テラーノベル
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ある日の夜ーー
運転席には
目黒蓮。
助手席には
向井康二。
🖤「どこ行きたい?」
エンジンをかけながら、目黒は聞く。
🧡「んー……特に決めてへん」
🖤「そっか…」
ナビは入れない。
目的地も、時間も、決めない。
車を走らす。
康二が窓の外を眺めながらぽつりと言う。
🧡「今日さ、また帰り遅いねんて」
彼の話。
目黒はハンドルを握る手に力を込めるけど、顔には出さない。
🖤「忙しい時期なんだろ」
🧡「そうなんかな…最近、 彼を信じられんくて」
少しだけ沈黙。
目黒はわざと明るく言う。
🖤「今夜は俺が康二の相手をする。
食べに行く?海見る?駄菓子屋巡りする?」
🧡「駄菓子屋!ww懐かしいなぁ!」
🧡「ってか、こんな時間にやってへんやろ!」
康二が笑う。
その笑顔が欲しくて、わざとだ。
夜の湾岸を走る。
信号が少なくて、流れる景色がきれいだ。
🧡「俺さ、重いんかな」
ふいに、康二が言う。
目黒は即答する。
🖤「重くないよ」
間を置かない。
🖤「寂しいって言えるのは、悪いことじゃないだろ」
そう言いながら、心の奥で思う。
――こんなにも康二に愛されている彼が憎い。
コンビニでアイスを買って、
車内で笑いながら食べる。
🧡「めめってさ、彼女できたら甘やかしそう」
🖤「どうだろうな…」
🧡「なんでも“いいよ”って言うタイプや」
康二が茶化す。
目黒は横目で見る。
“今もそうしてるの、気づいてないだろ”
夜のドライブは続く。
──────────────
気づけば、家の近く。
🧡「もう着いちゃうのか…」
🖤「ん?俺と離れるのが寂しい?」
🧡「うん…」
🖤「……」
🧡「結局、俺の行きたいところ…連れてってもらっちゃった…」
🧡「楽しかった!ありがとな」
🖤「俺も楽しかったよ」
そう言った瞬間、
康二のスマホが光る。
画面を見る。
柔らかい顔になる。
その横顔。
その一瞬で目黒は悟る。
――誰も勝てない。
どんなに笑わせても。
どんなに寄り添っても。
その名前が表示されるだけで、全部持っていかれる。
🖤「……返信しないの?」
🧡「うん、今からする」
嬉しそうに打つ指先。
目黒は視線を前に戻す。
🖤「ちゃんと話し合えよ」
完璧なアドバイス。
完璧な“味方”。
でも本当は。
“俺のほう見ろよ”
その言葉は、夜に沈む。
マンション前。
🧡「今日はありがと、めめ」
🖤「辛くなったらまた、呼んでよ」
想いなんか伝えたら…
またねなんて言えなくなるんだろうな。
🧡「優しいな…ありがとな」
ドアが閉まる。
エンジンは切らないまま、
目黒はバックミラー越しに康二を見る。
部屋の灯りがつくまで、動かない。
目的地は、最初から一つだった。
つづく。Next🧡💛
コメント
4件

すんごく、切ないですね・・・🙂↕️❤️
くっ、苦しいッッ…! こーじ!早くそいつと別れろ!😭 もっといい人が身の回りにいるッ! 続き待ってます😭🫶