コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
廊下で六葉とすれ違う際、隷はもはや彼女を一瞥すらしなかった。
これまではどんなに冷たい態度を取っていても、彼の魔力や視線の端には六葉の存在を強く意識している**「熱」**が隠されていた。
しかし今、隷が纏う魔力は以前にも増して純粋な氷のように冷たかった。
彼の魔力は六葉の魔力の欠片をまるで感じていないかのように、ただ冷徹に一定の周波数で周囲を拒絶していた。
六葉が挨拶をしても、彼は立ち止まることなく通り過ぎる。
「生徒会長に、私情を挟んで挨拶をする必要はない。規律に則れ」
声は低く、平坦で、そこに込められた感情はゼロ。
以前の「*ツンデレ*」の片鱗すら、どこにも見当たらなかった。