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そして 迎えた翌朝
「らん もう起きろよ!」
いつも通りの朝
アラーム代わりに智さんが起こしてくれる そして 何もなかったような いつもの智さんがそこにいた
首には 俺がつけた噛んだあと… ベッドには しっかりと情事のあと…
脱ぎ散らかした服は 枕元に畳んである
「あの………その……」
昨夜のことを なんて言ったらいいんやろ…戸惑っていると
智さんは 笑顔でこう言った
「らんと したことは後悔してないよ」
らんが 自分らしさを取り戻せたなら 何も後悔はない
「だから いつも通りでいいからな」
そう言って 手元のスマホに目線をうつす
「あ あと……」
照れたように 小さな声で
「ああいうことは ちゃんと好きな人と しろよ…」
そういって 部屋を出ていった
俺自身 あれから霧が晴れたように 周りの声や風景が見えてきて 迷いなくプレーができるようになった
智さんとは これまで通りの関係で チームメイトとして代表シーズンを終え レギュラーシーズンを迎えた
お互いに それぞれのチームの活動になり たまに連絡したり スケジュール合えばご飯を食べたり 今までどおりの関係を続けていた
表向きは……
以前の自分を取り戻し レギュラーシーズンに挑んでいたある日
うわぁ……なんかたまってんのかなぁ…
俺も言っても 普通の男子
ムラムラする時だってある
なんか いい動画ないかなぁ…と漁りはじめて ふっと思い出した
『らん……』
あの日の 智さんの声
そして 感じた体温…感触…
やばい
一気に 智さんを抱いた日が 頭の中で甦る
「智さん……」
下着に手を入れると 俺の下半身は すでに反応し始めていた
お互いの汗や精液が混ざりあったあの感じ
繋がるところからする やらしい音 智さんの喘ぎながら呼ぶ…俺の名前
「はぁ……やばっ…イキそ…」
興奮の強さに あっという間に達してしまった
そして 自分の中で押し隠していた感情が溢れだした
「智さん……好き……」
あの日から 自分の中で智さんは 特別な存在になっていた
こんなに 心をみたしてくれる存在は 生まれて初めてだった
だから チームメイトの顔をしながら 少しでも側にいたい 笑顔を見ていたい
何度か ふざけ半分で
「俺 智さんの彼氏になりたい!」と絡んでみたことがあった
「そういう冗談やめとけよ ファンの女の子が泣くぞ 」
そう言って 笑われた
智さんは 俺が本気で好きだなんて 思いもしていない
片思いかぁ……
どこまで 俺は智さんのことを思い続けられるのか…
1人のことを 思い続けるなんて 今まで経験したことがない
次の代表シーズンまで もし変わらず思い続けられたら 智さんに 思いを伝えよう
次の俺の誕生日の
その日まで
そう決めて……
「俺は あの日から ずっと智さんのことが 好きなんです」
「ほ……本気で 言ってんの?」
目を丸くして 驚いてる
それは そうだろな…
ずっと仲間として 友達として 側にいたのだから
「智さんが 俺のことを恋愛対象にするなんて 思ってなくて だから ずっと側にいられる存在でいることで 満足してたんです」
お互いのベッドに座り 向き合う
智さんの頬が うっすら赤い
「あんな無理矢理なことして 好きになってもらえるわけないし 自分でも好きでいられる自信なかったし…」
「だから あれは……」
あの日のことを 思い出してくれたのかな…モジモジしている やっぱりかわいい
「智さんが 俺のこと思ってくれたん わかってます おかげで 自信を取り戻して 今があるんです
時間がかかっちゃったけど ありがとうございました」
あらためて 伝えたかったことを やっと伝えられた
「あれから 俺にとって 智さんは特別な存在になりました
一緒にいればいるほど 智さんとふたりでいたくなって さっきみたいに 西田さんやゆうきさんと話していると 独占したくなるんです」
「え……いや ど…独占って…」
「俺だけの 智さんにしたい
智さんにも 俺のこと好きになってほしい」
智さんの 膝の両手をとり そっとキスする
「こうやって 思いを伝えたら 智さんとの関係が終わってしまうかもしれない
正直 怖かった
でも 伝えずにいるのは もっと苦しいし 智さんを無理矢理手に手に入れようとしてしまいそうで…」
この手を 今握っているだけで 心臓は高鳴っている
「大好きです ずっと側におらして…」
熱くて 苦しい思いがこみ上げて 涙が溢れてくる
「らん……泣くなよ…」
優しく笑って 智さんが涙をぬぐってくれる
あの時みたいに…
「正直さ……すごい戸惑ってんだよ…」
「う……うん……」
子供のように 泣きながらうなずく
「俺のこと 好きになってくれて ありがとう」
両手をぎゅっと握られる
「その……俺 こういうの……よくわかんないんだよね……」
智さん……手が…震えてる?
「俺 らんのこと 好きだよ
明るくて いつもポジティブな力をくれるし 面白いし」
「最後……余計ちゃう?」
涙は止まらないけど 笑ってしまう
「あの日も ずっと苦しそうならんに 笑顔が戻ってくれたら… それだけだったんだよ」
「ん……うん……」
「でも らんとそういうことしたのは 嫌じゃなかった 始まりは あれだけど…」
「え?」
「なんか……ひとつになれたのが 嬉しかった…ていうか…」
え……や… うそ……
じゃ 『後悔はないよ』は 本当だったんだ
「恋愛?とか ホントわかんないんだよ だから らんの気持ちに どう答えていいか…」
「ともさん!」
「な なに!?」
「大好き!」
嬉しすぎて 思い切り智さんを抱き締める
そして 勢いあまって ふたりでベッドに倒れこむ
「いきなり くるしいって!」
笑いながら ベッドに転がる
「ごめん 嬉しくて…」
なんか 感情ぐちゃぐちゃなんだけど
「泣いたり 笑ったり 騒がしいやつだなぁ」
俺の顔をみて 智さんも笑ってる
もう それだけで幸せ
ふたりで 泣いて 笑って…
そっか……
「智さん わかったよ」
「ん?」
「恋人になってほしいとは言わない 俺は 智さんらしくいてくれたら それでいいよ」
智さんと一緒にいられることが 自分らしくいられることなんだ
「俺は 智さんのことが好きだから キスしたり セックスもしたくなると思う」
「ら……らん 恥ずかしいよ」
「智さんは そういうこと 俺としたの 嬉しかったって言ってくれたやん?」
「う……うん……」
「ふたりの形で 付き合っていかへん?」
「ふたりの……かたち?」
「俺たちらしく ふたりで楽しくやっていこう」
「そんなんでいいの?」
「俺は智さんと こうやって抱き合って キスして 笑ったり泣いたりできるのが 幸せだから」
あらためて 智さんの身体を抱き寄せる
「大好きや」
「うん……俺も らんが好きだよ」
たぶん 俺たちのお互いの好きの形は 全然違う
だけど ふたりでいることで 幸せになれるはず…
いや 幸せになろう
智さんと ふたりで…
「智さん あんまり他のやつといちゃつかんでくださいよ」
ベッドに寝転んで 向き合い たわいない会話する
こんなにかわいい智さん
誰にも渡したくない
「らんこそ 八方美人で 誰にでも『好き』っていうじゃん
あれ やめた方がよくない?そうやって気を遣うから 疲れちゃうんだよ」
心配な顔してくれてる
もう……これだから…
「わかった!俺にしか『 好き』って言っちゃだめとか どう?」
「へ?」
「インタビューとかで『好き』って言わないのやってみてよ 『好き』は俺だけ」
こんなこと言うのに 恋愛感情わかんないとか ないやろ?
「……わかった やってみます」
俺 むっちゃ無口になりそ…
「俺も 気を付けるからさ」
ね? と誘う目をして 髪をなでられる
「もうーー 智さんは あかんて!」
「え?」
「今日 何の日か 忘れかけてたわ」
今日は 俺の誕生日
「智さんから プレゼント貰ってなかったっすね」
体勢を変えて 智さんに馬乗りになる
「プレゼントなら…鞄に…」
「それは あとね」
自らTシャツを脱いで 智さんのシャツも 脱がす
「プレゼント いただきます」
「きゅう……すぎ…」
「そう?ここは準備できてるよ?」
智さんのハーフパンツを 下着ごと下げる
「いやぁ……恥ず………」
そこは固くなって 雫がにじんでいる
「今日は…俺だけの智さんで いてよ?」
「………うん……」
智さんには 色んな気持ちがあって それでも俺と一緒にいることを選んでくれた
いつか 俺だけの智さんに なってくれるかな…
俺は 智さんの 唯一になれるかな…
未来はわからないけど
智さんの側にいたい
自分らしく いさせてくれるあなたのそばに
片想いで いいから……
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Kow
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コメント
4件
ご褒美ありがとうございます💝✋

はーーもう大好きです‼️😭
読み終えたわ…!第3話、すごくよかった。 まず「後悔してないよ」って言った智さんの優しさにじーんときたし、その後らんが智さんを好きだと自覚して、一人でめちゃくちゃ悩んで「次の誕生日までに気持ちが変わらなかったら伝えよう」って決めるところ、青春…って感じがたまらなかった。 「ふたりのかたち」ってタイトル通りの着地点も、無理に恋人って枠にはめずにそれぞれの居場所を大事にするところがリアルで、逆に深まった気がする。最後の「プレゼントいただきます」の流れにもってかれたわ…智さん、もうかわいすぎるやろ! 続きが気になるから更新待ってる🔥