫で、
「今迄耐えたことが凄い。」
そう云いながら、話を聞き、
そして相槌を打ち、
慰めた。
……、…その、彼の元恋人…
太宰治が、どうしても許せない気がした。
彼と付き合うようになり、
数週間が経った頃、
仕事に行く、
と辛そうな顔をしてでていった彼が、
約1週間もバーに来ない。
真逆、何かあったのだろうか、
そう思いながら、毎日バーで彼を待った。
……、……其の日やってきた彼は血だらけで、
傷だらけ、
ボロボロである。
もはや生きている方が奇跡なんじゃないか、
そう思わせるほどの重症だった。
バーを汚してはいけない、と、
私が彼を抱きかかえ、私の家に向かう。
………………そこで彼は、遺書を書く、
なんて云い出した。
『もう、いいんだ、死んで楽になりてぇ。』
笑いながらそういう彼。
…………、見ていられなかった。
彼を抱きしめて、
探偵社にはどんな重症も
治せる女医がいること、
マフィアを抜け、一緒に生きよう、
そう口にした。
それでも彼は、
『……彼奴は、絶対直ぐに俺達を見つける。』
『そんときゃ、俺も織田も拷問送りだ。』
『ッッ、俺は、もう、大丈夫だから…、、!』
無理に気丈に笑う彼を抱きしめて、
彼が此処まで追い詰められてるなら、
止めるのもそれはいけないのかもしれない、
そう思ッた。
そして、私は彼の口に出す、
遺書の文章を書き写す、
という、悲しすぎる作業をした。
それでも、彼は私に対する
其れだけは自分で行った。
………全て、書き終わってしまった。
彼を抱きしめて、
行かないでほしい、なんて言えなくて。
最後の接吻をした。
……………血まみれのはずの彼は、
それなのにとても良い匂いがした。
笑いながら、
今迄ありがとう、
なんて云う彼を私は見守って、
………………そのあと、
部屋に引きこもり、泣いた。
一番、大切な人、
最愛の人は、
その元恋人のせいで自殺する。
…………そういえば、彼の遺書は、
そう思い、
彼の家……まあ、歩いて数分なのだが、
其処に走って向かった。
………小綺麗な片付いた部屋。
いかにも彼らしい。
その机の上に、遺書を並べた。
その光景に、また涙が出てくる。
ふと、目を向けると写真立てが2つ。
一つは、私と彼の写真、
もう一つは、倒されていた、
しかし、中には、太宰治、で、あろう人と、
彼の写真。
…………その、写真立ては倒されていたが、
中の二人は幸せそうだった。
家へと戻り、彼の、私宛のものを開ける。
すると、中にはとても綺麗とは言えない、
そして所々血で濡れている手紙。
……………彼が、激痛に悶えながら
必死に書いたものだ。
其れをおもい、また涙が出てくる。
元恋人に拷問をされ、
無理やり犯される。
とても、気分の良いものではないし、
痛く、辛かったろうに、
それでも、彼は私にそれを残してくれた。
短く、簡潔に。
書かれていた言葉は、私に強く刺さった。
……生きなければ、そう思った、。
少しばかり時が経ち、
芥川の件で、
何故か太宰治と話す機会があった。
まだ、彼の件の悲しみは消えていない。
怒りに任せ、胸倉を掴み、
恨み言を吐いた。
その言葉に、太宰は泣きそうな顔をした。
そして、涙を、一滴流した。
そして、なにやら悲しそうに呟く太宰。
…、…………私は、太宰に銃口を向けた、
……………彼の、中也の仇。
殺してしまいたいほど、憎い。
それでも、私は撃てなかった。
…………彼も又、傷だらけだったから。
………彼の表情は、
何処か中也を思い出させたから、。
包帯は血に濡れ、
熊は酷い。
頬にも、大きな切り傷。
………………それでも、私は口に出した。
彼を死に追いやった人間に、
何か云ってやりたかった。
「俺を織田作と呼ぶなッッ…!」
だッて、太宰が彼にしたことは、
変わりないから。
去り際、彼は私に謝った。
本当に、済まない、と。
また何時か会えるのなら、その時は、と。
何を言っているのか理解できなかったが、
その後すぐに分かった。
…………太宰もまた、自殺した。
…………ひとり残された俺は、
また何時ものように出社し、
仕事をした、
…………なぜだろう、今、太宰が、
とても懐かしい気がしてならない、
太宰は、彼を追い詰めた本人なのに、
この気持ちはなんだ、
とても、泣きそうになる。
……………また、何時か、否、
会うとしたら黄泉の国だろうけど、
彼等に何時かまた会えたなら、
その時は……………
太宰治視点ーー
此処が黄泉の国、ね、
特に普通、というか。
………あぁ、なんで、
死んだはずなのにこうなの、
もう、こう、なんだろう、
消えてしまいたかった。
変な場所。
暑さも、寒さもない。
歩いているつもりではあるが、
何処に向かって居るのかわからない。
そもそも、歩けているかもわからない、
そんなとき、彼を見つけた。
夕焼けを焼き付けたような髪に、
青空と海を映したような美しい瞳。
「…、ちゅ、う…や、?」
その声に、彼はビクッと、体を震わせた。
私に向ける目は、恐怖と、憎悪の目。
そんなの、気にならなかった。
しかし、彼は泣いていた。
後で気づいたことだが、
此処では別世界での記憶も、
ある人には在るそうだ。
彼は、彼を抱きしめた私を拒まなかった。
その代わり、一言。
『……………何1人で突ッ走ッてンだよ、
青鯖野郎…』
彼は、矢張り泣いていた、
ただ、
その涙は恐怖によるものじゃなかった。
御免ね、今迄、御免なさい、中也。
何にも言わなくて、ごめんね、
君を傷つけて、死にまで追いやって、
御免なさい…っ…
今度は、ちゃんと、話をしよう…?
私は、今回は間違わないよ。
何時か、織田作がこっちに来るまで、
その日まで、待っていよう…、
だから、今度は……………
織田作之助視点ーー
真っ当に生き、寿命を迎えた。
そして、此処が黄泉の国か、
なんて辺りを見回す。
その瞬間、思い出したのは…
『織田作!』
『行くな、織田作!』
『織田作…私は、どうすれば良い…?』
思い出したのは、憎かった筈の男の顔。
しかし、其の顔は、何と云うか、
……、泣いている子供、に見えた。
そして、目の前に居たのは、
愛しい人と、憎んでいた人。
その二人は、すでに仲が良くなっていて、
愛しい人は憎んでいた人を、
憎悪の目では見ていなかった。
愛しい人は、私に抱きつき、
泣きながら久しぶり、
なんて言った。
憎んでいたはずの人は、
私に対して、
本当に、済まない、
なんて、泣きながら謝罪した、
あぁ、ちがう、全部、全部思い出したんだ。
太宰、お前は…、………………
ただ、大切だったんだな、
ーーーーーまた、何時か。
ーーーー
これにて本編は終了です
まあ、アレだ、うん、
ハピエン(?)で良いのかしら。
いいんだね、うん!(?)
次回は遺書の内容と、
挟んだ小ネタ?解説?
をしますかね、
なんか♡早くて怖いです、
大丈夫ですか、指。
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コメント
2件
あ゛ぁ もう、愛してます 私の愛が伝わるなら♡なんて何個でも押します 指が果てるまで いや、指が果てても押します!