テラーノベル
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時は遡り日帝がさらわれる数分前
俺ことナチスドイツは、愛する後輩を守るための作戦会議を始めていた
ナチ「と、言うわけで集まってもらったわけだが…」
ロシ「まて、なんで親父がいる」
ソ連「別にいだろ、成り行きだよ」
イタ王「いいから!早く始めるんね」
イギ「さっさとあのバカ息子を躾に行きましょう」
フラ「本当腹立つぅ…で、何か策はあるの?」
中国「美国とうとうやったアルか…」
各々アメリカへの怒りのボルテージはマックスだった
扉を開け入ってきたのはドイツとイタリア
ドイ「遅れましたッッ!」
イタ「ごめんなんね〜ッッッ!!」
肩で息をしているのを見るに走ってきたのだろう
日本「ドイツさん!イタリアさん!すみませんいきなり呼んでしまって」
ドイ「いや、ソレは良いんだ、ソレより日帝さんだろ?」
イタ「早く対策を打たないと!」
此処に居る国々の殆どは日帝を恋愛的に好んでいる者たちばかりだった
上手く隠しては居るが日帝を救って惚れさせようと言う魂胆が見え見えで、
頼むのは癪だが、今は愛する後輩のため…
俺自身も今は後輩とは言っているが、
正直恋人…いや嫁として迎えたいくらいには日帝のことが好きだ
だからこそ、俺達は日帝を汚したアメリカを許さないと思う
ナチ「そう言えば日帝遅いな…」
日本「お茶を淹れに行ってますからね、少しは時間が…」
にゃ「まって」
日本の言葉を遮り、鋭い声で叫んだのはにゃぽんだった
にゃ「今ガラスが割れる音がした…音的に下の部屋…」
そこに居る全員が息を呑んだ
ナチ「ッッッッ日帝!!」
嗚呼一人にしたのはマズかったか
大股で走る
カーペットに音が吸い込まれていくのがわかるが今は気にしている場合じゃない
階段の手すりを掴み、そのまま下まで飛び降りる
衝撃に痺れる足を叱咤し、また走り出す
ただコップを落としてしまっただけだといいんだが…
だが、希望は打ち砕かれるもの
給湯室の窓は空いていてカーテンが風を受けて揺らいで
床には無惨に散った日帝お気に入りの猫のカップが落ちていた
日帝はどこにもおらず、窓の向こうの清々しいほどの晴天が憎かった
随分と逃げられたようだ
アメリカの痕跡は全くと言っていいほど見つからない
強いて言うならば、アクセルを全力で吹かしたのか、
アスファルトに濃くついたタイヤの痕
仕込んでいた発信機ももう最初に攫われたときに壊されている
進んだ方向はわかるが、ここからは同仕様もない
ドイ「待って、このタイヤ痕…」
そう言ってスマホを弄りだすドイツ
やっぱり!
そう叫ぶと、画面をこちらに見せてきた
ドイ「このタイヤ痕、独特だなって思ったら、この車だよ!」
赤いスポーツカーのようなデザインの車、まさに彼奴が好きそうなものだった
イギ「そう言えば、そんなの乗ってましたね」
まさか自家用車と同じの車で誘拐するとは…ガバ過ぎやしないか?
いや、それほどに彼奴は狂っているんだろう
ナンバーはわかるのか?
イギ「えぇ、弱みは握っておきたいたちでして」
つくづく敵に回したくないな…
ソ連「良いから、追うぞ」
ドイ「嗚呼、この車有名だし、目立つから聞き込みでもすれば見つかりそう」
ロシ「でも途中で乗り捨てでもされたらどうするんだ?」
ドイ「ソレはないと思う、この車って世界に数台しか無いプレミアなんだ、今売ったら数千万はくだらないだろうね」
フラ「それにしてもこの車、随分発色がいいよね」
イタ「コレなら他の車との判別も付きやすそうだし、空から探すのも手かもしれないんね!」
日本「ッッ!空叔父さんに連絡してみます!」
中国「それには及ばないネ、もう連絡したアル」
次々と見つかっていく手立て
仲間とはこんなに心強いものなのか
ソ連「さて、俺らは殴り込みの準備でもしますか」
イタ王「こういうのは、現国よりioらのほうが慣れてるんね」
ナチ「ッッッ嗚呼!」
あくまで、日帝を助けるための利害関係
そのはずなのに、こんなに心地良いのは何故だろうか
それから、3日も経ってしまった
日帝は未だに見つかっていない
すると、通信機から音がした
空『ガガッ___こちら空、それらしき車を見つけたよ、地図を送るね』
その声に、一同が沸いた
早速助けに行こうと全員車に乗り込む
見つかったのはここから遠く離れた場所
だが、今日中につかないわけではない
落ち着いているようには見えるが
皆心のうちでは、日帝の死がよぎっていて、不安がっていた
当たり前だ、もう3日も経っているんだ、
不安じゃなけりゃ何なんだ
嫌な予感は、心のうちにしまい込んで
決戦に向けまぶたを閉じた
ついた頃にはもう日が暮れていて
あたりは暗く寂しかった
地面に降り立った俺達は、フォーメーションを築き
銃を構えながらゆっくり進む
俺達だって伊達に戦争を経験していないんだから
もはや慣れた手つきでドアを蹴破り、侵入
こんなの、いくらでもやったさ
ソ連から手振りで『ここを開ける』と言われた
静かに頷き促す。ノブを掴み、ゆっくりとひねっていく
急に開けたかと思えば銃を構え大声で叫んだ
五月蝿いが、コレも有効な作戦
ソ連「…ここには居ない…反応がねぇ」
イタ王「うん、何も聞こえないんね」
耳の良いイタ王が言うんだ、きっと誰も居ない
その後も、次々と部屋を開け確認する
未だ誰も見つかっていない
ナチ「……ッッどこだ…!!!」
部屋を開けていくたびに、また居なかったという焦燥感に駆られる
もう死んでいたら?どこか逃げられていたら?
苦しい、日帝がいないだけでこんなに苦しく感じるのか
心做しか、寒くなってきた
小さなドアから足元にやけに冷たい風が吹き込んでくる
外気温ほど暖かくないそれは、エアコンか、はたまた地下か
どちらにせよ人が居そうな雰囲気ではある
ドアを開ける。どうやら地下のようだ
恐る恐る降り、ドアを開ける
そこには、一糸まとわぬ姿の日帝が、ベッドの上で座り込んでいた
手足と首には頑丈な枷が掛けられていて、
白い肌を埋め尽くすように赤い黒い打撲痕
所々に切り傷もみられて、ひどい状態だった
ベッドも血が付着していて
アメリカの正気のなさが伺えた
ともかく、ずっと会いたかった後輩とあえて、
俺はすっかり舞い上がっていた
このまま落とされるなんて知りもしないで
ナチ「日帝!大丈夫か?もう私が助けに来たからな、安心しろ」
沈黙が続く
日帝「…誰ですか?」
舞い上がった心の羽根が、もがれた気がした
さて、どうも筆者ことまんじゅうです
ここから先は分岐ルートとなります
今回は………ドゥルルルルルルル…
ジャン!!!
『ナチ日帝エンド』
勿論他のエンドも書きますとも、今回のところはナチ日帝で勘弁していただきたく…
それじゃ、行ってら
ナチ「誰…って…私だぞ?」
イタ王「io達の事、忘れてるんね?」
ソ連「日帝に限ってそんなことは…」
他の二人も動揺している
そんな俺らに追い打ちをかけるように日帝はこう言い放った
日帝「嗚呼、今日の『お客様』ですか?…どうぞ、私は貴方様の玩具ですので」
売春
その二文字が頭の中をよぎる
嗚呼、嫌な予感の正体はコレだったのか
あのクソリカは、自分の都合で攫っておいて、
大方飽きて他の人間に日帝を売るような真似をしたんだろう
本当に許せない
腹の底からふつふつと沸く怒りを、どうにかとどめ、再度話しかける
ナチ「…本当に思い出せないんだな?」
日帝「申し訳ありませんが…」
切なげな顔でこちらをみてくる
ずっと見てきた、ずっと追い求めた顔がそこにあって
それでも、愛し続けていたあの瞳は薄汚く汚れて
求めていたものなのに、求めていたものと違う
一体こいつは誰なんだ
俺は、誰を探していたのか
もはやなにもわからない
一人ショックを受けていると
後ろから革靴の音が聞こえた
ソ連「…アメリカ…」
イタ王「お前…」
アメ「…ハハ…」
乾いた笑みを浮かべ、銃口を突きつけてくるアメリカ
引き金に指を掛け、力を入れたその時
カチンッ
硬く小さい音がなった
アメ「…弾は入ってないよ…」
何故だ。日帝を助け出しに来た俺達を、殺す気では無いのか?
それとも、天下のアメリカ様なら素手でも我ら3人に勝てるという
慢心からくる挑発か?
アメ「……日帝ちゃんを、連れて行ってくれ‥」
ソ連「…はぁ?」
あんなに執着しておいて、連れて帰れだと?
イタ王「どういうことなんね…」
アメ「…まぁ話そうか」
最初は良かった、とは言っても日帝ちゃんは他の男の名を呼ぶし
逃げようとするし、俺に楯突くし…
よくないほうが多かったかもしれない
何回目だろうか、しばらくたったときから
事中の反応が素直になってきたんだ
やっと堕ちてくれたのかって
嬉しかったよ
でも、従順にただ俺の命令を聞く日帝ちゃんを見て
ナニカがおかしいと思った、苦しかった
俺はあくまで、生意気で、強くて、俺のことが嫌いな日帝ちゃんが好きで
それを取ってしまった日帝ちゃんは、もう日帝チャンじゃないことに気づいた
謝ったって戻らない
日帝ちゃんは売春にも慣れてしまった
俺は関わりたくなかった
苦しいから、悲しくなるから
だから他の男に
日帝ちゃんの相手をさせていたんだ
勿論、性病やらなんやらを持った男は弾いてきた
日帝ちゃんはここにいたらだめだ
俺に関わっちゃだめだ
アメ「だからよ…ナチス…お前に、預けていいか?」
ナチ「…何故俺なんだ?日本でもなんでも居るだろう」
アメ「…事中に一番呼んでいた名前が、お前の名前だったからだよ」
そうして、この事件はアメリカの懲戒処分で終わった
日帝も少しずつだが回復してきて
今でも、たまにトラウマが蘇ることもあるらしいが
最近では、アメリカとも少しずつ面会もして、慣れてきているらしい
俺はというと、まだ思いは伝えられぬまま
もう少し、日帝の傷が癒えたら
この気持ちを伝えようと思う
ずっと隣で待たせてもらおう
伝えられる、その日が来るまで
そう思ってから、数年
俺達は今日結ばれる
結局、思いを伝えるのにこんなにかかってしまった
国同士で、戦争を起こした旧国の、それも同性となれば批判が多かったが
相手が日帝だと告げれば、半ば諦めで皆許可してくれた
そんなにわかりやすかっただろうか
うだうだ考えていたってしょうがない
向こうから白い服を着て、真っ赤な道を歩く日帝は美しいという言葉だけでは形容しがたいほど可憐で麗しかった
日帝「あの、先輩…変、じゃないでしょうか?」
頬を少し赤らめながら小声で聞いてくる
見つけたあのときとは違い、生気がある
ナチ「…嗚呼、誰よりも美しいよ…」
嗚呼もう泣けてきた
幸せだな…
End1「祝福」
続きは♡2000でオネシャス
それじゃばいば〜い
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