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田中静人
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#ヒトコワ
天音ろっく
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私は今、仕事をしている。
工場で使用される資材や製品の管理を任せれている。
ただ、正直嫌気が指していた。
仕事量にではなく、会社のやり方に不満を持っていたからだ。
つい仕事になると熱くなってしまう私は、相手がたとえ上長であっても物申す、こうしてほしいという要望や会話が愚痴を言っていると置き換えられ、昇格を見送られたからだ。
その一件から、何も言える立場ではなくなり、ストレスが溜まる一方だった。
部下も責任感をあり根も真面目だが、驚く程ミスが多く、少し厳しめに注意してしまうと仕事に手が入らなく程、落ち込んで仕事にならないということもあり、注意や指導のバランスも悩みどころでもある。
酷いのだとアルファベットの順番を間違える、電卓を使っていても資料に別の数字を書くなどだ。
それに部下とは言っても、私が管理職として部署を管理しているが、手先が器用で技術面で優れていることから技術職の役職者として、私が推薦したことから昇進したので、実質ほぼ同格である。
しかし、管理責任者は私なので全てのことは私に降りかかる。
それに加えて、1番私が気にしていたのは、上層部で発言力のある人物達とそのお気に入り達が一気に昇進したことや人数不足で他の部署の事務処理、書類作成、データ管理を私が受け持ったにも関わらず、私の昇格を見送らせたのがその上層部だったからだ。
長くなったが、会社がこのような状態のため、私だけでなく、他の社員達の不満が上がった。
営業部で課長までなった方、製造部の責任者や他にも退職者が辞令の後、一気に増えた。
それに加えて私は持病が悪化、他にも体調不良で休む者もいる。
その後も退職者が増え続け、ほぼいなくなってしまった状態だ。
女性の執行役員が作業着を着て、製品の確認をしたり、取締役が工場でアルバイトの方々と一緒に働いている程一気に人数が減った。
私も深夜までトラックを運転し、1人で荷物や廃棄物の積み下ろしをしている。
部下は会社に残って、普段は私が行っていた事務処理等をしてもらってるが、不慣れなためかチェックをするとめちゃくちゃな状態で私が最終的に手を加えることになる。
ある時、仲の良い品質管理の男性社員を派手なスーツを着て会社を去ろうとしているところを見かけ声をかけた。
「実は今日が退職日でして……」
普段は爽やかな笑顔だが、少し気まずそうに目を逸らしている。
負担をかけてしまうと思い、気まずいんだろう。
だが、今まで一緒に頑張って働いてきた仲でもあり、社内の環境を変えようとしてきたが、限界がきてしまったんだろう。
私は何も気にせず「お元気で。機会があれば呑みに行きましょう!」
私はそう言って、彼はお辞儀をして去って行った。
私が心配だったのは、まだ入ってまもない品質管理の女性社員だ。
その子に負担が増えてしまうのではないかと部署へ向かい、大丈夫か声をかけた。
彼女はとても小さな声で「実は私も近々……」
辞めてしまうようだ。
その子が辞めてしまったら上層部の人間が行うことになるだろう。
しかし、致し方ない。
そう不満を抱えさせたのは他でもない上層部だ。
私は不安だが、部下に仕事をお願いし、荷物運搬のため、トラックを走らせる。
もう夜中の23時だ。
自分で何をしているんだろうと疑問に思った。
何のためにここまでする必要があるのかと。
だが、この長時間労働に加えて自分は鬱だが薬でなんとか出勤できているが、休日は家に引きこもり家から出れないため、転職活動もままならない。
それに加えて、母は介護状態で施設におり、父もいくつか病気を抱えている。
持病を抱えたまま、家族の心配しながら、長時間労働をする。
お金があることで生活ができ、生きることができる。
だが、これが本当に生きているという状態だというのか?
私は自問自答を繰り返しながら、暗い道を通っていく。
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また朝から嫌な気分になった。
仕事をしている夢というのは、終わったというのにまた仕事をしているようで、寝た気分にならないからだ。
社員が減ってていくのは事実だが、もし夢のように取締役や執行役員が現場で働かなければならない状態になったら、どうするつもりだろう。
きっと自身の仕事が忙しいという理由で、他の社員の負担が増える。
そして限界を迎えて辞めてしまい、また新入社員が入るまで他の社員が負担をする。
この繰り返しだろう。
私は今回の夢を、品質管理の2人に話した。
2人とも笑いながら、ありえるかもしれないと。
私も笑いながら話していたが、これ以上自分や他の社員に負担がかかるのも良くはない。
それに私自身もストレスで前から体調が悪い。
なんとかならないものか思いつつも、昇格を白紙にされた件もあり何も言うこともできない。
悶々としながら、私は部下に指示を出しつつ仕事をした。
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今、私は休職している。
部下に負担がかからない日に有給を取っていたが、その日に仕事を増やされる。
有給の日にこれをやってほしいと物理的に無理な連絡がくる。
通院で定時丁度で帰社する旨を伝えていたが、定時前に仕事を追加され通院できず薬も飲めなかった等、諸々のストレスを抱え、日報にも書いたが、取締役から特にケアは無し。
限界を迎えた私は取締役部長に電話し、不満を打ち明けたが、他の上層部の肩を持ち話にもならず、あまり盾したくなかったが、私の持病や家庭環境の悪化している状態のことについて何も感じないのかと聞いた。
「知らないよ。そんなもん」
その時、私の頭の線が切れてしまった。
「何を馬鹿なことを仰っているんですか?」
頭の中の線が切れた結果、出てきた言葉だった。
それに対して
「お前…この……」
激昂した様子だった。
少し冷静になってから
「もういい。君は明日から来なくていい。これは業務命令です。持病の療養してください」
「いえ。行きます」
理由はどうであれ、私も冷静になり失礼なことを言ったのは事実だが、また他の社員の負担が増えるだけだ。
「いや、来た瞬間業務命令違反で即解雇にします」
「給料はどうなるんですか?」
仕事はしていないとはいえ、給料が支給されないと生活ができない。
「給料は支給するから、それじゃあ」
そのまま切られてしまった。
その後、会社で使用されているチャットワークでお休みをいただく旨を伝えた。
しかし、その後取締役からチャットワークに制限、連絡するつもりはないが確認いたらLINEもブロックされていた。
ここまでするかと感じた。
今は各所に相談しながら対応している。
病院の先生も親身になって診断書を出してくれた。
休職して療養するが、もしある程度回復しても、ここまできたら今の会社には残れないだろう。
それに取締役から受けた「知らないよ。そんなもん」が相当のショックだった。
私より苦労している人間は世界中どこでもいるだろう。
しかし、他人といえど同じ会社で働いている従業員。
少しでも感じないというのは、あんまりではないかと感じた。
やはり同じ従業員でも他人。
どうでもいいのだ。
私は余計に人間不信に陥った。
それに療養してもこれからどうすればいいんだろう。
今のところ何の職に就けばいいかわからない。
生きるためには働くしかないのだ。
正直小説家になって大成したい気持ちはある。
初作品にして想いを込めたマリーゴールドや続編、その他に頭の中にある作品。
このユメニッキも今まで見たもしくは最近見た夢を小説にして、休職中は執筆してる。
しかし、成功するのは一握り。
私の想いを込めたマリーゴールドも出版したいと思っていたが、上手くいかない。
本当にこれからも自分は生きる価値があるのか?
私はあの時の夢と同じように自問自答を繰り返す毎日を今も過ごしている。
コメント
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読了しました。タイトル「生きる価値」、胸にグサリと刺さるエピソードですね…。会社の理不尽な構造、昇格を握り潰されて声を上げられなくなる閉塞感、部下との板挟み、そして「知らないよ。そんなもん」の一言でプツリと切れてしまうラストシーンが特に印象的でした。あの瞬間の呆気なさと残酷さが、この物語を一言で語っているようで。休職中にそれでも小説を執筆し続けるその姿勢に、もう自分から生きる価値を剥がさないでほしいと、読者として祈るような気持ちになりました。