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「……しよ?」
その声を聞いた瞬間、滉斗の中で何かが外れた。
「甘えるの、ほんと上手くなったよな、お前。」
「……ちが……そんなつもりじゃ」
「じゃあ今の…“滉斗が、俺の中に入ってくれたら”って、どういう意味だよ?」
「っ……」
そのまま、滉斗はゆっくりと元貴を押し倒した。
ソファが小さくきしむ音。
滉斗の手が、そっと服の裾を持ち上げる。
元貴の細い腰があらわになる。
「なぁ、いつぶり?」
「……わかんね。たぶん……5日とか?」
「ってことは、5日間、触れてないんだ?」
「だから……やめろ、そういう聞き方すんな……」
「ふふ……じゃあ、俺のこと感じたら、すぐ限界きちゃうんじゃないの?」
「……っ、かも……しれない……」
滉斗の指が、下腹部にふれた瞬間。
「――あ、ッ……!」
元貴の喉が跳ねた。
「やっべ……ほんとに、めっちゃ敏感じゃん……」
「し、っ……少しずつ、にして……ほんと……っ」
「いいよ。じっくり可愛がってあげる。」
首筋にキスを落とされ、肩が震える。
「っ……滉斗、ちょ……だめ……っ」
「ん、なにが“だめ”? すげぇ感じてるのに。」
滉斗の手が、丁寧に、でも確実に弱い場所をなぞっていく。
腰が勝手に浮いてしまい、目の焦点が合わない。
「や、あ……っ! やば……イき、そ……!」
「え? もう?」
「っ、あ、や……っ、やばい、ほんと……っ、ひろと、だめ、だめっ!」
「おいおい、まだ何も本格的にしてないんだけど?」
「……だ、めぇっ、……っ……っっ!」
ビクッと全身が大きく跳ねて――
何もされていないのに、元貴の身体が先に果てた。
「……おい、マジかよ。触ってただけじゃん。」
「……っっ、やだ……、ごめん……」
「え、なにが?」
「……久しぶりすぎて……少し触られただけで、ほんと、やば……」
「かわいすぎるんだけど、どうする?」
「……もうちょいだけ、ちゃんと……して……」
「今のはカウントしないから、ここからが本番。」
「ッ……ほんと、やさしく……して……?」
「もちろん。」
そう言って滉斗は、改めて元貴の腰を抱えた。
今度は深く、ゆっくりと――
久しぶりすぎて、狭くなったその奥を、じっくりと押し広げる。
「……あっ……っ、んん……っ、滉斗……っ」
「これでもう、思い出した?」
「っ、やば……やばい……っ、滉斗……っ」
滉斗が深く打ち込むたびに、元貴の体がきしむ。
「やっ、ぁ……だ、め……ッ、また、またイくっ……!」
「いいよ。全部出して。俺が全部、受け止めるから。」
「滉斗、あっ、すき……すきっ……!」
果てながらこぼれたその言葉が、滉斗の耳に焼きつく。
「……俺も、元貴が好きだよ。
だから、壊れるくらい、気持ちよくなって?」
⸻
しばらくして、ソファに力なく倒れ込んだ元貴が、かすかに呟いた。
「……ちょっとのことで、こんななるとか……マジで、俺バグってる……」
「バグじゃないよ。溜まってただけ。」
「……また、ちゃんと曲作れるかな……」
「作れるよ。今ので、絶対“出る”って。」
「……どこから?」
「いろんなとこから。」
くすくす笑いながら、滉斗は元貴の髪を撫でた。
「ねえ、曲できたら、俺にも聴かせてよ。」
「……滉斗だけに、最初に聴かせてやる。」
「そのためにも、今夜もう一発いっとく?」
「ばか、バカ……っ、やめ、滉斗、やめ……っ」
でもその声が、どこか幸せそうだったのを――
滉斗はちゃんと、知っていた。
END