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思わぬディスリに驚きの声を上げたギレスラを横目に、アスタロトの同意を得たテューポーンは滑舌良く当時の説明を始める。
『他の生命、哺乳類や鳥類が必死に生き残りを模索していた間に、只仮死状態で過ごして何とかなると思っていた爬虫類たちは、お得意の『脱皮』のせいで新生児位に小さくなってしまったでしょう? んで後が無い! って慌てた結果、無茶苦茶に生き残りを探し始めてしまいましてねぇ~、哺乳類を真似して巨大化しようとしたり、そこらの昆虫に頭を下げ捲ってスキルを教えて貰おうとしてたりね! 見ていて噴飯物でしたよ~、あはははぁ~! それでも結局仮死状態の眠気に襲われてしまいましてね! 最終的には出来もしないだろうに鳥さんたちに『飛び方を教えてくれっ! 羽ってぇ、翼ってぇ、こんな感じ? ねぇ、こんな感じぃ~?』とかってみっともなく聞いていましたよぉ! あははは、ねぇ? 我が君ぃ?』
『うむ、それはそれは惨めで正視に堪えなかったなぁ~…… ほれ、コユキにまで言われて無かったかな? あの頃の竜達? あ、ああ、そうか! 今居る竜種達の共通の先祖達になるんだな、あれって』
『です、ですっ! 言われてましたよ! よりにもよってあのコユキ様に、『寝て起きれば全てが解決している? んな訳無いじゃんっ! 馬鹿なの? あんた等ってぇ!』とかぁ? 黙りこくって俯いてプルプル震えていましたよね? ね、ねっ? あの姿を見た時ね、竜って馬鹿なんだなぁ~、そう思いましたよね? だってあのコユキ様に言われたんですよ? 流石にね、引きましたよね~、ね、我が君、ね、ね?』
『うむ、思ったなぁ~、あれに言われたんだもんなぁ、あれになぁあれに、うんうんうん』
『………………ぐすっ』
コユキが何者でどのような言動を繰り返していたか知る良しも無いと言うのに、アスタロトとテューポーンの言い回しだけで何やら悟ったらしいギレスラは、一転して顔を地面に向けて涙ぐみ始めているようだ。
同じ位察しが良いレイブとペトラがその背を優しく擦っている、優しいじゃないか!
とどめ、と言う訳では無いだろうがアスタロトが大きな声ではっきりと結論を告げる。
『まあそう言った訳で『竜』っていう酷く歪な存在が生まれた訳だ! 魔獣の真似して大きくなろうとしたけどそこまで巨大化は出来ない、その上スキルは習熟する間もなく進化が固定化してしまっただろう? だから精々体内に溜まった魔力を生のままでぶっ放すブレス位しか出来ないままでな…… まあ、これは後でネヴィラスとサルガタナスが一所懸命に教えて火炎や氷結のブレスを覚えさせてやっていたけどなっ! その上、折角作った翼で飛翔する事も出来ずにフラフラ魔力で浮かんでいたがぁ~、ふふふふ、練習を続けるその姿と言ったら、ふふふ、惨めで滑稽でな、それでも死にたく無い一心で頑張る姿がなぁ~、皆で指を差して笑ったものよ、『自分たちだけ生き残ろう、そんなさもしい考えだから苦労するんだよ! 邪だからだぞ! トカゲめ、この邪悪な生き物めがぁ!』ってなぁ、ふふふふ』
「ぎ、ギレスラ…… もう昔の話だからさっ、遠い先祖のお話だから、ね、ねっ?」
『そ、そうよ! ギレスラお兄ちゃんは立派な、あの、その、竜だし…… 全然気にする必要は無いんじゃないかな? たぶん』
『……しっく ……ほ、本当にそう思っている? ……しっく』
「『勿論』」