TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

 「眠る孤独の月の下、探し求める鈴の音」

夜の静かな自室。

机の上に置いたスマホの画面には、まだ始まらない配信の待機画面が光っている。

「あ…!そろそろ“あの人”の配信始まる時間だ、!!」

 胸が高鳴るのに、どこか夢を見ているみたいで。

小さな光を手のひらでそっと包み込むように、画面を見つめた。

――――

夜の街が静かに眠りにつく。

小さな机に腰を下ろし、私はマイクのスイッチを入れる。

画面の向こうには、まだ誰もいない待機画面。

それでも胸が高鳴る。

 

「……よし、今日も行こう」

画面の光が、私の手のひらをそっと温める。

誰も知らない私、配信者ネムとしての私が、今ここにいる。

――――――――――――――――――

 「こんばんは、ネムです。今日も来てくれてありがとう」

コメント欄に流れる文字が、静かな部屋に小さな色を灯す。

『ネムちゃん今日も声かわいい〜!』

『待ってたよ!』

「ふふ、ありがとう。今日も眠れない人、いる?」

画面の向こうの誰かが笑ってくれている気がして、胸の奥が少しあたたかくなる。

いつも通りの夜、いつも通りの声。

でも、この夜は――ほんの少しだけ違う気がした。

――――――――――――――

イヤホンから流れる声が、胸の奥にぽたりと落ちた。

「こんばんは、ネムです」

その声を聴くだけで、今日一日の疲れがふっと消える。

鈴夢は布団にくるまりながら、スマホをぎゅっと抱きしめた。

「ネムちゃん、今日も頑張ってるなぁ…」

思わず小さくつぶやいて、くすっと笑う。

コメント欄がにぎやかになっていくのを眺めながら、

鈴夢はゆっくりと打ち込んだ。

『ネムちゃん、今日も声あったかいね〜』

送信ボタンを押したあと、胸の奥が少しだけくすぐったくなった。

まるで、自分の言葉が画面の向こうに届いたような気がして。

――――――――――――――――――

コメント欄に流れた文字のひとつに、ふと指が止まる。

『ネムちゃん、今日も声あったかいね〜』

いつもの言葉、なのに。

なぜかそのコメントだけが、胸の奥にそっと残った。

   「…あったかい、か…笑」

 小さくつぶやいて、マイクの向こうで息を吐く。

ほんの一瞬だけ、夜の静けさがやさしく揺れた。

loading

この作品はいかがでしたか?

39

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚