テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#溺愛
桜咲かな
349
桜咲かな
452
30
138
。 .:・.。. .。.:・
運命の女神は、どうやらジェニをからかっているらしい・・・
信じられない!運命の恋人を神様に願ったら、彼が現れるなんて!しかもキラキラの夜景まで背負っている!完璧じゃない
ジェニは眉をしかめて竜馬を睨んだ
「どうしてあなたがここにいるの?」
彼は素知らぬ顔で、ウェイターにパチンッと指を鳴らした
「グラスをくれ!」
待ちかまえていたウェイターがスライディングしながらやってきてワイングラスを竜馬の前に置いた、信じられない事に彼はジェニが注文したワインを自分のグラスに注いだ
それから長い脚を組んで、隣のテーブルでこちらをチラチラ見ている女性に鋭い一瞥を放った、たちまちさっきまでジェニを笑っていたそのカップルは、立ち去って行った、そして竜馬は優雅にメニューを開いて眺め出した
ジェニは目をパチクリし、何とか言葉を探したが・・・何も出てこなかった
「めちゃくちゃ腹が減ってるんだ、君は?何か食った?」
「私の質問にまだ答えてないわ、その(最初からいましたけど何か?)みたいな空気醸し出すのやめてくれる?」
「僕は腹が減ったら、たいそう不機嫌になるらしいから、とりあえず何か食わせてくれ」
とメニューをマジマジ眺める竜馬
「あなたはお腹が空いていない時だって、それほど感じがよくないわよ?」
今やジェニは不思議な気持ちで彼を眺めていた、これは自分の願望が投影されているのだろうか?もしかしたら「パンッ」と手を鳴らしたら彼は消えるのかもしれない
その時ぐぅーっとジェニのお腹が鳴った・・・途端に恥ずかしくて頬を染めた、この店の料理は値段設定がとても高く、おそらく「夜景料金」も入っているのだろう、そして今月結婚式に、ブランド物の高い買い物をしたジェニのお財布事情は、ことごとく寂しい
なのでジェニはお腹は空いているが、ワインだけ飲んだら、家に帰って何か食べようと思っていた
またパチンッと竜馬が指を鳴らした、すかさずウェイターが瞬時に飛んで来て、竜馬があれこれ注文するのを喜んで受けていた、しばらくするとテーブルの上には、あっと言う間に沢山の美味しそうな料理でいっぱいになった
竜馬が、目の前の分厚いステーキをナイフとフォークで豪快に切り、大きな肉の塊を大口を開けて食べた
「うん!ソースがいいな、ほら、あーん」
もぐもぐ口を動かしながらフォークに刺したステーキをジェニの目の前にかざした、もうその誘惑にはさすがにジェニも勝てなかった、匂いで口の中に唾が溜まる
竜馬に促されるまま、口を開けたらステーキを放りこまれた、途端にジューシーな肉汁が口の中一杯に広がった、たちまちジェニの頭の中に花が咲いた、ジェニは両手でほっぺを押さえながら、もぐもぐし、幸せに浸った
それからカラメルを糸状にちりばめたロブスター、太平洋アワビのサラダ、ニュージーランド産の、ラム肉のタリアータのパルジャミーノチーズトッピングなどなど、竜馬は店の一番高そうなメニューを一通り注文していた
「このお料理の方が、私よりよっぽど世界をあちこち旅してるわね」
この頃のジェニはもう遠慮せず、彼の注文する美味しいものを楽しんで食べていた、だって残したらもったいないもの・・・しばらくしてジェニが竜馬に言った
「あなたは私を軽蔑しているんだと思っていたわ」
「君を蔑んだりなんか、絶対していない」
ジェニは目をパチパチさせて、肉をゴクンッと飲み込んだ
「でも・・・最初の頃は・・・ひどく意地悪だったことは、認めるでしょう?」
彼は神妙にも後悔しているような、顔をした
「君を誤解していたことは認める・・・なにせ最初の出会いがあれだったからね、だがすぐに君はそんな人間じゃないとわかった、君は素晴らしい女性だ」
開いた口がふさがらないとはこのことだった
「口を閉じろよ、色々失礼な事を君に言って後悔している・・・どうか謝罪を受け入れてほしい、これからは君と良い関係を築きたい」
真っすぐで誠実な竜馬の謝罪がジェニの心に刺さった、まだ目を向いて開けているジェニの口を、竜馬が人差し指でクイッとあげて閉じさせた
「そ・・・そりゃ・・・私もあなたに誤解させる態度を取ったことも・・・事実だし・・・」
ごにょごにょ言ったジェニが真っ赤になって口ごもる
ジェニは首をかしげた、竜馬はまたあの、猛禽類の様な目で見つめてくる・・・心臓がドキドキしてきた
彼の言った言葉は謝罪なのに・・・まるで告白された気分だ・・・しかしジェニを見つめる眼差しや、目の奥で燃えているような彼の炎を見ると、処女でもわかる
―彼は自分に好意を持ってくれている・・・たぶん・・・とても激しく―
「夜景が好きなら、プライベートジェットとヘリコプターどっちがいい?」
突然の彼の質問に、ジェニは笑って困惑した顔で首を振った
「どっちがいいって?」
竜馬はスマホを取り出して画面を見た、彼のハンサムな顔が画面の光に反射する
「今からなら、2時間で手配できるけど?」
ジェニはその冗談に乗ってみることにした
「じぁあ・・・ヘリコプターかしら?」
そんなこと慣れてるわよとばかりに、ドヤ顔で言ってみた
「今から大阪ヘリポートに僕のバイクで行って、そこから舞洲USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)や海遊館ワールドトレードセンターなど海沿いをぐるっと回る?」
途端にまたジェニの口が開いた
―どうしよう、この人本気だわ!―
「むむむ・・・無理よ!明日も仕事があるし、私のような庶民にはありえないわ、それにデートするほどあなたのことを知らないし・・・」
「これから知ればいい」
さらにジェニは驚いて竜馬を見つめた
信じられない言葉が彼からポンポン飛び出してくる・・・でも今の彼はなんか素敵だ
これまでに見たことがないほど肩の力を抜き・・・リラックスした雰囲気を出しているし、なんか冗談も言ってくる・・・
ジェニはまじまじと竜馬を見つめた・・・美味しい料理に、美味しいワイン、大阪のビルの夜景を背後にしょって、今の彼は椅子に深くもたれて・・・長い脚を組み、南から優しく吹いてくる夜風にセットしていない前髪がサラサラ揺れている
そして目と口元にはやんわりと笑顔がこぼれている
「何がそんなに面白いの?笑ってるわ?」
ジェニは不思議に思って尋ねた、竜馬は微笑みながら首を振った
「よくわからない・・・でも面白いんだ」
ジェニはムッとして鼻にシワを寄せた、そして唇を尖らせて竜馬を睨んで言った
「私がデート相手からすっぽかされたことが?」
途端に彼がシャボン玉が弾けたような笑顔で言った
「そうかもしれない」
コメント
1件
第86話、読みました!もう、めちゃくちゃ胸がときめく回でしたね…!最初は「なんでここにいるの!?」ってジェニと一緒に驚いたけど、竜馬がステーキを「あーん」してくるシーン、想像しただけでキュンとしました。あの高級料理の数々も、夜景も、全部がドラマチックで。竜馬の「君を誤解していた」っていう誠実な謝罪、すごく良かったです。そしてヘリコプターの提案、本気かよ!って思わず笑っちゃいました。二人の距離が一気に縮まった感じがして、次が待ち遠しいです!