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やっと着いた某村。お盆もまだ先なのでこの人里離れた村までやってきた私たち姉弟。この村では私の姉(歌華。以下「お姉」)がお世話になっていた宮籐家がキャンピングパークの経営をしている。磨輝も夏休みということで私達も有給やら代休やらを使って会いにきたのだ。あ、言い忘れていたが、私は文月幸呼奈。この姉弟の次女だ。宮籐家に会うのは幼稚園のころ依頼だ。 道に迷いながらもキャンピングパークを見つけてた。そうそう。この木!木!山!山!の中でもどっしり構えてるこの感じ。ロビーに着いた。木製の机と椅子がたくさん並んでいる。待っていると言っていた宮籐家の璃偉太さんと佑果さんと望叶さんが来てくれた。

「お久しぶりです」

「久しぶり」

「元気にしてた?」

「ようこそ〜」

上の兄(渚冬。以下「お兄」)が早速、3人に挨拶をする。「そういえば」と3人。

「えっと……この子は?」

「磨輝。手紙で言っていた」

「初めまして……」

「……えー!」

璃偉太さんが尋ねて茉津李が答える。3人の後ろに見えない雷があるようだ。3人の記憶の中では手紙につけた写真でお姉に抱っこされてグースカピースカ寝ていた時から止まっていたのだろう。

「大きくなったねぇ」

「はぁ……」

佑果さん……え?チビくない?そんな 野暮なツッコミはナシだ。

「仲良くしましょ」

「……はい」

望叶さんと握手をする。一応、友好的な態度を示しておこう。みたいな顔をしている磨輝。どうやら3人とも案内に来てくれたらしい。 彼らに案内してもらって、キャンピングパークの客室まで向かった。カーテン付きの窓。ベッド。テーブルとテレビもある。

「花、綺麗……」

「え?花?」

陶瑚がどこかを見ている。適当に相手をして部屋に荷物も置いて談話室に行くと、皆が集まっていた。

「ここは僕もお世話になってるんだ」

「へー」

ふと声のした方を聞き慣れない声なので見やる。向こうに知らない男女がいる。背丈から察するに、男の子の方は磨輝と同じか少し上くらいで、女の子の方は磨輝より大分、年下の子だろうか。

「こんにちは。私は文月幸呼奈。お名前は?」

「季原銀俄です」

「幸節羽菜……です……」

銀俄くんと羽菜ちゃん。

「2人はこの村に来て長いの?」

「僕は物心ついたころには」

「私は最近戻ってきたんです」

「銀俄くんはよく来てくれるよね」

「羽菜ちゃんは初めましてね」

璃偉太さんと佑果さんからも話が入る。銀俄くんはずっとこの村に住んでいて、羽菜ちゃんは村生まれで別の場所に住んでいたが、最近戻ってきたという。

「あ、そうだ。ご飯食べよ。 今日は私が作るよ」

そろそろ昼食の時間。食堂……というよりテラスまで行く。自己紹介も済んだので銀俄くんと羽菜ちゃんも一緒に、望叶さんが昼食を作ってくれるというので一緒に食べることにした。昼はトマトパスタ。

「今日、2つ鍋使ってるんですね」

「こ、この人数だからね……」

首をつっこむ磨輝。しっかり煮込まれていてソースとろとろだ。食べていると色々と昔話に花が咲く。璃偉太さんと佑果さんは時々お姉の世話係をしてくれていたのだ。2人がいなかったらと思うと怖いなんてもんじゃないよとまだ高校生の内に出産と子育てを経験したお父さんもお母さんも口をそろえていた。結局、4人は望叶さんと望夢さんが4年生、お姉が3年生の3月にここに引っ越したのだが。ちなみにその時代、璃偉太さんと佑果さんはお姉のことをお嬢と呼んでいたそうだ。お兄のことはお坊と呼んでいたらしい。私も生まれる前の話だ。

「自分以外に料理することなんてこんな時くらいだから」

「普段、何してるんですか」

「あ〜……医者……なの」

「ドクター!」

「その呼び方する?」

興味津々羽菜ちゃん。

「私は今年から看護師になったんです」

陶瑚も一緒に仕事でもできたら嬉しいのだろう。昔話は続く。

「覚えてないよ〜……」

「そんな昔のこと、知らないよ」

「うんうん」

磨輝がぽちぽち囁いてくるので適当に返す。記憶のない磨輝にとっては気まずい意外の感情がないのだろう。

「あの……そういえば茉津李さんと幸呼奈さんと陶瑚さんって3つ子なんですよね?その割に……」

「……似ていないと言いたいのだろう?」

「よく言われるのよねー」

心の中で賛同する私。実は茉津李、私、陶瑚は3つ子と言っても二卵性なので陶瑚とはともかく茉津李とはそこまで似ていない。銀俄くんはかなり不思議そうだ。

昼食も終えた夕方。今はそれぞれの部屋で過ごしている。しばらくすると雨が降ってきた。現実のはずなのに映画の撮影で雨のシーンのためにスプリンクラーが使われているような。降り出す前に着けてよかった。

「疲れた」

隣の部屋なのか磨輝がぼそりと呟いている。突然、大きな声が聞こえた。……悲鳴?倉庫の方だ。絶対に何かあった。見に行ってみよう。

「あそこからだ!」

急いで部屋を出た。もうすでに倉庫の近くには人だかりが出来ている。何があった……?私もさっさと知りたいので皆にどいてもらって倉庫に入った 。

「うわあああああああああ!」

私たちはかなりの大声で叫んだ。これに関しては全くと言っていいほど後悔がない。死体が横たわっている。誰だ、この人。

「急展開!」

「こんなことって……」

磨輝もお姉も戸惑っている。いくらなんでも……一応、状況を整理してあたりを見渡す。血……血……血……血……。

「誰がこんなことを⁉︎」

思わず声が出る。ここに今日、私たち以外の客はいない。他の人が入ることは不可能。

「どした、どしt……あああああああああ!」

お兄も遅れて到着。

「誰かこの人のこと知ってる?」

「知ってるもなにも……」

璃偉太さん?

「この人村長の息子よ」

佑果さんが続ける。マジかい。つまり犯人はこの村に詳しいということなのだろう。状況を整理するに、被害者は村長さんの息子さん。ここには今日、私たち意外の客はいない。ここに外部から侵入することは不可能。つまりそこから導き出される答え。他の人たちが事件に関わることはできない。つまりそういうことだ。犯人はこの中にいる!

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