ピーンポーン!!!
なーんてインターホンがエグイサル格納庫にある筈もなく。
オレの部屋(仮)は誰でも入れる状態になっていた。
『……ねぇ、オレの服ちゃっかり踏むのやめてくんないかな…?』
目の前には、春川ちゃんたち一行がオレを見下ろすように来ていた。
ーーー1時間前ーーー(最原サイド)
漸く今日で王馬くんに真相が聞ける。
入間さんの発明品もさっき出来たし、自白剤、ウソ発見機も用意した。
でも……
「……コレを、アイツにやらせるのか?」
「なんか、今になって地味に申し訳ない気がするよ…」
2人の言い分もとても分かる。しかし、僕達はここから出たい。それには、王馬くんの協力が必要なんだ。
「うん、そっか……そうだよね」
「分かった。やるよ。最原」
「んあー……」
「ぃよし、やるからには本気でな!」
「興味深いヨ……!」
「そ、そんなの紳士のやる事じゃn」
「うんうん、そうっすね。やりますっすか」
「男死ィ……!!」
「わかったよー。神様も良いでゲスって言ってるねー。」
「随分小物っぽい語尾だね!?」
……大丈夫そうだ。
そうして、今に至る。
「……王馬、皆でお茶会をしようとしているの。アンタも来る?」
『た、楽しいと思うよ…』
「こんなの紳士n」
「美味しいお菓子もあるよー。」
……うん、取り敢えず言葉責めだ。隙を見せないぞ!
「……えぇ……??」
王馬 は 混乱 して いる!
流石にそうなるよな……
…ちょっと不安だ。作戦、成功するかな……
「取り敢えず来てね!地味に楽しいと思うよ!」
「ぐっばいならー!」
スタスタスタ……
ー(王馬サイド)
……一体何だったんだ、アレは。
絶ッ対何か仕込まれてる。最原ちゃんの目は泳いでたし、真面目組が居ない(赤松茶柱星東条)。
ゴン太……が言いたかったのは、「こんなの紳士のやる事じゃない!」……かな?
うーん。何がしたいんだろう。
引っかかってあげるか?それとも、引っかかったフリ?
でもこっちの世界のオレが面倒臭い。
『はぁーーーー。どーしよっかなー。』
行くか、行かないか。ううん、一択だな。オレはもう春川ちゃんに必要最低限喧嘩は売らない事にしたから。
うん。自身の身大切。
首絞められた時からちょっと命の危機感じてたから。
……毒塗りクロスボウの矢ぶっ刺してきたけど。
『……よし、行くかぁ』
仕方ない。引っ掛かってやるか。
毒だったら皆の前で惨たらしく死んでやる。
『にしし……』
予想だが、オレが死んだら、多分運営はアウトだ。
コロシアイの説明も、動機…などなどは、モノクマからは今のところ無さげだ。タイムリミットらしきものもない。
きっとこれはダンガン紅鮭団だ。
これで死人が出たら……
『今度こそ……』
ーーー食堂ーーー
バァン!!
『おっまたせー!遅れてごめんね!』
「だっ……大丈夫だよ。王馬くん」
…うわぁ。最原ちゃんクソ分かりやすいんだよな。何その顔。どうしたらそんな探偵なのに分かりやすくなるんだよ。嘘吐く時はめっちゃ堂々としてるのに誤魔化しの時は急にキョドるのなんで??
と、謎に頭を思わずオレは抱えてしまった。
……ちょっと不安になるな…
あ、そういえばさっき春川ちゃんに踏まれたこと今のオレの服は、上も下もモノクマが用意してくれた。
「王馬小吉」の逆カラーで、これはこれでDiceの制服じゃ無くなるしいいかな。と着こなしている。
あ、一応怪我も治してくれたよ。治すというか…うん、治療だけどね。
さて、自分の席に着くと、目の前にはご馳走が広がっていた。
『うわぁ!美味しそうだよ!』
「いいっすね!食べるまでが楽しみっす!」
「凄い……!こんなの食べれないよ…!」
皆の所には美味しそうなケーキ、マカロンなどが置かれている。
……アンジーちゃんのあの飲み物とカトラリーらしき物はなんだろう。…触れないでおこう。
…?あれ、そういえば、オレの席にだけ、飲み物が無い。
東条ちゃんのミスか…?でもカトラリーはあるしな……
「あら、ごめんなさい。王馬くん、プァンタよ。」
『えっ、あっ、東条ちゃん!ありがとー!』
そんなことを考えていると横から東条ちゃんがにゅっと出てきた。
物音も一切しなかった……。
神出鬼没のメイド……?何ソレ怖い……
なんて思うのは1度やめて。
目の前の菓子に目を移す。
……どれもこれも美味しそうだけど、どれに何が盛ってあるか分からない。
というか、なんか盛ってる奴をオレじゃない他の誰かが食べたらどうすんだよ。
ソレもうただの悲しい事故だぞ。
はぁ……もう何でもいいや。とオレはショートケーキを取って食べる。
…
……。
……ううん…視線が痛い。食べずらい!!なんだよ、そんなに、そんなにオレが全部食べるの待ってるの?
オレに一刻も早く死んで欲しいの?ねぇ? 怖いよ?
……わぁ。赤松ちゃんの目が光ってる。すっごいらんらんとしてる。
この場にオレの味方は居ないのか……?四面楚歌なのか……??
なんて半泣きになりながらショートケーキを完食する。
……うん、特に何も無い。
即効性ではない?のか?
…はー。怖いわー。安心できないわー。
……ちょっと、喉が渇いてきたな。
この中で唯一信頼出来る相棒ことオレのプァンタに手を伸ばし、口を付けた。
ゴク…
『ーーーッ!?』
ガタッ!!
何だ、何だ、何が入っていた?!
プァンタの味はしたけど、確実にコレはプァンタではない。
皆の視線が一気に集まる。こっち見んな死にそう。(色んな意味で)
というか飲み物に気を配るのを忘れてたよ!
何してんだよオレ!!
……いやでも 多分コレは毒じゃない。何かお酒に酔ったみたいな……
もしかしてだけどプァンタに酒盛った?ねぇ。
…は?オレは未成年?酒の酔いなんて分からない?
………いいんだよ細かいことは。
あーもう皆すっごいこっち見るじゃん。
もういいよ。見ろよ。オレの醜態。
……なんか逆に堂々とし始めてきたよ。
なんて思ってたけど…
……なんだか、頭がふわふわしてきた。
あれ、真っ直ぐあるけない。めのまえがよくみえない。
…………
ーーー(天海サイド)
(ちょっと遡るっす)
俺は天海蘭太郎っす。今色々あって、東条さんが王馬くん用のプァンタを用意している最中っす。(自白剤入り)
ーーバァン!!
「おっまたせー!遅れてごめんね!」
……本日の主役が来ちゃったっす!!今まだ準備中なのに!!
皆同じ考えなのか、すっごく冷や汗をかいてるっす。
ヤバいっす。東条さんのアレがバレたら非常にマズいっす。
……って、王馬くんが何か…
…あれ、最原くん!?
王馬くんの視線の先には、最原くんがいたっす……って
最原くん!!!冷や汗が凄いっす!!しかも顔も真っ青!!バレバレっすよ!!
そんな最原くんを見た王馬くんは、何を考えたのか頭を一瞬抱えたっす。しかし、それでも普通に歩き始めたっす。
チャリチャリという王馬くん(未来略)の服の金具が音を立ててるっす。
あぁ、そういえば案外カラー反転の服は気に入ったらしいっす。
上半身がいつまでも裸で流石にアレなのかモノクマが用意したらしいっすよ。
…王馬くんがご機嫌でなによりっす。
……王馬くんは怒らせちゃ駄目だと、俺は格納庫で学んだっす。自主保守大切っす。
しかし、王馬くんは最原くんに見向きもせず、そのまま普通に席に座ったっす。え……特に何も聞かないんすか…???
取り敢えず放っておいて、いつもの……えーっと、服が白い王馬くんを眺めると、珍しく真顔で座っていたっす。
いやこわいっす。真相を暴きたいのは分かるっすけど顔が怖いっす。やめてくださいっす。切実に。
しかしそんな王馬くんの顔も見ずに、王馬くん(未来略)は、アンジーさんの不思議な飲み物を見た後に、自分のカトラリーの方を見て、首を傾げたっす。
……かわいいっす。じゃなかった。どうしたんだろう、と俺たちが見回すと、
「あら、ごめんなさい。王馬くん、プァンタよ。」
と東条さんが自白剤入りのプァンタをさも当然かのように差し出したっす。いや、冷静そうに見えるかもっすけど俺もかなりびっくりしたっすよ。音がしなかったっすね……正に神出鬼没のメイドっす。
それにびっくりしたのか、目を見開いたまま王馬くんは東条さんに感謝の言葉を告げたっす。
…その後、今度はお菓子たちを因縁の相手とでも言うような表情で睨み付けたっす。
……残念。そっちには何も盛ってないんすよねー!
漸く決心が着いたのか、頷いて王馬くんはショートケーキを取ったっす。
しかし、異常な程にあまり食べ進みの良くない王馬くん。
視線を上げると、皆と視線が合ったっす。皆がバッチリ王馬くんを見てたみたいっす。
そりゃ食べずらいっすよね。
そっとアイコンタクトで会話をし、やっと自分の食事に手をつけるっす。
―モグ。
お、王馬くんが完食したっす。
でもまだショートケーキを怪しんでいるのか、微妙な表情。
そして何の迷いもなく、左手をプァンタへ伸ばしてー
ーゴクッ
…飲んだっす。
コメント
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閲覧&ハート、コメントありがとうございます!
初コメ失礼します !🍀もし良かったら繋がりたいです ;;♡