「き、昨日も散々シたじゃないですか…!」
フローリングに押し倒される俺を見下ろすクロノアさんは首を傾げた。
「だってトラゾー昨日もまた途中で気絶しちゃうんだもん。俺、もっとトラゾーとシたかったのに…」
ぐっと近付くイケメンの口を押さえる。
「だッ、ダメなものはダメです!」
「……」
「っ、とにかくクロノアさんは1ヶ月お触り禁止ですっ!!」
剣呑とした翡翠に睨まれて肩が強張るけど負けじと睨み返す。
「………ふぅん?いいよ、俺は別に。ただその代わりトラゾーもその間ひとりでスるのダメだよ」
「はい…?」
「俺だけ我慢するのはフェアじゃないだろ?あとその道理で言うならトラゾーも俺に触るのダメだからね。…トラゾーこそ大丈夫?俺とスるの大好きなのに」
「!!、大丈夫です!それに、だ、大好きじゃないですっ!」
「…へぇ?俺とスるの好きじゃないのにあんなに啼いてたんだ?…じゃあ、ただの淫乱じゃん」
「っっ!!」
「ま、恋人にそういう風に言われたんじゃ、ちゃんと我慢しなきゃね」
自分でダメと言ったけどあまりにもクロノアさんがあっさりしすぎていて拍子抜けする。
「……先に根をあげるのはどっちだろうね?」
パッと俺から離れたクロノアさんは、にこりといつもの優しい笑顔に戻った。
「ゲームでもする?」
「え…?…ぁ、はい…」
「分かった。準備するからちょっと待ってて」
何故かこっちがおあずけをくらったみたいな感じになって、複雑な気持ちになる。
「………ん、よし。じゃあしようか」
「は…はい」
さっきの出来事なんて忘れてしまったかのように普通通りのクロノアさん。
コントローラーを持ってもう画面しか見てなかった。
_______________
顔はよく合わすし話もする。
それなのに、そういうことは一切しない。
「あ、クロノアさん」
肩を叩いて呼ぼうとしたらさりげなく避けられるし。
「どうしたの?」
「、いえ、ぺいんとがあなたのこと探してましたよ」
「?、ありがとう。ちょっと行ってくるよ」
「い、いってらっしゃい」
俺にお礼だけ言ってクロノアさんもぺいんとを探しに出ていった。
「(触らない、って言ったけど普通の接触もダメってこと?…確かにクロノアさんも徹底的に俺に触ろうとしないけど…)」
クロノアさんは何事もないように振る舞っている。
俺なんかに触らなくても平気なんだって。
「……」
自分でお触り禁止って言って、やっぱり寂しいから撤回するのもダメだ。
「そ…そのうち、慣れるよね。恋人になる前だって、こんな感じだったし…」
元々ベタベタと人に触る方じゃなかったクロノアさんと軽いスキンシップ程度にしか触れたりしない俺。
その前の状態になるだけだ。
「1ヶ月くらい、大丈夫だって…」
彼の方を呼ぶ為に叩こうとした右手をぎゅっと握った。
5日ほど経ったくらい。
溜まるものも溜まるけど、1人でするのはダメだと言われて律儀に守っていた。
「っ、ぅ…」
怠いというか体の中で熱がずっと渦巻いてる。
触ってほしいと、クロノアさんに作り替えられた体は疼いていた。
一緒に住んでるから、そういうことをすればバレるわけだし。
熱を抑えるために冷水のシャワーを浴びるしかなかった。
「はぁ…ッ」
相変わらずクロノアさんは平気そうな顔をして普通に生活してる。
これじゃただの同居人だ。
さりげなく大丈夫ですか?と聞いたら何が?と返され、ホントに何ともないのだと少し悲しくなった。
でも5日しか経ってないのに俺自身が我慢できなくなっていて、クロノアさんの言う通り俺は淫乱なんだ。
『自分でダメって言ったくせに我慢できなかったの?トラゾーってホントに淫乱だね』
なんて冷めた目で見られる。
クロノアさんとスるのが嫌とかそういうわけじゃなくて。
自分じゃなくなっていく感じかして、おかしくなるのが嫌で。
結局、気絶してあの人が満足いくようなこともしてあげられてない。
そんなクロノアさんにダメと言う俺は我儘だ。
彼に我慢させておいて自分が我慢できなくなってるなんて、最低だ。
淡白なあの人が、自惚れでもこんな俺なんかを求めてくれてるのに自分が恥ずかしいからって、自分じゃなくなる気がするからってダメなんてひどいことを言った。
そもそもクロノアさんは俺なんかじゃなくたっていいって思ってるのかもしれない。
俺が一方的に好きになって、クロノアさんにアプローチして。
付き合ってほしいと言っていいよ、と返事されたときは嬉しさで深く考えてなかったけど。
「そういえば、好きって言われてことないな…」
そう言えば俺もだよとかうんとかって返事だけな気がする。
身近で後腐れのない色々と面倒臭くもない、妊娠とかもすることのない男だから。
「だから俺といる…?」
だから俺に触らなくても平気なのだろうか。
優しいクロノアさんがそんなことするはずないと思っていても生まれた疑念は拭い切れなくて。
そう思うとすっと渦巻く熱が冷めていく。
「もしかして、俺だけが、好き」
そうなれば1ヶ月お触り禁止、なんて言ったことも滑稽すぎる。
それにわざわざ付き合うクロノアさんもクロノアさんだけど。
思考がどんどんマイナスの方にいって落ちかけていた時磨りガラス越しにノックされる。
『トラゾー?大丈夫?』
「っ!だ、大丈夫です!」
『随分長く入ってるけど、逆上せたりしてない?』
「お風呂には浸かってないですし、シャワーしてるんで大丈夫ですよ」
『…そう、ならいいけど』
「考えごとしてたらつい…すみません、クロノアさんも入るのに…すぐ出ます」
冷水を浴びていたこと誤魔化して折れ戸を開く。
裸なんて見慣れた関係ではあっても恥ずかしいのは恥ずかしい。
「随分、長い考え事してたんだね」
「ぇ?あ、あぁ…まぁ、」
タオルで体を拭く俺と、服を脱いでいくクロノアさん。
俺に背を向けてる彼の背中には爪痕がついている。
「!!」
俺はクロノアさんに傷を付けたくないから背中に手を回したりしない。
いちを爪も切ってはいるけど、それでも嫌だから。
「(無意識にしがみついた…?)」
と、信じたかった。
聞く勇気もないけど。
俺に触らなくても平気なのは、ちゃんとした人がいるから?
俺はただの都合のいい処理役?
「トラゾー?風邪ひいちゃうよ」
顔を覗き込まれてびくっと後退る。
「ご、ごめんなさいっ」
濡れた髪もそのままに服も慌て着て逃げるように脱衣所から出ていった。
寝室とは別の自室に逃げ込んで、クロノアさんの背中の傷を思い出す。
それ以外の痕はなかったように見える。
クロノアさん家の猫ちゃんの爪痕にしては形がおかしい。
「人…」
浮気?
「…いや、浮気って…そんな、こと…」
誠実なクロノアさんがそんなことするわけない。
でも、俺のことが言うなれば遊びや処理としたら。
「いやいや…」
そんな不誠実なことあの人ができるわけない。
それでも再び湧いて出てくる疑念。
「(満足させられない俺のこと、飽きた?…やっぱり男は面倒だって…)」
面白みのない、女の人のように柔らかくもない体。
幸せとは程遠い関係。
「……」
クロノアさんと触れ合ってると幸せな気持ちになる。
言葉はなくても俺のことちゃんと愛してくれてるんだなって思ってた。
けど、ホントはちゃんと言葉にして言ってほしくて俺から伝えていた。
それが鬱陶しくなった?
好きでもない相手に本気になられて、疲れた?
お触り禁止も本当は都合がいい?
「……」
いつも一緒に寝る俺とクロノアさん。
禁止令を出してからは少し離れて寝ていた。
俺に背を向けて眠る背中。
無意識に擦り寄ろうとしていた自分がいて、その度ダメだよとクロノアさんに注意されていた。
「…今日は、ここで寝よ…」
体を痛めるかもしれないけど、今の俺の心情じゃ無理だ。
スマホで適当な理由をメッセージで送る。
少しして分かった、と簡素な返信があった。
たった5日目でこんなぐちゃぐちゃに考え込むとは思わなかった。
先に根を上げたのはやっぱり俺の方だったから。
「……」
ぺいんとやしにがみさんには言えない。
俺の気持ちを知っていた2人のこと悲しませたくないから。
「……らっだぁさん、なら…」
メッセージで話を聞いてほしいです、と送るとすぐに返信があった。
どしたー?って緩い感じに思わず笑ってしまう。
文字にすると長くなりそうで、電話してもいいですかと聞くとOKのスタンプが返ってきた。
数コールでらっだぁさんは通話に出てくれた。
『トラどしたん』
「…いえ、なんか、ちょっと誰かに話聞いてほしくて…」
『俺が選ばれた感じ?そりゃ嬉しいな』
「……あの、」
『ノアとなんかあった?』
「……じ、実は…」
言葉に詰まりながらもことの経緯を話す。
『ノアが浮気とかできんだろ。あいつそういうの無理そうだし』
「…わかってます。…でも、あまりにもあっさりしてるから…」
『元々淡白な奴だし、そういうの平気な人もいるじゃん』
「俺が、おかしいんですかね…」
『トラのも普通な感情だと思うぜ?まぁまだ5日目だし』
「はい…」
『寂しいなら俺のとこ来てもいいんだよ?』
「らっだぁさんのとこに?…いえ、それは」
『トラな大歓迎だけど。…俺、トラのこと好きだもん』
「俺もらっだぁさん好きですよ?優しいし、面白いし話してて楽しい」
『ふはっ、そんくらい正直にノアに話してみたら?』
「クロノアさんには、無理です…。言えません…」
ぎゅっとスマホを握る。
「幻滅されます。…我慢のできないはしたない人間だと」
『トラ…』
「だから、「トラゾー」…っ⁈、クロノアさん?」
いつの間にか背後にクロノアさんが立っていた。
一体、いつから。
話をどこから聞かれていた?
「早く寝なきゃ。明日、撮影あるんだから」
「あ、そ、そうですね」
何も言わない。
聞いてこない。
どうでもいい、というような顔。
「すみません、らっだぁさんこれで…。話聞いてくれてありがとうございました」
『いいよ。可愛いトラの為だからな』
「可愛くはないですけど……いえ、少し楽になりました」
『じゃあな』
「はい、また」
じっと俺を見下ろす翡翠。
「らっだぁさんと電話してたんだね。邪魔しちゃった?」
「いえ…、そんはたいした話では…」
「俺には言えない無理な話?」
「!!」
「明日、寝坊しちゃダメだよ。じゃあおやすみ」
踵を返して部屋から出ていった。
「……聞かれてた…のに、クロノアさん…俺のこと、ホントにどうでもいいんだ…」
______________
モヤモヤした気持ちを抱えたまま、2週間くらいが過ぎた。
生理現象として起こる反応の抑え方にも慣れてきた頃。
日常組のみんなとらっだぁさんで配信を終えた後のことだった。
「トーラ」
「ん?なんですか?」
やいやい言うぺいんととしにがみさんを嗜めるクロノアさんをぼーっと眺めていた。
「まだお触り禁止続けてんの?」
「俺が言い出したことですし…」
「ノアの方が先に根を上げると思ったんだけど…案外、頑張るもんだな」
「頑張るも何も…清々してるんじゃないですかね。…面倒なことしなくて済むって」
「うーん…絶対そうじゃないと思うけど…」
「俺がおかしくてクロノアさんは普通なんですよ。…クロノアさんにいっぱい触ってほしいなんて、……俺ってこれじゃホントにえっちなこと好きな淫乱な人間ですよ…」
「、、…好きな人にそう思うんは普通だって。…ノア、めちゃくちゃ我慢してると思うぜ?あいつお前のこと超好きじゃん」
「好きって言われたことないですもん…」
「……嘘だろ?」
「言葉にするのも、行動に出すのも俺ばっかです……しょうがない相手してやるか、くらいにしか思ってないんじゃないですかね…」
「ノア潔癖だからそういうのねぇと思うけど……あーもう、そんな泣きそうな顔すんなって」
ソファーに倒されて馬乗りになってきたらっだぁさんが俺を擽り始めた。
「へ?らっだぁさん…⁇、ぇ、あっ、ちょ!ひっ!ふ、ひゃっ!あ、はっ!ひぅ、はは、ちょっ、と…ゃめ、くすぐっ、た…あははッ、らっだぁさっ…!」
脇腹や首筋、横腹を直に擽られて身悶える。
「は、ふはっ…ん、やっ…ぁふッ!も、ほん、と…くすぐったい…っ!ふひゃ、ははッ!」
「そうそう笑え笑え。トラは笑ってた方がいいぜ」
「ま、ちがっ…あはっ、は、ふッ、ぁ!は、はっ…!」
違う何が込み上げてきて服の中に入るらっだぁさんの手を慌てて掴もうとした。
その時、腰を撫でられたと同時に込み上げた何かと共にびくりと体が跳ねる。
「ひゃあぁ…っ⁈」
俺の声にびっくりしたらっだぁさんの青の目が見開かれる。
「っっ〜〜!!」
クロノアさん以外の人に、しかも擽られただけなのにイッてしまった。
欲求不満にも程がある。
驚いて手を止めたらっだぁさんと俺の声に反応したクロノアさんが、こっちに来て俺のことを見下ろしていた。
こんなことになる前に止めてほしかったのに。
「……とりあえずらっだぁさんはトラゾーの上から退いてくれますか」
「ご、ごめん」
力が入らない俺のことを起こしたクロノアさんがそのまま抱き上げてきた。
「わっ…⁈」
「みんな今日は帰ってくれる?俺、トラゾーと話すことあるから」
「は、はい」
「お…お邪魔、しました」
「失礼、しまーす…」
顔が見えないから分からないけど、声のトーンでかなり怒ってるのが窺えた。
去ろうとする3人に手を伸ばす。
「待っ…」
こんな気まずい空気の中、クロノアさんと2人きりになりたくない。
そう思って伸ばした手はクロノアさんに握り込まれた。
「トラゾーは俺とお話ししようね?」
寝室へと連れ込まれ、ベッドに放り投げられる。
「うわっ」
マットの上でバランスを取ろうと起き上がろうとした俺をクロノアさんが押さえつけた。
「お触り禁止って言われて、俺はちゃんと我慢してたのにトラゾーはらっだぁさんと浮気?」
「違っ…あれは俺のこと元気付けようと…!」
「擽るのに直で触るバカがいんの?」
服をたくし上げられ、擽られたところを触られる。
「あ!そうだった。あと2週間俺はトラゾーに触っちゃダメだったね」
「クロノアさ…ッ」
「いや…宣言したトラゾーが約束破ったんなら俺も破っていいのか。…じゃあ、いいや」
たくし上げられた服で両腕を縛り上げられた。
あまりのことに頭がついていけない。
「俺がいつもどれだけ我慢してるのかトラゾーに教えてあげるよ。…ついでに禁欲させられてた分もね」
下を全部脱がされ情けない姿になる。
「やめ…やめてください…っ!」
「1ヶ月お触り禁止、自分で言って破るなんて…トラゾーって堪え症なさすぎじゃない?」
イッたせいで濡れてるソコに手を伸ばすクロノアさんは俺の出したモノを使って後ろに指を這わせた。
「ひぅ…⁈」
「ほら、こんなにすんなり指も入っちゃう。1人でスるのもダメって言ったのにシてたの?」
「し、してませ、んッ…!ちゃ、ちゃんと守っ…んぅぅ〜ッ!!」
「口では何とでも言えるよ」
「ゃ゛、いやだッ…」
「我慢できなくてトラゾーから言ってくると思ったけどらっだぁさんと浮気してたなんてな……俺、傷付いたよ…」
ナカから指が抜かれ、たいして慣らされてないソコにクロノアさんのが充てがわれる。
「う、そ…待っ…⁈、ぃ゛っ゛…!!」
「きつッ…」
「ぁゔ、っは…ぅ゛ぐ…、っ」
痛さに目を見開き自分の手を握り締める。
「っ、ん゛ぁ、ぁあ〜〜…ッッ!!」
ゆっくりナカに進められていたクロノアさんのモノが根元まで入ってしまった。
「、は、ふ、ッ…ぁ、あ…」
「初めての時みたいだね。じゃあ動くよ」
脚を開かれ、膝裏を抱えたクロノアさんは自分本位に腰を動かし始める。
「ま゛ッ、ひゃぁあ゛⁈」
「無理矢理犯されてるのにそんな声出すんだ」
「ち、がい…ま、す…っ!」
「どうかな」
「やぁぁあ…ッ♡⁈」
「ほら、こんな簡単に啼くんだもん」
俺の弱いところをわざと強く抉るようにして突いてくる。
「トラゾー散々シたじゃないですかって言ってたけど、きみがいつももっとって言ってんだよ?」
「そッ、…い、ってなぃ…っ♡」
「じゃあ無意識?ははっ…すげぇ誘い上手だね」
「ちぁ゛ぅ゛う♡♡!」
たった2週間触ってもらえてなかったのに身体は悦んでいて、ナカもクロノアさんを受け入れるように震えていた。
「それなのにトラゾーはいっつも途中で気絶しちゃうから…俺がどれだけ虚しい気持ちになってるか知ってる?」
「んやあぁ゛あッ♡」
「だから、ココにたくさん注いであげる。気絶もさせないよ?気ぃ失う度に結腸抜くからね」
それを想像して恐怖よりも快楽の方が勝っている自分に怖くなった。
「っつ!…ゃ!だめ、れすッ、あたま、ぉかし、くな、ちゃう…ッ♡」
ダメだと首を横に振ると、苛立ちをぶつけるかのようにクロノアさんが1番奥に入ってきた。
「は?こっちはそれ目的でおかしくしようとしてんだ、よっ♡」
「んゃぁああ─────ッッ♡♡!!」
「散々って言うけど俺、全然満足してねぇから」
「ぁ゛ッ♡、やんン゛っ!!」
あれで足りない?
あんな、快楽に呑まれて自分を保てなくてぐずぐずにされてるのに。
クロノアさんはまだあれ以上のことを俺にしようとしてる?
「つ〜〜〜ッ♡!!!」
背筋がゾクゾクと震えた。
「………あれ?想像しちゃった?」
「、?〜〜♡、!♡ッ♡⁇」
「期待には応えんとね♡」
顔に脚がくっつくくらい身体を折り畳まれ、その自重でクロノアさんと深く繋がる。
「ッ゛〜────────っっ♡♡♡!!!!」
「ッは、ナカすご…っ」
俺のナカで脈打つクロノアさんのが気持ち良すぎて、離さないようにきゅっと締まる。
「、っ…うッ!」
「ぁ…っ、も…も、っと…ッ♡」
「あれ?俺とはシたくなかったんじゃないの?」
「いっへなぃっ♡」
「らっだぁさんと浮気してたんじゃなくて?」
「ぁ、なた…いがい、はッ、やれ、す♡」
「ふーん?」
「はぅうン♡♡!」
我慢しきれなくてイッてしまった。
出したモノはいつもよりドロドロした濃い白濁で。
「わぁ、嘘じゃないみたいだ。めちゃくちゃ濃いの出たね?ちゃんと我慢してていい子だよトラゾー♡」
「ら、らっへっ!おれが♡ンやぁッ♡!じ…じぶんでッ、らめっ♡て、ひゃんッ♡、いったの、に…ぁあゔ♡♡!!がま、んしなっ♡♡きゃ、ぁぁン゛♡!」
「我慢しなきゃ?」
「ぉれ、ッ、ぇっち、な、こと…っが♡、すきみた、いなっ♡へんた、いに…♡なっちゃいッ♡ます、…もんッッ♡♡!」
クロノアさんはいつもの優しい顔なんて面影がないくらい悪い笑みを浮かべた。
「──ッッ♡!そうなるようにしてんだよ、俺が♡!」
「んぁぁあぁっっ♡♡!!!?」
縛られた両手が解放されてクロノアさんにしがみつく。
あまりの強い快感にしがみついた背中に爪を立ててしまった。
「い、ッ、」
「あ♡、ごめ、なさっ…♡」
眉を顰める表情もかっこいいなんて的外れなことを考えながら謝る。
「いいんだよトラゾーの爪痕消えちゃって寂しいなって思ってたとこだから♡」
脱衣所で見た薄れた爪痕って俺がつけたもの、だった?
「浮気してると思った?俺がトラゾー以外に欲情するわけないだろ♡?」
「ぅ〜〜ッッ♡♡!!」
激しい動きにきゅぅうとナカが疼く。
「ね?もっと欲しいならトラゾーが自分で動いてよ♡」
寝転んだクロノアさんの上に乗っかる格好になる。
勿論、繋がったままだったから動いた瞬間、ナカのいろんなところを擦られた。
「ひゃんんン゛♡♡⁈」
クロノアさんのお腹に震える手をついて、ぎこちなく腰を動かす。
「んっ、♡!、ッあ、ぁ♡、」
「上手だよ…♡」
「ッッ♡!、くろのあさん、すきですっ♡」
「俺もトラゾーのこと好き♡」
嬉しさできゅんと胸もナカも締まった。
「うれし…ッ♡、やっと、いってくれた♡♡」
「トラゾー、俺に好きって言ってほしかったの?」
「らって…っ♡」
「俺が好きとか大好きとか愛してるって言うとトラゾーすぐへにゃへにゃになるから言わないようにしてたけど……焦らすと、こんなにナカが締まるくらい嬉しいんだ♡めっちゃ可愛いね♡」
自分で自分の気持ちいいところを当てながらクロノアさんのを締める。
「な、なかッに♡くださぃ…っ♡!」
「俺の、なにが、どこに、欲しいの♡⁇」
「くぉのあさッ♡の、こいせーきを♡♡、ぉれのナカっ♡に、いっぱい♡くぁひゃいッッ♡♡」
「ははッ!!お望み通り、トラゾーのナカに嫌になるくらい出してやるから覚悟しろよ♡」
歓喜で身体が震えた。
「ふぁあッ♡!!」
「俺を我慢させて嫉妬させたこと、トラゾーの身体できっちり償ってね♡?」
「はい♡♡」
ナカに広がる熱いモノに嬉しさで目を細めた。
「はぅッ♡いっぱい、でて、るっ♡!」
「まだまだ出してあげるね♡」
手を恋人繋ぎしてぎゅっと握る。
「くろのあさんのッ♡たりな、いです♡もっ、と、ください♡♡」
「ほらね?もっとって自分で言ってるだろ♡」
散々イかされてナカにたくさん出されて、俺が最後に記憶してるのはクロノアさんのまだ足りない、みたいな拗ねた顔だった。
_____________
「ん、っ」
目が覚めた時、外は明るかった。
「(待って、どんだけシてたんだ…)」
わけが分からなくなるくらい快楽に溺れさせられて、何時間もずっとシていたということか?
体というか、特に下半身がやばいくらい筋肉痛のようなものを起こしている。
喉も喘ぎすぎてヒリヒリと痛い。
「ぃ゛っで…」
後ろから抱き締めるようにして密着するクロノアさんは寝息をたててるところを見ればまだ寝ているようだ。
「……」
まだ足りないって、言ってたような気もする。
顔はそうだったけど。
「(クロノアさんがこんな絶倫だなんて知らんて…っ)」
時間を確認しようと体を少し動かした時、違和感があった。
「ん゛っ⁈」
ずっと挿れられてたせいで感覚狂ってたけど、もしかして…。
「(挿入ったまま⁈)」
身じろげば、ぐちゅりと湿った音がする。
「あ♡…ッッ!!、ゃ、や゛ばい…っ」
「(てか、なんで抜かずに…!、どうして寝てんのに硬いし大きいままなんだよ!!)」
腰に回る腕を掴んで、ナカにいるクロノアさんのモノを抜こうと動く。
寝てるのを起こさないよう、ゆっくりと。
「ふッ、ぅ!、ん゛く…っ」
腰を前にゆっくり動かし、自分の気持ちいいとこに当てないよう細心の注意を払いながら。
「は、ぁ…っンん…!」
後ろを向けないから、どのくらい抜けてるのか分からないけど感覚的には三分の一抜けた気がする。
「んぁ…ひ、ゃ…ッ」
すやすやと寝息をたてて眠るクロノアさんに段々と腹が立ちつつ、抜けたら呑気に寝てるこの猫を起こして説教してやると考えていた。
「ふ…ぅ、ん…ッあ…!」
1番太いところが入り口で止まった感覚で、ほっと息を吐く。
よし、と腰を前に引こうとした時だった。
「あと、ちょっ「なに抜こうとしてるの」へ、ぁ⁈、なっ、んゃぁああっ⁈」
前に引いていた俺の腰をクロノアさんは回していた腕に力を入れて後ろに引いた。
当てないように気を付けていた気持ちいいところも抉られながらナカに戻ってきたクロノアさん。
「はい、また挿入っちゃったね♡」
再び根本まで咥え込むことになって、きゅんとナカが締まる。
「あッ、ぁ、あ゛と、ちょっとだったの゛にぃ…っ!」
「残念でした♡」
グリグリとナカを抉るクロノアさんのはさっきよりも大きくなっていた。
「目が覚めて暇でさ。トラゾーは何する気なのかなぁって見てたんだけど……挿入ったままの気が付いて、必死で抜こうとしてたの可愛いかったよ♡びくびくして気持ちいいとこ当てないようにしてるのも♡」
「ぉ、おきて、たんです、か…ッ⁈」
「うん。トラゾーが起きるよりずっと前に」
俺の背中とクロノアさんのお腹がぴったりとくっつくくらい密着する。
「そういやまた気絶してたね?ね、俺まだ足りないって言ったのに」
「ふぁっ、ゃん、ぁッんンっ!」
「気絶してても、ナカ締めれるなんてトラゾーって器用だね」
何も出ない先端に爪を立てられてびくっと腰が大きく跳ねる。
「まぁ俺に応えてくれようとしたのはすげぇ嬉しいよ♡」
奥のほうをトントンと強く突かれてそれに応えるように俺のナカも収縮していた。
「ぉ、おく…もぅ、だめッ…です…っ!」
「え?吸い付いてきてんのそっちだろ?」
腰に回っていたクロノアさんの腕が離され、横になったまま後ろから両脚を抱え上げられる。
「やぅうッ⁈」
「当たるトコ変わって気持ちいいでしょ?」
「だ、め、だめッ!だめですっ!へ、へんっ、ちがうとこ、あたってるぅ…ッ!!」
ゾクゾク、ぞわぞわとナカがおかしい。
疼いて疼いて仕方ない。
「あんなに結腸も抜いてやったのに起きないから、寝てるトラゾーにいっぱいイタズラしちゃった♡」
何したんだよ、とは言葉に出なかった。
「教えてあげるよ♡ちょうどトラゾーも目が覚めたとこだしね」
「ば、ばかっ!くろのあさんッ、のへ、んたいっ!」
「寝ながら喘ぐトラゾーのほうが変態じゃない?お陰でずっと俺、勃ちっぱなしだもん」
「し!、しりませんよ…ッ!!」
そんな下品な言葉クロノアさんの口から聞きたくない。
ていうか人のせいにすんなし。
「じゃあ続きするね?今日は俺から離れられると思わないでね♡」
「んぁあッ!、っ〜〜!!もう、すきにしてく、ださいぃ…♡!!」
元はと言えば自分の発言が発端であるし、ダメだ無理だと言っても、この人を止めることは今の俺じゃ不可能だ。
けど実際、こんなにも俺のことを求めてくれていることに関してはすごく嬉しいし。
だから、我慢してた2週間分と残りの2週間分クロノアさんに身体の余すとこなく愛されて性根尽きた俺は思った。
クロノアさんは実は体力化け物で、この猫に待ては通用しないということを。
今後、お触り禁止なんて身を滅ぼすようなバカな発言は絶対にやめようと。
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ツーーーーーーー( '-' ) 攻め(ドS)×受け(ドM)+2週間の性欲禁止+第三者(rd)による♡♡♡(させられた)… 嫉妬と我慢が…!!! こんなん最高以外なんて呼ぶんですか教えてくださいよ(?)