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#擬人化
キュウゥーン、と、特徴的な鳴き声。
ごう、と炎の広がる音。
硬い鱗同士がぶつかる音。
カシャンと氷の落ちる音。
…そして、ざわざわと赤い生き物ーー確か、キュリアと呼ばれていただろうか。それが羽を震わす耳障りな音。
古龍が集まり、会議とは名ばかりの馬鹿騒ぎをするこの場で度々起こる場外乱闘。
それをある程度離れた場所から見つめる青い尾を持った灰色の龍がいた。
「っはは!さすがです!筋肉の躍動、最高です!!!!」
「うるっさい!一番美しいのは私だ!!!!」
場外乱闘の正体は自らの肉体の美しさを叫んだ比較的最近出席するようになったなんだかおかしい古龍、メル・ゼナとそれに対し自らの方が美しいと叫ぶイヴェルカーナ、そして、面白そうだと途中参加した血の気の多いタイプの古龍、今回は気分ののったバルファルクのようだ。
メル・ゼナはとても楽しそうである。
「…そういや女子がほぼいないのは何故だ?」
「男しかいないからだって。」
「え?悲しい。」
場外乱闘を覗き込んでいた一部の龍たちがひそひそと呟き合う。
「そこで起こっている場外乱闘のせいでもあるだろうな。」
それを聞いていた灰色のがつい、と顎で指し示すのは場外乱闘。
「律儀に毎回やりすぎないよう止める揺籃のは何というか…優しいな。」
揺籃の、と呼ばれた灰色の龍にそう声をかけるのは眩しいほどに白い体を誇る祖龍、ミラルーツ。
と、そこでドン、と場外乱闘をしていたあたりで大きな爆発がおこる。
2種類龍属性エネルギー、そしてマグマすら凍土にするほど冷たい氷がぶつかり、なぜか大きな爆発になったようだ。
そして爆発によりできたエネルギー弾は大体が他に影響を及ぼす前に燃え尽きたが、ひとつ、特別大きなものが少し余所見をしていた灰色の龍に向かい…
「避けろ!揺籃龍!」
誰かがそう叫ぶ。
しかし、間に合わず灰色の龍に直撃、爆発。
「メル・ゼナを揺籃のの視界にはいらないように隠せ!」
何かを感じたのか慌てたように叫ぶ祖龍。
その叫びにただごとではないと感じた場外乱闘でメルゼナの相手をしていた2頭の龍がメルゼナを掴み岩山の向こうに押し込む。
「いいか!死にたくなければ顔と声を出すな!」
「というか体の一部すら見えないようにしなさい!」
メルゼナは2頭の気迫にこくこくと首を縦に振る。
そして爆発の煙の中から現れたのはーー
まずいことになりました。
元はいつもの喧嘩だったのにあの祖龍様が叫ぶようなことになるとは!
揺籃が告死になっていないといいのですが…
そう思いながら煙が晴れるのを待つ。
その先にいたのは…
…子供?それも人間の。
その子供は私たちが触れたらすぐ壊れそうなほど小さい。
そんな生き物がじぃっとこちらを見つめてくる。
いや、違う。私を見てはいない。
その奥…メル・ゼナを隠した岩山を見ている…?
そう思った瞬間、ぞ、と背筋が凍る。
人間の視界では何も見えないはずの状態のうちにメル・ゼナを隠したのに。
そこまで考えて、気付く。
さっきまで揺籃龍…クレイドルがいたところだったと。
そして…クレイドルの尾と同じ毛色。
つまり、あそこで座っている小さくていかにも柔らかそうな肌の人間の子供が…クレイドルだと言うことになります。
と、全員少し呆けていましたが祖龍様が呟くように声を出した。
「…揺籃の、か?」
それに反応し、祖龍様のほうを見て、そしてあたりを見回したクレイドルと思われる人間の子供は一言。
「おにいさんたち、だあれ?」
そう、言った。
ヤバい。
何がヤバいと言えばクレイドルが人間の子供になって記憶を無くしていることとか。
それなのに俺達古龍を見てお兄さんと呼んでくるところとか。
祖龍なら普通お爺さんだぞ。
そもそも人間じゃないし。
というかもしかして俺とイヴェルカーナが世話することになるか?子育てはしたことがないんだが…
なんなら番がいたこともないし…
あれ?そもそもあれがクレイドルなら外見がそうだとしても中身は違うのでは?
というかメル・ゼナを隠したところのほうをみてなかったか?
「…ふむ。」
「純白の龍さん、どうしたの?」
「少年よ、我が怖くないのか?」
祖龍の言葉に、違和感が上昇する。
確かに、俺達は人間から見たら恐ろしいと言われる部類のはずだ。
「龍さんならこきょうにいっぱいいるし怖くないよ?」
故郷にたくさんいる?どういう事だ?
「そうか。我は祖龍、ミラルーツと呼ばれている。お前さんの名は?」
「んー…くろあ、です。祖龍さん。ここって一体どこですか?」
「ここは我の住処の近く。古龍が集まって話をしたりうまいものを食べたり、じゃれ合って息抜きしている場所だな。」
おい待て会議という建前はどうしたんですか祖龍様!
きづいたら祖龍さんのすみかの近く、古龍というしゅぞくのいちぶがあつまっておはなししたりしているところにおちてから1週間たちました!
でも、やっぱりけむりがなくなる前にみたおおきな白と赤のなにかがきになるなぁ…
ここにいる龍のみなさんはほぼ全員会いました。
でも、あとひとつ、目に見えるばしょには出てこないけど、龍のけはいがします。
たぶんそれは、あの赤と白のなにか。
なにかちいさないきものがざわざわと動く音にまざってすこし苦しそうないきの音。
とっても気になるし、みがってかもしれないけど、たすけたい。
でも、すがたをあらわしてくれない。
どうしよう。そう思ってた。
ひらひらととんでいるばら色のいきものを見るまでは。
かすかに生き物が死んだけはいがありました。
ぼくのだいきらいでだいすきなけはい。
そっちに近づくと、血のにおいがする。
目に入ってきたのは死んで血を流しているいきものをおおいつくすばら色のいきもの。
いっしょうけんめいに養分をすするばら色。
その音が、赤と白のいきものからきこえていた音とおなじで。
よくみているといきものたちははらいっぱいに主のための養分と毒をためてひらひらと飛んでいく。
それを追いかけて歩いていく。
そうしたら…やっぱり、いた。
赤いひとみはりんごみたい。
むりやり赤にそめられたのであろうつばさは何色だったんだろう?
苦しそうなこきゅうの音と、ざわざわと煩わしい赤いいきものの音。
「…どうした。小童。」
なんだか、せいぎょがきかない…
赤いいきものがぼとぼとと落ちてゆく。
「な…!?」
目の前の美しい龍が目を見張る。
ああ…そめられているならば、そめなおせばいいんだ!
「っあ、が、ぅうーー」
傷をつけた自分のうでから流れ落ちる青を、大きな大きな彼の口に流し込んだ。
最初はあばれていた体がだんだん跳ねなくなってきて、おとなしくなった時につばさを見ると真っ青にそまっててきれい。
うれしくて、なんだかとてもまんぞくして、でもつかれちゃったので悪いものを引きはがしたその龍をぎゅってしてたら…ねむけが…