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「お姉ちゃん!いったいどうしたの?」
妹の文香が口をあんぐり開けて桃子を見た
「おかーさーん!お姉ちゃんがヘンな
格好をしているーっっ 」
「やめてよっ!」
いくら可愛い妹といえ自分を見て
好き放題言われる事に桃子は腹を立てた
そこへ母がやってきた
「なぁに?桃子は今日早苗ちゃんと
旅行・・・・ 」
同じように母も桃子をみて
あんぐり口をあけた
桃子はこの日のために
先日買ったニットにコートをはおり
これまたジミーの猛特訓のおかげで
ヘアアイロンと1時間格闘した挙句
なんとか納得のいく髪型が出来た
高級ランジェリー店の鼻息の荒い店員の
お奨めの下着のおかげで
胸もいつもより大きめに目立っているが
それほどいやらしくもなく品よく
エレガントでこれほど美しい自分を
見たことが無かった
これなら新藤先生も自分と一緒にいるのを
人に見られても恥かしい思いをしなくて
すむだろう
でも・・・・
もしかしたら高い服にまどわされて
自分が美しいと勘違いを
しているだけかもしれない
目の前の文香の反応をみて
途端に不安になった
「まぁ!お姉ちゃん!
とっても綺麗よ!! 」
桃子の気持ちを瞬時に察した
母は嬉しそうに目を輝かせて言った
「たしかに綺麗だけど
おかしいよっ!
早苗ちゃんと旅行に行くのに
なんでこんなにめかしこんでるの?
お正月でもないのに!」
「ちょっと雰囲気を
変えてみたくなったの!」
桃子は母が入れてくれたコーヒーを飲み
なんとか二人の前で冷静を保った
「文香!よけいな事言わないの!
せっかくお姉ちゃんがやっと本来の 自分の美しさに気づいたんだから!
桃子は小さい時はそれはそれは
お人形のようにかわいかったんだから
今なんかは若い時の私にそっくり!」
「絶対ウソだ!」
文香が言った
まったくこの家族はどうにも
自分に干渉しすぎる所があるし
デリカシーがないなんとか
ほぉっておいてくれないものだろうか
桃子が言い返す前に母が先手をとり
桃子にウインクした
「早苗ちゃんと旅行なのが残念よね
今の貴方ならどんな素敵な
男性とデートしても
その人をメロメロにできるわよ」
「何をバカなことを 」
全然興味がないというフリをして流したが
内心では本当にそうなのか
母の肩を揺さぶって問い詰めたい所だった
「化粧が濃すぎるわ」
文香は着飾った姉を睨みつけた
「あら 旅行には華やかなぐらいが
ちょうどいいわよ 」
桃子は首筋が赤くなるのを感じた
どうやら娘が男性と初めての一泊旅行に
出かけるのが母にはバレバレらしい
今朝まで彼から取り消しの
LINEが来るのではないかと
恐れていたが
今朝10時に近所のコンビニまで
迎えに行くという彼との約束は
取り消される事がなかった
桃子は気分を落ちつけるため
待ち合わせの30分前だけど
もう出かける事にした
ワイワイとうるさい二人を残して
足早に待ち合わせのコンビニに向かった
スーツケースを引きずるゴロゴロいう音と
心臓の動機がリンクしているように聞こえる
時間に正確な新藤のBMWが
コンビニの駐車場に入ってきたのは
きっかり待ち合わせの時間の
10分前だった
さっそうと車から降りてきた彼は息を
飲むほど素敵だった
濃い色のジーンズに
グレーのタートルニットを着ている
形が良くジーンズは脚にぴったりなじんでいて
しかも白衣も素敵だけどニットから
分厚い胸筋が盛り上がっている
桃子は驚いた彼がこんなに
逞しい体をしているとは意外だった
「やぁ」
「お・・・おはようございます」
桃子ははにかんで笑った
なんとも気恥ずかしい思いがしてならない
新藤はすばやく桃子を上から下まで眺めた
「なんか・・・・
今日は雰囲気が違うな・・・
そうかっ!メガネが無いんだ! 」
「コンタクトにしたんです・・・ 」
桃子は恥ずかしくて消え入りそうだった
やっぱり無理な事をするのでは
なかったのかもしれない
「それに頭も切ったのか?
すごいよ!まるで別人だな! 」
「まぁ・・・先生!頭は切りません
髪型を変えたんです 」
桃子は目を丸くして
驚いている新藤がおかしくなって笑った
「そう・・・か・・・
そうだよ・・・な 」
新藤は後ろ頭をポリポリ掻き
自分も一緒に照れて笑った
そして桃子の手を取り言った
「美しいお譲さんにコーヒーを
奢らせてもらえるかな?
コンビニコーヒーだけど 」
桃子は嬉しくておかしくて
笑いが止まらなかった
彼は自分の事を綺麗だと思ってくれている
やったわ!
お母さんの言う通りかも!
心の中でガッツポーズをして
新藤に手を引かれるまま
コンビニに入った
「起きてから何も食ってない腹ペコなんだ」
そう言うと彼はオレンジの買い物かごを
片手に手当たり次第商品をかごに
ほおりこんだ
「向こうにはコンビニとかないから
夜中腹が減った時に
こういうのが欲しくなるんだ
君も好きなの買うといいよ 」
「まぁ・・・そうなんですか・・・」
桃子は目の前の棚から
焼きプリンを手に取り考えていた
でも今は新藤といることで胸がいっぱいで
何も食べられそうにもない
すると新藤が桃子の
手からプリンを取り上げた
「これはダメ!まずい
こっちのが上手い 」
「食べた事あるんですか?」
「僕はコンビニ商品にかなり詳しい」
大真面目な顏で言う新藤がどうにも
こうにもおかしくて
またまた笑ってしまった
それから新藤は桃子のスーツケースを
トランクに乗せ楽しい二人の
ドライブが始まった
コンビニの一件もあり
プライベートの新藤はとても楽しかった
ドライブの会話は天気や
仕事の話からはじまって
新藤が学生時代ラグビー選手
だったことまで遡った
それでこんな逞しい体をしているのね・・・・
桃子は新藤の話を聞きながらも
運転する彼に見とれた
力が溢れる彼の全身
太腿から脚へそれからあご
あごから頬にかけてうっすらと影になって
桃子は思わず彼の髪に手を入れてみたくなり
逞しい二の腕にしがみつきたい衝動に駆られた
あたしは・・・・
今夜彼に抱かれるんだ・・・・
.:*゚..:。:. .:*゚:.。:
そう思うと下腹部に
温かいものがとどまった・・・
六甲山の山道ドライブを抜けて
細いハイウェイをしばらく走ると
宮殿のようなホテルが真っ青な空に
まっすぐ伸びるようにそびえ立っていた
敷地内に一歩入ったとたん
そこはどこもかしこもクリスマス一色だった
「まぁ・・・・先生・・・」
桃子は緊張も忘れて
クリスマスイルミネーションの飾りの
あまりの美しさに息をのんだ
「すばらしいわ!」
文香ならきっと大喜びであたりを
転げまわるに違いない
新藤が二人分のスーツケースを
ボーイに預け微笑んで言った
「まだ おどろくのは早い
内装もすばらしいんだ 」
ロビーには目を見張るほどの
ポインセチアの大群に迎えられ
吹き抜けの天井いっぱいに
クリスマスツリーが飾られていた
横のラウンジには噴水に
上品なグランドピアノが生演奏で
軽やかにクリスマスソングを奏でている
桃子はこのホテルの魅力にすっかり
取りつかれてしまった
新藤と笑いながら美しい内観を楽しみ
彼が部屋のカードキーを差し込んだ
オートロックで部屋のドアが開き
新藤は桃子が先に入れるようにドアを押さえた
部屋はさらに内観よりも素晴らしかった
床は土足では申し訳ないほどの
フカフカの絨毯が敷き詰められてる
2DKの二つ続きの部屋は
きっと桃子の住んでいる家より広いだろう
そして四方にはあらゆる角度から
景色が眺められるようにガラス窓が
一面に貼り巡らされ心地よい日の光が
部屋を明るく照らしていた
すぐ奥に進むと桃子はハッと息を飲んだ
ロビーのツリーも素晴らしかったが
大きな石づくりの暖炉の横には
身長よりも高いXmasツリーが
上品に佇んでいた
しかも本物のモミの木の匂いがする
桃子がツリーの飾りの美しさに
見惚れているとそっと後ろに新藤が来た
「小さいころに読んだクリスマスの
絵本から抜け出てきたような
部屋だと思って決めたんだ・・・
でも暖炉はガスファンヒーターだけどね」
「こんな素敵な所初めて来ました 」
「こっちに来てごらん」
新藤に手を引かれさらに奥の部屋に進んだ
奥は寝室とバスルームだった
素晴らしい外国製の金縁の鏡台と
大きな4本の柱のついたベッドは
一目でアンティークでかなり高価な
ものだと分かった
文香だときっとベッドに飛び乗って
大はしゃぎでジャンピングするだろう
上品で綺麗な花柄の模様のカバーが
かけられている
桃子はさらに奥のドアを開け
バスルームをのぞいた
ああ・・・・腰が抜ける
バスルームの中央には
アンティークのシンクがあり
同じくアンティークの金の淵飾りの
ネコ脚の優雅なバスタブが置いてあった
なんて美しいの
こんなの映画の中でしか見たことがない
陶器のバスタブにゆったりつかり
目の前のガラス一面の景色の
どっしりした山々を眺める・・・
考えただけで桃子は
ふうっとため息が出てきた
「思ったより 良いな 」
気付くと新藤が桃子の背後に来ていた
左手を天井の窓に掲げて
桃子の肩越しに外の景色を眺める
途端に桃子は二人っきりなのを
意識し出した
桃子はうろたえたようにぎこちない
笑みを浮かべ寝室にもどった
そしてベッドに目が行くと緊張に
身を硬くしますます落ち着きを失った
その姿を見て新藤が笑い出した
桃子は緊張してる自分を馬鹿に
されたように思えて腹が立った
「もうっ!何がおかしいんですかっ」
「ごめん ごめん
あまりにも君の百面相がおかしくて 」
新藤は我慢できずに腹を抱えて笑った
今朝会った時からなんとも彼女の
素早い表情がコロコロ変わるのを
新藤は楽しく見守った
クリスマスイルミネーションに
子供のように目を輝かせていたと思ったら
今はベッドを前にして緊張で青ざめている
病院にいる時は
いつも冷静で落ち着き払っている彼女が
こんなに可愛らしく少女っぽい仕草を
するなんて想像もしていなかった
ほら
いまでも笑っている自分を見て
憤慨してほっぺたをふくらましている
「力を抜くんだ何も今すぐ襲いかかろうっていうんじゃないそんなに飢えて見えるかい?」
「すいません・・・・
なんだか落ち着かなくって・・・」
クックっクとなんとか笑いを抑え
新藤が近づいてきた
「あやまらなくていいよ
落ち着かなくて当然だ
時間はたっぷりある
すぐベッドに入るつもりはないよ」
背後から新藤に抱きしめられて
桃子は体の力が抜けた
そっか・・・
すぐするつもりはないんだ・・・
これほど不安でおびえているのに
新藤に触れられた途端
体が熱く反応する
「少し散歩しよう
外の景色も素晴らしいよ きっと 」
優しく首筋にキスをされた
やさしい声としびれるような感覚が
新藤にキスされた所から伝わってくる
このままグニャグニャのホースみたいに
新藤に寄りかかってしまいそうだ
二人でホテルの小道を手をつないで歩き
中庭に行くと夕日が沈みかけていた
中庭のプールは広くて蝶の形をしていて
夏にここで水遊びをするのもとても楽しいだろうと桃子は思っていた
「ここのベンチに座ってごらん」
「本当に綺麗な場所」
驚いたことに新藤はベンチに座り
後ろから桃子を両足で挟むように座り
すっぽりコートごと桃子を包んでしまった
新藤の顎が桃子の頭の頂点に
ちょこんと乗っている
おどろく桃子をよそに新藤が言った
「ほら・・・・
もうすぐだよ・・・
5・4・3・2・1・・・・ 」
目の前に幾千もの電球が輝き
このホテル一押しの
Xmasイルミネーションが
一斉に点灯した
あまりの美しさと眩しさに
感動で鳥肌が立った
桃子の顔が七色に反射される
「なんてこと・・・・すごい!」
「ここは隠れルミナリエって言われてね
知る人ぞ知る毎回行われている
イルミネーションの点灯式が素晴らしいんだ
これを君に見せたくて・・・・」
「綺麗なんてもんじゃないわ」
新藤の顔もイルミネーションの電球に
照らされ七色に反射していた
自分を見る彼のまなざしがとても
優しくまるで愛してくれているかのように
錯覚してしまいそうだった
これは現実ではない彼は自分の
役割をこなしてくれているだけよ
たとえ彼に愛はなくても
こんな素晴らしい瞬間を
彼は私のために用意してくれた
もう二度とこんな奇跡は一生来ない
この瞬間を楽しもう!
自分の殻を破り
素直に喜びを表現するのよ
彼の言う事もすることも今日だけは
本当に私を愛してくれていると考えるのよ
物語をつくるのは私
この二日間を楽しもう
そう桃子は心の中で決意し
顔を後ろに向け自分から新藤にキスをした
新藤は桃子からの感謝のキスを
最初は驚いたが
自信に満ちた熱い体で受け止めた
新藤のキスは限りなく優しかった
彼にすっぽり包まれているせいで
寒さなど感じなく彼の規則正しい胸の
鼓動が背中に響き温かい体温が
伝わってくる
やがてお腹に回していた手が
ゆっくり上がってきて
桃子の乳房を大きな両手が覆った
なんてことだ
新藤は自分が燃え上がるのを必死で
押さえていた
感動に打ち震え無防備に自分を信頼し
体だけではなく心さえも投げ出している
桃子の姿に体が硬く引き締まった
桃子はなんとも抱きごこちが良い
フワフワのニットも手触りが良すぎて
まるで小動物を抱えているようだ
そしてなんと自分は彼女の熱いキスに
理性を無くし外で彼女の胸の感覚を
楽しもうとしている
止めなければいけないのに手が止まらない
知らずしらずのうちに新藤の血も
騒ぎ出して自分を抑えられない
気持ちにかられた
新藤は桃子のニットの中に手を差し入れ
ブラジャーのホックを外した
そして・・・ああ・・・
なんと彼女の胸は
大きく手に余るじゃないか
これには感動だそしてカイロを
掴んでいるように温かい
小さな乳首は悦びで硬く立っている
今はまだだめだ・・・・
とにかくいったん落ち着いて・・・
これほどの甘いうずきは久しぶりだ
こんなプールの端では愛は交わせない
彼女が欲しい理性を総動員して
新藤は渋々桃子を放した
「すまない・・・ここまでする
つもりはなかった・・・・」
桃子は目を開け
身をよじるように新藤を見上げた
目はうっとりと潤い
唇はふっくらと豊かだ
「すまない? 」
「そうだ 」
新藤の声はかすれていた
「もう・・・これで終わりなんですか?」
がっかりする桃子に新藤の
股間が燃え上がるのを感じた
コテンと桃子が新藤によりかかる
「気持ち良かったです・・・・
とっても・・・・ 」
桃子は溶けて流れてしまいそうだった
新藤に唇をふさがれ
胸を揉まれ乳首を摘ままれた時は
じゅんと熱いものが体からあふれ出た
素直に甘えるように言った
「もっと・・・してほしいです・・」
新藤の箍が外れるには十分なセリフだった
新藤は桃子を立ち上がらせると
もう一度素早くキスをした
「部屋にもどる 」
「部屋にもどってどうするんですか?」
桃子の肩を抱き
ズンズンと歩き出して言った
「僕の思っている事をする」
桃子は笑顔がこぼれるのを
抑えられなかった
経験のない桃子にも先ほど自分の体に
押し付けられた部分が興奮に
硬く盛り上がっているのが理解できた
今は自分も痛いほど求めている
彼に抱かれたい
部屋へ向かう途中エレベーターの中でも
新藤は桃子に熱いキスをした
どうしよう・・・・
いよいよ彼の前で服を脱ぐときが来た・・・
きっと彼は失望するだろう
決して自分はスタイルが良くない
下着や服ではごまかせても
ぽっちゃり体系で太ってる自分を見たら
たとえ今彼は私にその気でも・・・・
それに私が何かヘマをするかもしれないし・・・
桃子は胃が痛むほど緊張してきた
新藤が部屋に入るとそのままベットに
向かい靴をほうりだし
中央に座って服を脱ぎながら
桃子にも来いと手招きをする
桃子がベッドの脇でガチガチに
緊張しているのがわかった
新藤は自分の初体験の時を思い出した
むりもない彼女は死ぬほど脅えている
桃子は長い間孤独を感じ何も知らない
自分にコンプレックスを抱いてきたのだろう
しかしそういうシチュエーションが自分を
恐ろしいほどに興奮させているのも事実だった
支配と純潔・・・・
キーワードはロマンスだ
彼女の記憶に永遠に残るような
一夜を経験させてあげなければいけない
新藤は優しく桃子に言った
「先にシャワーを浴びたいかい?
そうしてもいいんだよ
僕はいつまでも待てる 」
目に見えて桃子に安堵の表情が走った
「あたし・・・・ええ・・・
ハイ・・
そうしたいです
すぐにもどります! 」
桃子は心底ホッとした
あわててスーツケースから
洗面道具を出しバスルームに駆け込む
ドアを閉める時そっとドア越しに
彼を見ると彼は鼻歌を歌いながら
ベッドに寝そべりテレビを
見ていたなんとも大人の余裕だ
服を脱いで
シャワーノズルを捻る
心地良いお湯が体全体をはじく
どうしよう・・・
髪も洗うべきだろうか・・・
今朝 朝シャンをしてきたので
そんなに頭皮は臭わないと思うが
髪を濡らせばやっぱり乾かしたい
乾かせばボサボサのまま彼の前に出たくない
そしたらセットしなければいけない
そうするとセットに小一時間ほどかかる・・・
そんなに彼を待たせるのは心もとない
桃子は髪は洗わずにポーチから
ヘアゴムを取り出し縛って
髪は濡らさない事にした
桃子はシャワージェルを泡立て体を洗った
ワキや足の裏特に汗をかきやすく
匂いそうな所は念入りに
ムダ毛の処理も完璧だし
夕べ塩入りワックスで体も磨いたので
むきたまごのようにツルツルだ
とにかく経験が無いせいで
彼にいったいどこを触られるのか
まったく想像できない
しかしここだけは間違いなく
触られるだろう股間だけは丁寧に
時間をかけて洗った
さらにもう一難題浴室から
上がって体を拭いた時に気付いた
服をきちんと着て
出て行った方がいいのだろうか?
でも代えの下着をスーツケースに
忘れて来てしまった・・・
せっかく洗って綺麗にした体なのに
一度脱いで汚れた下着を
もう一度つけたくなかった
かといってバスタオル一枚で
彼の目の前を横切って
下着を取りに行くなんて
そんな間抜けなことは死んでもできない
途端に桃子は恐れとも興奮ともいかない
パニック状態に襲われた
こんなことも分からないなんて
あれほど想像でシュミレーション
していたのに何にも役に立っていない
屈辱で涙が溢れてきた時・・・
外からドアをノックする音が聞こえ
桃子は飛び上がった
「桃子!」
「はっはい!」
桃子は身震いした
ドアの向こうから優しい新藤の声がした
「下着をつけないで出ておいで・・・・
バスタオルを巻いて・・・
大丈夫 部屋は暗くしてあるよ
見えないから心配しないで・・・」
どうすればいいか言われて
桃子は心の底から安心した
そうだ・・・
彼の言う通りにしていればいいんだ
彼は未経験で未熟な自分を
理解してくれている
今の私は信頼と愛以外何もない
見栄を張ってもきっと彼には
見破られるはず
ここは素直に彼に従おう
彼にすべて身をゆだねよう・・・
そう思うと桃子の心は晴れ
バスタオル一枚を体に巻いて
バスルームのドアを開けた
すると驚いた事に
新藤が目の前に立っていた
彼は桃子を素早く抱き上げた
「せっ・・・先生!
降ろしてください
私っ・・・重い・・・ 」
「こんなの全然軽いよ!」
新藤は笑って言った
実際いつもスポーツジムでベンチプレスを
持ち上げている彼にとっては
桃子を姫抱きすることなんて何ともなかった
桃子はバスタオルが剥がれ落ちないように
必死に胸元を掴んでいる
顏は真っ赤だ
「お姫様をベッドまで運ばせてくれ」
新藤は桃子が文句を言う
暇もないほどの速さで
桃子をベッドにゆっくりと寝かせた
熱いキスを重ねられて
先ほどプールで呼び覚まされた欲望が
炎のように桃子の体を駆け巡った
舌をからませて歯の上を優しく滑らせる
その舌は桃子の口中を探り
誘い 求めた
桃子はボーっとして頭が重く
かといって体はフワフワと
軽くなっていくようだった
「僕が怖いかい?」
新藤が優しく問いかける
「いいえ・・・・」
桃子は新藤にしがみついた
新藤は桃子の口から貪るように
喉から鎖骨
胸の谷間に唇をすべらせていった
新藤に触られる所
唇に触れられる所
すべてが快感になりぞくぞくした
やがてバスタオルもやさしくはぎとられ
桃子は一糸まとわぬ裸体をさらけだした
胸を隠したくなって腕を動かしたとき
優しく彼に遮られた
「君は綺麗だ・・・ 」
「本当? 」
「嘘はつかないよ」
桃子は信じられない程美しかった
間接照明の明かりが体のシルエットを
浮かび上がらせた
彼女は背はそんなに高くないが
出る所は出ていて
引っ込んでいる所は引っ込んでいる
砂時計のようなフォルムに見惚れた
まるで男を満足させるために
作られたかのようだった
なんとあの白衣の制服の下に
これほど見事な体を隠していたのか
この手で彼女の乳房を掴んだ瞬間
あまりの柔らかさやずっしりとした弾力に
これほど触りごこちの良い胸は
初めてだと思った
思えば新藤がつきあってきた女性は
みんな細見のモデル体型ばかりだった
とくにその頂点は元妻の晴美だった
彼女は自分が元モデルだったことを
誇りに思い年中ダイエットをしていた
毎日体重計に乗り
肉が1Kg増えていても
大騒ぎしたものだった
抱き心地も軽くて体は薄かった
でもそれが普通だと思っていた
今桃子を抱きしめて
女体がこれほど肉感的で
気持ちの良いものだとは思わず
情けない事に今初めて女性を
抱いたような気がした
もっと桃子に触りたい
このやわらかい肉体に自分の
熱いものを埋めたい
新藤は不意に強烈な欲望に襲われた
桃子にすべてを教えてやりたい
誘惑して燃え上がらせ
彼女のあらゆる欲望を満たしたい
今すぐ桃子を味わいたい
秘められた部分にも穴にもひとつ残らず
舌を這わせて彼女の味わいを確かめたい
ふと桃子を見上げた時に
彼女の瞳は不安に震えていた
新藤は桃子の手にキスをした
「僕を信頼するね 」
「ええ・・・・ でもわたし・・・
どうしていいかわからなくて・・・ 」
これはこれは・・・・
新藤は嬉しくなった
積極的になろうとしてくれているのはいい
でもそれはもっと後でいい
彼は桃子の胸の頂点にそっと歯を立てた
「何もしなくていいよ・・・ 」
「ああっ! 」
桃子は背中をのけぞらせた
「今は感じて・・・・
僕がすることのすべてを・・・・
さぁ 足を広げて 」
新藤が体を下へ滑らせて行き
開いた桃子の脚の間へ顔を近づけた
桃子はどうにも恥ずかしくて
とにかく脚をぴたりと
閉じたくてたまらない
しかし新藤に両手を脚にかけられ
彼女が動けないように固定されている
命令にそむく機会は一瞬とも
許さないとばかりに
とめどない不安を感じるとともに
激しい情熱もつきあげてくる
ああ・・・
彼はあたしのアソコを眺めている
きっととても潤ってるにちがいない
「ああ・・・・
君はとても濡れていて
僕を誘っている・・・ 」
新藤が突然桃子の脚の間を撫でた
あっと言う間の出来事だった
考える間も抵抗する間もなかった
新藤が吹きかける熱い息で
脚の間の茂みが分けられる
こんなことをしても本当にいいのだろうか?
もうすでに桃子の想像の域を超えていた
でも新藤にすべてをゆだねると決めたのだ
今は彼が自分の秘所をかすめる
指の感覚しか考えられなかった
一本の指で
まさに一番敏感な部分を撫でられた
欲望の芯そのものを
すうっと一回撫でられ
さらにもう一度
指で触れられるたび全身を弓なりに
そらさずにはいられなかった
やわらかな桃子の喘ぎ声が唇からこぼれた
もう一度指で愛撫される
一瞬止まったかと思うと今度は
弧を描くように揉まれた
まるでもてあそぶかのように
これ以上耐えられないー
桃子はあえいだ
それなのに新藤はやめようとしない
彼女の芯を指で優しく撫でていたと思うと
突然強く吸われた
「キァァァァッ!」
桃子はのけぞり
思わず新藤の髪の毛を掴んでしまった
「じっとして
さぁ 感じるんだ
僕にこうされてどんな気持ちだい?」
桃子はやめてほしい恥ずかしさと
続けてほしい気持ちの良さで
ごちゃまぜになっていた
こんな愛し方があるなんて想像も
していなかった
さらに硬くなった芯を舌の上で
転がされて優しく愛撫された
桃子が高ぶりもう耐えられないと
思った瞬間指が2本入ってきた
芯と中を同時に攻められる
新藤に顏を見られていないのが
ありがたかった
きっと桃子は白目を
むいてしまっているだろう
さらに脚をめいっぱいに広げさせられ
暴れていたのだろう
ベッドの淵に腰が当たった
新藤の呼吸もまた荒くなっていた
舌で愛撫するたび合間に
小さなうめき声が聞こえてくる
桃子は彼の髪を撫でさすり
ひたすら喘ぎ声を出した
というより自分では止まらなかった
どんどん彼の指が入ってきて広げられる
時には芯を指で弄ばれ
舌が中に入ってくることもあった
欲望の芯を吸われた瞬間ほどの強烈な
刺激ではなかったが
同じぐらい素晴らしい感触だった
何これ とっても気持ちいい
新藤の舌と指を巧みに使った愛撫で
全身が震えだして必死にシーツを
掴んで身をよじる
桃子の目から涙があふれてきた
しかし彼は容赦してくれなく
さらに執拗に舐めまわされる
同時に乳首も愛撫される
なんて罪な舌と指なの
・・・何かが起こりつつある
桃子は全身がこれ以上ないほど
緊張するのを感じた
何かを求めていた
それなのに何を求めているのかわからない
もうやめてと言いそうになった時
次の瞬間桃子の体が粉々に砕け散った
世界全体が爆発し様々な色に
包まれたかと思うと
目の前に小さな火花が飛び散った
なんて気持ち良いいんだろう・・・・
快感の波が一気に押し寄せてきて
一気に引いていった
気付くと桃子は生まれ変わっていた
荒い息と共に
新藤に心から感謝した・・・・
なんてかわいいんだ!
新藤は感動していた
今まで数多くの女性を抱いてきたが
これほどの悦びの反応をしてくれた
女性を見たことがなかった
桃子のクライマックスを目のあたりにし
自分も思わず達しそうになったほどだ
そんなことにならなくてよかった
新藤は枕で桃子で濡れた顏を拭き
慎重に手を伸ばして桃子の脚を閉じ
まっすぐにのばした
桃子はまさに骨抜きにされていた
ぐったりと唇から満足げな
声をわずかにもらした
新藤はこれ以上ないぐらい満足していた
「先生・・・私・・・」
新藤がクスッと笑った
「やれやれ・・・
君に先生と言われると
何だか危ないプレイをしている気分になる」
危ないプレイとは何なんだろう?
桃子は一瞬考えたけど
熱い彼の視線に全身震えた
「修二だ」
「え? 」
「名前で読んでほしい 」
「修二さん・・・・
修二さん・・・・ 」
桃子は新藤にしがみついて泣きだした
甘えかたもかわいい
「嫌だった?」
新藤は不安になって聞いた
すると桃子はブンブン激しく首を振った
「びっくりして・・・・
あまりにも気持ち良くて・・・・
あれは何だったの? 」
その言葉に理性の箍が外れた
新藤は桃子に覆いかぶさりキスをした
「もう我慢できない!
桃子!君が欲しい 」
「私も修二さんが欲しいです」
新藤が粗々しく桃子の体を脚で開いた
桃子は素直にしたがった
「僕の鼓動を感じて・・・・
止まったら 教えてくれ 」
新藤の熱い胸板が
桃子の胸を押しつぶした
新藤の欲望の証を受け入れた瞬間
感じたのは激しい痛みだった
けれどもしばらくすると
次第にその状態に慣れていった
実際痛みはあるのだが
耐えられない程苦痛ではない
しかしめいっぱい体が広げられている
体の中心に杭が刺さっている感じ
新藤は大きく・・・圧倒的だった
「大丈夫かい?」
桃子の耳元で新藤がささやく息が荒い
「だい・・・じょうぶ
これで終わったの? 」
新藤が笑っているのが
なんとつながっている部分から伝わってきた
「君は素晴らしいよこれから僕は
もっと激しい動きをする
やめてと言われたらできるだけ
そうするつもりだでもある時点を過ぎると
やめるのが難しくなる 」
新藤は桃子に深くキスをし
舌の動きに桃子が夢中になりだすと
一突きで桃子の体に腰を埋めた
桃子が体を引きつらせる
すると新藤はなめらかに体を引いた
たちまち彼を失ったように感じ
桃子は腰を掲げた
新藤が腰を思いきり引いて
再び深く激しく身を沈めた
桃子は燃え上がった
もう一度
さらにもう一度
新藤に突かれる度に桃子は体の芯から
うずきを感じずにいられなかった
彼が体を引くたび寂しくてたまらなくなる
桃子はしだいに新藤の動きのリズムをつかんだ
新藤はにやりと笑い桃子に囁いた
「そうだ・・・・
君も腰を動かして きっと楽しい
ああ・・・
すごく上手だよ
そう・・・そうだ・・・・ 」
桃子は新藤に誘われるままに
彼の動きに合わせて腰を動かしはじめた
さらにヒップを持ち上げたり落としたり
体の奥を絞めたり緩めたりもしてみる
「ああ・・・・
君は呑み込みが早い・・・
とっても気持ちいいよ・・・ 」
そう言われると桃子はとても嬉しくなった
彼にこれほどの影響を自分が与えているなんて
彼が目を閉じて自分の体に夢中になっている・・・
なんてセクシーで幸せな瞬間
するとあの瞬間が桃子にやってきた
こんどはもっと激しく強く桃子は
全身を震わせ絶頂の渦に巻き込まれた
桃子に欲望の証を締め付けられた瞬間
新藤は勝利の雄叫びをあげたくなった
処女の桃子が燃え上がっている
悦びを感じている
そして・・・
ああ・・・・
彼女はもうイッてしまった
とりあえず目標は達成した
ラストスパートだ
もっと奥深くまで差し入れて
徹底的に責めたい
新藤はそんな衝動に抗っていったん体を引いて
肉付きの良い桃子の尻を両手でつかみ
さらに深く突きたてる
なんて温かくやわらかいんだ!
桃子は気持ち良すぎる
ダメだ!これ以上我慢できない
今は一つに結びついている
部分のことしか考えられない
激しく腰をゆらすうごきに合わせて
桃子の大きな胸が動く快感に顔を
歪ませている
やがて待ちに待った瞬間と共に新藤は
叫び声を上げ桃子の中に放った
今まで経験したことのない愛の交わりだった
次々と押し寄せる悦びにあっという
間に波にのみこまれ何もわからなくなった
.:*゚..:。:. .:*゚:.。:
やがて穏やかな時間が訪れた
桃子は全身力が抜けていた
今は何も考えられそうにない
新藤は桃子の上で荒い呼吸をしている
桃子は胸に新藤の硬い胸板が
押し付けられてるのを感じた
彼は寝返りを打ち桃子から離れて
ベットの淵に座った
途端に桃子は寒さと寂しさを感じた
その直後桃子は再び
新藤の腕の中に抱き寄せられた
彼は避妊具を始末しに行っていたのだった
彼のがっしりした肩で頭を休める
顏の向きを変え新藤の湿った筋肉に
唇を押し当ててみた
これこそ完璧な瞬間だった
完全に彼のものになれた
今まで生きてきてこんなに
満足したことは無い
これ以上ないほどの高まりを覚えながら
桃子はただぼんやりとしていた
とても幸せだった
やがて新藤が桃子のおでこに軽くキスをして言った
「メリー・クリスマス・・・ 」
.:*゚..:。:. .:*
. :*゚..: 。:. .:*
桃子は胸がいっぱいで何も言えなかった
暫くすると小さないびきが聞こえてきた
彼は眠ってしまったのだ
自分を抱きしめたまま・・・・
何て幸せな瞬間
暫くの間無防備な
彼の寝顔を十分堪能すると
股間がむず痒くなってきた
シャワーを浴びたい
起こさないようにそっと
彼の腕を体から放すと
桃子はぎょっとした
シーツに点々と真っ赤な鮮血が付いている
寝ている新藤を起こさないように
桃子はシャワーを浴び
出血はもう止まっていたが念のため
新しいパンティーにナプキンを当てた
桃子は声をあげて笑いたかった
部屋の中を踊りまわり
丘の上をかけまわりたい気分にかられた
だけど今はぐっすり眠っている
新藤のぬくもりのある体から
離れられなかった
そっと彼の隣に横たわると
新藤が目を覚ました
「ん・・・・すまない・・・・・
眠ってしまったんだな? 」
「かまいません 」
新藤は片肘をつきキスをすると
桃子の髪を後ろにはらった
桃子が真剣な顏をして言った
「ごめんなさい
シーツを汚してしまったわ・・・ 」
新藤が掛け布団をはぎとると
たしかに真っ赤な血の跡があった
ズキンと新藤の心が痛んだ
嘘だとは思っていなかったけど
正真正銘彼女は処女だったのだ・・・
「辛い思いをさせてしまったかな?
僕も最後は夢中になって
加減できなかった・・・・
申し訳ない・・・ 」
すると桃子は新藤にキスをして言った
彼女の顔が輝いている
「どれほど感謝しているか
言葉では表せません!
すばらしいわっ
とっても 嬉しかった 」
新藤は笑って
裸のまま桃子を仰向けに抱きしめた
なので桃子が新藤を見下げる
形になってしまった
「・・・僕もうれしかった
ありがとう・・・・ 」
それから何度も二人はキスをした
「僕は腹ペコだ何か食いに行こう 」
服を着替え新しいシーツを
クローゼットから出して
二人でベッドメイキングをして
ホテルの食堂街に出かけた
新藤が桃子を連れてきたのは
シックな裏口のような入り口がある
高級寿司屋だった
檜作りのカウンターに
もう遅い時間だったので
客はまばらで二人は端っこの
カウンター席に並んで座った
「ここはアナゴが上手いんだ
火で炙って柔らかくしてね
ここのアナゴを食うと他では食えなくなる
ねっ?大将! 」
「いらっしゃい!
まずはにぎりからお出ししますね
先生がこんな素敵な女性を隠してたなんて
知りませんでしたよ! 」
カウンター越しに恰幅の良いねじり
鉢巻きをした寿司屋の大将が
桃子に威勢よく話しかけた
「僕もつい最近まで知らなかったんだ 」
新藤がウインクして言った
桃子は嬉しそうに目を輝かせて
大将に挨拶した
「回らないお寿司屋さんなんて
初めてです・・・
すごく素敵なお店ですね! 」
新藤は大将と二人で笑った
桃子は頬を染めてはにかんでいる
新藤はそんな桃子に微笑みかけた
彼女はとてもかわいらしい
口にはやさしい曲線を描き
瞳は驚きと喜びで生き生きしている
あの喜びは僕のせいだろうか?
そう思うと心やさしい気分になった
さきほどの二人の愛の行為は
新藤にとっても特別なものになった
あれほどの情熱を持って愛を
交わしたのはいつの事だろう?
元妻でさえ思い当たらない
それにしてもまさか彼女が
あれほど激しく燃えて飢えたように
エクスタシーを感じるとは思わなかった
クンニだけで絶頂に達した後
痛い思いはさせたがすぐに彼女は
柔軟に新藤の突き上げに身を悶えさせた
彼女が自分を抑えようとしているのは
わかった
情熱をあらわにするのが
はずかしかったのだろう
しかし桃子の内にあるすばらしく
官能的なものを抑えこむすべはなく
ついにみごとにエクスタシーの
大輪の花を咲かせた
これまでの年月桃子がその女の部分を
あれほどみごとに隠し通せたことが
新藤には不思議だった
二人でしばらく大将おまかせの
フルコースに舌鼓を打った
一流の日本酒もスルスル進み
美味しくて食べすぎた
桃子はため息をついて言った
「これはダイエットをしてる者には
とても辛いですね 」
「そんなことをしてるのかい?」
決してスリムではない自分の体形を
気にしていつもダイエットをしては
リバウンドを繰り返している自分に
自信が持てなかった
「ハイ・・・・
スリムな女性に憧れます
一応努力はしているんですが 」
「それはおかしい
君は太ってなんかいないよ 」
新藤は目がおかしいのだろうか
意外な彼の言葉に桃子は驚いた
数年前・・・
新藤が元奥さんを一度病院に
連れてきたことがあった
ハッとするような
スーパーモデルのような美人だった
背の高い新藤と並ぶと二人とも
モデルのように美しかった
まさにお似合いの二人だった
それから桃子はダイエットに
いそしむようになった結果は
ついてこなかった
そう思うと少し寂しくなった
「僕は女性は少しぐらい
ふくよかな方がいいと思う!ね?大将!」
「そうですよ!
世の中猫もしゃくしもダイエットって!
鶏ガラみたいな女を抱いても全然
良くはありませんよ 」
大将はガハハと笑った
まったく同感だ!
新藤の女性の好みはこの数時間で
まったく変わってしまった
女性はさわり心地が一番だ
今目の前にとてもさわり心地の良い
女性は恥ずかしそうにはにかんでいる
新藤は自分の手が疼くのを感じた
酒も入ったせいか
桃子は火照る頬を押さえ自分の事を
話したい気持ちにかられた
「中学生の時・・・・
大きすぎる胸を男子にからかわれた
事があったんです・・・
デブっていわれてしょっちゅう
その男子達に泣かされてました
寝るとき次の日の朝胸が
小さくなっていますようにと祈りました
あと・・・
あら塩を塗ると引き締まって
胸が小さくなると雑誌に書いてあって
スーパーでお特用のあら塩を買って
きたりして・・・
毎晩お風呂で塗ったの」
新藤は風呂で桃子が自分の胸に
塩を塗って一生懸命マッサージしている
所を想像した途端に股間が反応した
その話をもう少し詳しく聞きたい
「それで どうなった?」
桃子は笑って首を振った
「まったく効果は無し!
しかも先日下着屋さんで計ったら
また大きくなってたの・・・・」
「ちゃんと天然物の塩を使ったかい?」
「もうっ!
からかわないでくださいっ 」
桃子は笑いながら
ちょんと新藤をつついた
自分もつられて爆笑してしまった
新藤は自分がうっすらと
汗をかいているのを実感した
また興奮しだしのだろうか?
桃子の手を握る
「君が塩を塗るのを断念してくれて
よかったよ実にすばらしい胸を白衣の
下に隠していたんだね
僕は君の胸が好きだ 」
意外な新藤の言葉に桃子は
体が熱くなった
「胸だけじゃないどこもかしこも
とっても触りごこちが良かった
ダイエットなんてするものじゃない
君はそのままで情熱的な
素晴らしい女性だ 」
桃子は新藤にドギマギしていた
彼の態度は今朝会った時とあきらかに違う
カウンターに並んで座っているのに
彼の体は私の方に向け
熱く自分を見つめている
その瞳は気のせいか欲望に
燃えているように見える
誘われているように感じる
そう・・・・
求められているように見える
桃子の脈は速くなり口が渇いた
また新藤に抱かれたくなった
一晩で二度もなんか出来るのだろうか?
彼は部屋に帰ってからも愛して
くれるだろうか?
そんな事ばかり考えていると
新藤が桃子の手の甲にキスして言った
「出ようか・・・・」
桃子はうなずいた
自分も早く二人きりになりたかった
二人して寿司屋を後にして
ロビーの土産物屋を散策した
色々目移りする桃子の後を
新藤が楽しそうについて歩く
部屋に戻るとクリスマスツリーの横の
石づくりの暖炉の前で
新藤は肘をついて横になり
そのすぐそばに桃子が座った
新藤が頼んでくれたクリスマス特別
ルームサービスはシャンパンと小さな
クリスマスケーキだった
二人でサービスを楽しみながら
おしゃべりに華を咲かせた
二人の間にはテレビもスマホもいらなかった
興味があるのはお互いのことだけ
新藤は暖炉の明りに照らされている
桃子をじっと見つめていた
新藤の目は桃子を求めていた
桃子も彼に熱く見つめられていると
体が溶けていくような
気分でそっと新藤にもたれかかった
暖炉の灯りは二人を赤く照らし
その熱は体に心地よい
新藤がゆっくり体をのばし
桃子にキスをした
二回目だからと言うわけじゃないが
新藤は桃子を自分の上に乗せてみた
これは絶景の眺めだった
自分の突き上げに合わせて
桃子の乳房が大きく揺れる
桃子の愛に色を増し膨らんだ乳首を
舌で愛撫しながら
彼女の可愛らしく愛に鳴く声に
これ以上ないほど自分も興奮した
そして二度目も
二人は至福に包まれて無限の世界に漂った
翌日の朝方さらに桃子は
新藤の優しい愛撫で起こされた
桃子は目の覚めやらぬ喜びから
震えるようなエクスタシ―で思わず
自分の股間に顏を埋めている
彼の髪の毛を強く引っ張ってしまっていた
ポンポンと優しく手を叩いて
諭された時は夢中になりすぎている
自分が恥ずかしかった
「君を見てるのが楽しい」
新藤は桃子にキスをしながら囁いた
「僕の愛撫に君が溶けていくような
表情を浮かべるのがなんともいい」
「いや・・・はずかしい・・・」
「僕は決して
エロおやじではないと思っていたけど
どうやらその才能を開花できそうだ
一晩で3回もなんて新記録だ 」
笑いながら彼は
桃子の中に腰をしずめた
そこから二人は愛のダンスをひたすら踊った
骨まで溶かされた桃子の体を気遣って
新藤は朝食をルームサービスで頼んだ
テーブルいっぱいに並んだ
朝食は数十種類ありとても贅沢だった
新藤はガウン一枚の桃子を
自分の膝に乗せ全部の品目を
一口づつ食べさせた
まるで映画の世界のようで
桃子はたとえようもない満足感と
もうすぐ終わる悲しみの入りまじる
ほろ苦い思いで胸が押しつぶされそうだった
なぜなら桃子はこの一晩ですっかり
新藤を愛してしまっていたからだ
それから数時間して新藤のBMWが
桃子の住む町に戻ってきた
まるで何か月も町を離れていて
すべてのものが変わったように
桃子は思えたけども
よく見ればやっぱり
見慣れた街並みだった
最初に待ち合わせした
コンビニの駐車場に停車し
新藤がサイドブレーキを引いた
桃子は涙が溢れそうだった
「・・・・荷物を下ろそう・・」
新藤は車を下りトランクから桃子の
スーツケースを取り出し彼女に渡した
「あの・・・・これ・・・・」
桃子は細長い箱を取り出した
「これは?」
「クリスマスプレゼントです・・・
もっと早くに渡したかったんですが
タイミングが分からなくて・・・ 」
新藤は困った顏をしてプレゼントを
握りしめた
「ああ・・・
それはありがとう
でも僕は君にあげるものを何も
用意してなかったよ・・・」
桃子は微笑んで言った
「私はもうもらいました
最高のプレゼントを・・・・・」
二人は立ったまま見つめ合った
最後を上手く締めくくる方法が見つからない
この週末に分かち合った情熱を思い出せば
抱き合いもせずキスもしないものは奇妙に思える
だが今二人は現実の世界に戻ってきたのだ
あの素晴らしい愛のXmasは
過ぎ去ったのだ
あとくされなく一回きり
そしてお互い普段の生活にもどる・・・
それが契約の条件だっただろう
新藤は自分の心に言い聞かせた
「それじゃ・・・また職場で」
「・・・ハイ・・
ありがとうございました」
二人はぎこちなく握手をして別れた
まるで他人のように
もともと他人じゃないか・・・・
二人は心の中で言い聞かせた