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王馬がプレス機辺りを掃除していた頃、食堂では帰ってきた面子が騒ぎ立てて居た。
「王馬くん、すごく怒ってたよね……なんでだろう」
「みんな死んだっていってたっすよね?もしかしたら、俺たちも死んでるのかも……」
「……」
「一体何だったのでしょうか……?」
「ボクは信じないヨ。死んだなら姉さんの所に行けてるからネ。」
「あのツルショタ、未来から来たって言われても納得するレベルの雰囲気だったよな……」
ガチャ。
『…ただいまー!』
「お…かえり、王馬くん!」
「血だらけっすね……」
『掃除、めっちゃ時間かかったよー……
なーんで態々オレがしなきゃなんだろーね』
「あ、うん…」
「そうじゃの…」
ぴーんぽーんぱーんぽーん……。
「あー……あー… マイクテスト、マイクテスト」
「えー、今日から転入生がきましたー。未来から来た王馬小吉くんでーす。」
やる気のない挨拶。もうやめちまえ。
まぁ、こうして一段落は着いた。昨日あれだけ言ったんだ。そうそう関わって来ないだろう。
『じゃ、皆ヨロシクね〜。オレは部屋に……』
「えー、未来から来た王馬くんの部屋は今エグイサルたちが作っていまーす。…そう簡単に逃げれないよ……うぷぷ!」
…非常に面倒臭い。これはオレへのやり返しのつもりだろうか。…しかし部屋が無いと困る。
今はモノクマに従っておくか…。
「え…っと、所で、キミは誰?」
え、今言う?なんで?というかさっきもモノクマ言ったし昨日言っただろ……??見た目からして分かるだろ……?え?物忘れヤバくない?それともパニクってる?うん、そうだよね。最原ちゃん。
「え、えっと……」
……そうだよね?
うん、まぁ律儀に答えてあげるよ!オレは優しいからね!
『にしし、オレは王馬小吉だよ。超高校級の総統なんだー。』
「王馬くんは、あのモノクマと関わりはあるんですか?」
えぇ……何この急なフレンドリーな…なんで?昨日の格納庫での会話忘れた?ついに記憶能力も爺さんレベルになっちゃったんだね、キー坊…!!
……で、そのアンテナ折っていい?
『…あるよー!本当はすっっごく嫌だけどね!にしし…』
「お、王馬くんは何で死んだっすか?」
『……ねぇ天海ちゃん、そこ、聞く?』
「ヒョエッ……」
「未来?から来たツルショタはどこまでの未来を知ってんだよ!」
『少なくともキミよりは知ってるよ肉便器ちゃん。だから臭い口を噤んでくれないかな?』
「あぁんっ……♡」
「今の所は何も無いけど……これから何かあるの?」
『今は言えないなぁー』
「……ねぇ、そっちのオレは……好かれてた?嫌われてた?」
『……好かれてたよ?凄くね!』
態とらしく左手の人差し指で口を押さえる。
絶対そっちのオレには分かっているだろうが。
今は嘘を吐いたけど……
オレにそんなに大きな嘘大きな嘘を吐いたってつまんないでしょ?
しかし経験上、此方の『オレ』の方が嘘には自信がある。
今のそっちのオレの脳内は、 嫌われてた、じゃあソレにオレの死と何が繋がる?
ってなってるのかな。まぁ好かれてたのは嘘って流石に分かるよね。だってオレだし。
まぁそれでも根掘り葉掘り聞こうとしても「オレ」は今は『オレ』のことを分からないだろーな。
それを早くも察したのか、「オレ」は下唇を噛んで黙った。
うん、多分嘘で自分を出し抜こうとでもしてるオレに腹が立ってるんだろうな。
だってオレ、他人の手のひらで踊らされるのが1番嫌いだし。
「……俺たちは、何で死んだんすか?」
『……』
めんど……天海ちゃんしつこ……流石に疲れるんだけど……
『……キミたちは、知らない方が、いい事もあるんだよ』
「……」
『……なーんて嘘だよー!ぜーんぶ嘘!』
「「は!?」」
『オレの嘘に騙されるなんて、皆もまだまだだねー!』
「んだと……」
「王馬くん…」
『じゃ、オレは校内探索でもしてくるよ。』
じゃーねーと手を振って、オレは廊下へと駆け出した。
ーーー食堂ーーー(最原サイド)
「……アレ、嘘が嘘だよね」
「……だよね、そんな気がした」
「お、王馬くん大丈夫かな……」
「え、あ、こういう時はショパンの軍隊ポロネーズを弾くんだよ!」
皆がパニックになってしまっている。それはそうだ。
だって、この中に自分を殺した人が居るのかもしれないし、自分が誰かを殺したのかも知れないから。
そう考える僕……最原終一も、内心はとても焦っていた。
彼こと、自称未来から来た王馬くんが先程去り際に見せた笑顔は、とても歪でぎこちなく、普段の彼のちゃっかり誤魔化しの笑顔とは全くもって違う顔であった。
何を、隠しているのだろう。
『……自白剤』
ふと思い付いたのは、倉庫にあった自白剤であった。
アレを彼に飲ませたら、嘘のスペシャリストな『王馬くん』にも根掘り葉掘り聞けるのでは?
『…自白剤、はどうかな?』
「おっ、ソレいいな!ナイスだぜ最原!」
「…アンタにしてはやるじゃん」
「んあー……めんどいのぅ」
「ちょっと複雑だな……オレに自白剤飲ませてるみたいで」
「実際そうですよ男死ィ!」
……取り敢えず仲間を集めて倉庫へ行った。
作戦としてはこうだ。
まず、入間さんに記憶を消す機械を作って貰って、王馬くん(未来)の自白中に何かあったら王馬くん(未来)の記憶を消す準備をする。
そして 1、王馬くん(未来)の飲み物に、自白剤を混ぜ込む。
2、皆で王馬くん(未来)に質問をする。
3、まだ口を割らなければ、…えっと…嘘発見機でも使うか。
というのが大雑把な計画だ。
……本当に出来るのだろうか。
いや、やるしかない。貴重な未来を知るチャンスなのだ。
そうして、僕たちは作戦決行の為に、皆で眠りに着いた。
食堂で作戦会議をしていたころ、王馬(未来)はーー
ーーーエグイサル格納庫ーーー(王馬サイド)
『……ねぇモノクマ。本気で此処で寝ろって?』
「仕方ないじゃない!まだキミの部屋作りが追い付いてないの!」
『…』
「…」
「く、くますみー!!!」