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しかし、精神異常者と人格障害はまったく違うと奈々さんは主張した
なぜなら自己愛型人格障害者は自分の感情は、時と場合によってはきちんとコントロールできるからだ
例えば自分の本性がバレてしまうと不利な立場の人間、職場の上司や親などに対しては上手に猫をかぶり
決して職場では上司などに暴力を振るったりはしない
それは自分にとって不利益な行為だとキチンと理解していて
職場では善良で評判の良い人間が家に帰ると、妻やペットなど自分より立場の低い者に、暴力を振るったりするのだ
そして彼らはそれに罪悪感を感じない、自分に都合の良い言い訳をし、自己を正当化する、他者の痛みなど彼らにとっては何の意味もない
「つまり俊哉は頭がおかしいわけじゃなくて、危険型のナルシストだというわけですね?」
私は温かい紅茶を一口飲んで奈々さんに尋ねた
どうして俊哉がああいった行動を起こすのが、心から腑に落ちたらなんだか彼に対する恐怖心がなくなっていった
奈々さんが私をまっすぐ見つめて言った
「基本的にはそうなるわね、まぁ・・・これに幼少時期の家庭環境なども重なって、さらに複雑にパターン化はできるけど、でもどんな家庭に育だとうとその人格を築いてきたのは本人の責任だわ、彼らはただ他者への思いやりに欠け、人を操ろうとする傾向が強いのよ 」
私はずっと思っていたことを聞いた
「そういう性格って・・・今から治そうと思えば治るものかしら・・・」
奈々さんは首を振った
「残念ながらね・・・治っていたらこの国に刑務所はいらないわ、もちろん何かのきっかけで治ることも、あるかもしれないけど・・・基本的に反省が出来ないのよ、自分が悪いと思えないので変わる必要がないの」