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私は呪われている……悪魔という『悪者』にね。「はあ……体が重たい…声も苛々するくらい五月蝿い‥……」

少女はぼやいた。「もう私じゃなくなってしまう……もう私は呪われてるんだ‥はははっ…!!」

※これは悪魔憑きをテーマにした洋風悪魔ホラー小説です。

※本作は初のオリジナル作品

作中に過激的、暴力的な表現を多々含みます。なので、ホラーが苦手な人やスラッシャーな作品が苦手な方などについてはこの作品を読む事はお勧め出来ません。


私はある日突然悪魔に取り憑かれて、何時しか自分じゃない…もう一人の私が出てきてしまう時もある。悪魔の声も五月蝿いくらいに聞こえてくる。

「ヴェルリナ、さあ帰るわよ」

と母親の声が聞こえた。

「うん………」

彼女は母親に連れられ、家に帰った、彼女の生活が変貌する事になったのは、今から数年前の事だった。




ーーーーー数年前ーーーー


「ねえねえママ、今日の晩御飯は何〜?」


「今日はね〜ヴェルリナの好きな、あの料理にしちゃおうかしら! 」


「え!、良いの…!!?やったーー!!」


「ふふっ、楽しみにしててね」


「うん……!!」

順風満帆で平凡な日常を送っていた。だが、それは『ある日』を境に崩れゆくのだった。それは何時ものように学校から帰ってきて、夕食までの時間をまったり過ごしていた時の事だった。「何か今……人が居るような気配がしたような……気のせいかな」

ヴェルリナは周囲を見るも、誰も居ない。

「きっと疲れてるんだよね、だってパパとママ以外の人がこの家にいるなんて、そんな事あるわけ無いもんね」

この時はまだ……気のせいだと、疲れていてそれが思い込みに繋がっただけだと思っていた。だが、この日を境に、『気のせい』が、徐々に顕になってくるのだった。

また、とある日……「やっぱり人の気配を感じる…気のせいじゃないみたい…それに私の事、誰かが呼んでる…?」

と気味が悪くなったヴェルリナは母親に相談してみる事に。


「え……?気配と視線を感じる…?ヴェルリナ、それ……ほんと…?」


「うん……学校に居る時も、家に居る時もお風呂に入ってる時もずっと背後から誰かに見られてるような視線を感じるの……」


「何で急にそんな事が……分かったわ、お父さんにもこの話を共有しておくからまた何かあったら遠慮なく言うのよ?」


「うん……‥ありがとう、ママ……」

ヴェルリナは母親にぎゅっと抱きつく。

視線や気配を感じる、最初のうちはそれだけだった。でも……彼女の身に日を追う事に不可解な事象が相次ぐようになったのだ。

彼女はふと、身体の一部の部分が気になって洗面台にある鏡でよーく見てみた、すると首元に妙な青黒い痣のような痕跡があった。先日までなかったはずなのに……、「何だろう……こんな痕何時できたんだろ、気付かないうちに怪我してたのかな…でも転んだり打った記憶もないし、変なの」

突然見つかった痣、当然この事も両親に伝えた。


「今度は……痣…?とても濃ゆい…痣のとこ痛みはない?」


「うん…………痛みはないよ」


「なら良かったわ、それにしても急に見つかったの?転んだり怪我してで出来たものじゃないの……?」とまあ予想通り、疑われたヴェルリナ。でも此処は正直に違うと否定、「…………じゃあ、何で痣が…しかもこんなはっきりと……」


「私も……良く分からないよ」

突然首元に出来た痣のような痕跡、しかし不穏な足音は……まだ終わっていなかった。それは夜の事…、「はあ……はあ……はあ……今日も眠れない……何でなの…、ずっと誰かの気配を感じる……ねえ、居るなら出てきてよ…!」

彼女は突然の出来事の連続でストレスが溜まり、気配を感じるようになったあの日からずっと夜寝静まった時間になり、不安の高鳴りも相間って夜になると視線や不気味な声や誰かが居るような気配が頻繁に感じ取れるようになって、眠れない日々になってしまっていたのだ。

彼女に襲いかかる突如として頻繁するようになった数々の不可解な現象は収まるどころか、余計にエスカレートしてゆく一方だった。

その事を気にかけていた母親は、「ねえヴェルリナ、最近ずっと何だか変よ?夜もあまり良く眠れていないみたいだし、それに食欲も減退してるし、とても心配なのよ、もしかして何かあったの?学校で虐められてるとか……」


「…………何でもないよ、ママ……心配してくれてありがとう…」


「ねえどうしたの?お願い、話してくれる…?」


「ううん、ほんとに何でもないから……私、ちょっと部屋で寝てくるね」


「ちょっと、ヴェルリナ……! 」

母親は心配な面持ちで娘の後ろ姿をそっと見守る。

「はあ、身体が重たい…………」

すると蛍光灯がピカピカと点滅し、それを前触れとし段々と物が不自然に動き始め…気付いた時にはありとあらゆる物が宙を舞っていた。

「え…………何で椅子やテーブルが……宙に浮いてるの…」

不可解な現象、『ポルターガイスト現象』にヴェルリナは思わず茫然と立ち尽くす。しかし、その時だった、自身の身体がふわりと浮き始め、空中に投げ出された。

「きゃあああああっーーー!!!」

突然の出来事に彼女は咄嗟に大声で叫んだ。娘の大声に気付いた両親は駆け足でヴェルリナの自室へ入った。

そんな両親の目に飛び込んできたのは、不自然に彼女がベッドの下に引き摺り込まれていく光景だった。

「ヴェルリナ…!」

「ママ!!パパ…!!助けて……!!」

彼女は大声でそう叫んだ。急いで、彼女を引き摺り込む『何か』から、ヴェルリナを引き剥がした。「ママ…パパ…怖かったよ…!」

「ヴェルリナ、無事で良かった…ほんとに良かった」

両親は彼女をぎゅっと抱きしめて安堵した。

だが、しかし…彼女の首元に目を向けて見ると、少し前に痣があると発覚した箇所から近しい位置に今度は何者からか噛まれたような、そんな歯形の痕跡がはっきりあった。

「え…………これは……一体何なの……」

両親共に困惑した。動物かはたまた虫にでも噛まれたのか、でも現状何も特定できるようなものもない、だからきっとこれも、ただの悪い夢だと…そう言ってこんな奇妙で不気味極まりない事から、目を背けていた。

そうして、一旦の事態は収まり両親が寝静まった瞬間彼女はまた悪夢に魘され、変な声がずっと彼女に声をかけてくる、寝苦しい夜を今夜も過ごしていた。

そんな中、彼女を突然として苦しめているその元凶がすぐ傍にまで迫っている事を彼女はまだ知らない。黒いその影は寝ている彼女に近付き、今夜…悪夢の始まりの瞬間の出来事が彼女の身に襲いかかる。

「うう……うう……うう……う……はあ……はあ……はあ……」

彼女は呼吸が乱れ始め、不意に真っ暗な自室の周囲を見渡す。誰もいない事を確認し、改めて寝ようと目線を変えたその瞬間、『それ』は姿を現し、恐ろしい形相で彼女を見つめた。彼女は思わず、背筋が凍りつき。助けを呼ぼうにも、彼女は何故か身動きが取れなくなっていて逃げられない……。

「いや、いや…………来ないで……近づいてこないで………いやあああああああああああああっ……!」

恐ろしい形相した黒い影は、ニヤリと不気味な笑みを溢し、牙を見せ‥彼女の身体に向けそっと身体を下ろし、彼女の身体の中にスッ……と靄となって溶けて入り込んだ。




この恐怖のひと時からその日を境に彼女の日常から平穏が崩れ去り、見えぬ存在に背後を囚われ…不可解な不運や事故、現象がこの一家の周囲で頻発するようになった。


「しんどいな…はあ……」

以前のような元気な笑顔を見せなくなり、人が変わったように変わり果てた娘に対し、両親は……


「一体……何があったって言うんだ、今まであんな子じゃなかったのに……」


「私にも良くわからないわ、全部突然の事だもの……でもあの子が変わった事だけじゃない。最近はこの家も妙な出来事だらけ……こんな事初めてよ 」


「性格も人柄もまるで別人だ……あの子に一体何が……」

両親は突如として別人のように変貌した娘に対してひたすらに心配し、それと同時にどう接していけば良いか…その一点の問題を悩み抱え込んでいた。

「…………ずっと身体が重たい……何だか気持ちも落ち着かないや…ずっと私の身体が重く感じる……何かが…私の背部に居るような、何なの……もう……」

すると彼女の人格は変わり、徐々に崩壊への足音が鳴り始める。経過していく日常…。

ーーー彼女が途端に豹変してから更に数ヶ月後ーー

「はあ…………もう何だか、何にも楽しくないな、身体が重い……もう辛いよ…」

彼女に降りかかる不運や怪奇現象が更に『悪い類の者達』を呼び寄せてしまい、彼女の身体には…いつの間にか、彼女の背部には……尋常じゃない程の数の悪魔が彼女の身体に憑依し、彼女の全てを狂わせていた。

「あはは……あはは……ああ……」

彼女は真夜中になると決まって奇行に走り出し、それはまるで何かに操られている様な…それを横目に、「ねえ、やっぱりおかしいわよ、あの子をすぐにでも病院に連れて行って医師の先生に診てもらいましょう」


「医者に診せに行ったところで、何も解明はしない。それにきっとこの事情を説明しても、頭のおかしい奴だと思われるだけだ、君も見ただろう?家にある家具やそれにヴェルリナ自身の身体も不自然な空中浮遊をした事もあった」


「じゃ、じゃあどうするの……!!?、あの子がまたおかしくなったら……あんなの、私達の知っている娘じゃないわ…!」


「落ち着くんだ、それなら専門家に相談して依頼したら良い」


「せ、専門家って…?何処か頼れる宛でもあるの?」

「ああ、その事についてはまた改めて今後話すよ」


「ええ…………」

その後彼女は豹変したまま、元の彼女へと戻る事はなく、寧ろ彼女という人格が喪失しつつあった。


「……………………何で私の事、怖がるの……もう何もかも分からないよ…」


「……………………………………」


「ヴェルリナ……?」


「‥……………………………」

彼女は途端に無口になり、かと思えば「ああ!!!もう…!!何なの‥…!」

気性が荒くなり、暴力的になる事も増えた。

「ヴェルリナ、落ち着いて…!」

「はあ……はあ……ああっ……!もう触らないで…!」力強く彼女は母親が差し伸ばした手を振り払った。


「ヴェルリナ……」


「…………‥……っ………、煩い……っ」

彼女の情緒不安定な気持ちが、余計に悪魔を寄り付かせる要因となり、悪魔は彼女の身体を破滅へ蝕んでいく。

「‥………………………」

彼女が悪魔に取り憑かれてこの一家の日常は豹変した。全ては突如として巻き起こった。「私……どうしちゃったのかな…何で…何で………皆んな、私の事避けるの……」

彼女は悲しくなり、ポツリと涙を流した。でも……悪魔による彼女への悪影響は昼間だけに止まらず、寝静まった時間帯、つまり夜中に集中している様で今日も……、「………眠れない………何時になったら私……何も気にせずに眠れるようになるのかな、けど寝なきゃ…」

目を閉じて、就寝につこうとしたその時、また………怪現象が起きて、「きゃあああああああっ…!!」

彼女は大声で叫んだ。彼女は身体が何らかの力で空中浮遊し、「うぐっ……」彼女はまるで何かに突き飛ばされたかの様に、壁に打ちつけられた。

「痛い‥…………」

ヴェルリナは蹲った。しかし、彼女に襲いかかる異常現象事態は……現状、まだ序の口だった。「身体が…………何だか気持ち悪い……うう……」


「どう?最近の調子は……」


「…………大丈夫だよ………大丈夫だから…」

彼女は両親を心配させまいと苦しんでいる事を隠した。「我慢しなくて良いのよ、それに学校でも最近ずっと虐められてるんでしょ?何か辛い事や苦しんでる事があるのなら、躊躇わず話して良いのよ、私やパパはとても貴女の事が心配なのよ」


「ママ…………私の事……信じてくれる……?」


「ええ、勿論よ」


「実はね…‥人影や気配を感じる様になってから、何処に居ても…家に居ても学校に居ても、声が聞こえて…私の事、脅してくるの…それにね、最近…思うの、何だか私自身が私じゃなくて…とても気持ち悪いの」


「そうだったのね」

「ママ………怖いよ、私………やっぱりおかしくなっちゃったのかな、学校でも…それに近所でも私の事を怖いって言って、まるで化け物を見た見たいに皆んな逃げてくの……こんな事……今までなかったのに、私…………‥呪われたのかな 」

ヴェルリナは崩れ落ち、涙を流した。

それを母親、ルナリスがそっと抱きしめ、「大丈夫、安心して。何があってもママとパパは貴女の味方よ」と優しく寄り添う言葉をかけた。

「ありがとう……ありがとう…………」

過ぎ去っていく日常……母親へ自身の気持ちを打ち明けた事で、少しは気分が晴れたかと思えば悪魔に取り憑かれ、自身の背部にずっと、気配を感じて身体にはずっと重厚感を感じ段々と身体の不調を訴えるようになった。

「‥……………………はあ‥……今日も眠れない、何時になったら普通の日常に戻れるの……身体が……凄く重たい……」

ふと起き上がり、彼女は真っ暗な廊下を歩き……不眠で疲れた身体は限界を迎え、「此処で……休んでいようかな……」

彼女は一室に入り、そこには昔幼い頃に遊んでいた玩具や楽器などが沢山保管してある彼女にとって余暇の時間を過ごす為の部屋だった。

そこにある少し大きなソファに座り込んだ。

彼女は押し寄せる倦怠感と帯びてくる高熱でぐったりとし、高熱の影響で悪寒や手足の痺れが起こっていた。

そうしていると、異変を感じた母親は彼女が歩いていく足音を聞いてひっそりと彼女の後を追っていた。

ルナリスは一室に入ると、ぐったりと横たわっていた娘を見つけ、急いで駆け寄った。


「大丈夫‥……!!?」


「ママ…………」


「酷い熱…暫くは学校はお休みしましょう、精神的にも最近は特にストレスが溜まってるみたいだし、無理は禁物よ」


「ママ……ごめんなさい……私……ママやパパに迷惑かけてばっかだね…ごめんなさい…」


「良いのよ、貴女のせいじゃないわ…自分をあまり責め過ぎないで、これ以上貴女から笑顔が消えると…何だか人が変わったみたいで私達…貴女の事がとても心配なの………」


「ママ…………」

ともかく、彼女は暫くの間心身不調の為に休学する事になった。「…………私って迷惑かけてばっかだ、はあ‥…」

彼女は一人の時、頻発的に悪魔の影や声、気配を感じ…悪魔から脅しを受ける事も多々あり、彼女を苦しめる悪者の悪戯は、日に日に鮮明になっていく。

「っ………また聞こえてきた……嫌……嫌っ…!!、もう…!!!!苛々する……煩い……静かにしてよ…!」

耳を塞ぎ、しゃがみ込んで悪魔を拒絶する。しゃがみ込み、そしてまた視線を上げようとしたその時ギロッと彼女を睨む黒い影が見え、その黒い影は彼女の方へ近寄ろうとしていた。「きゃああああああああああああっ…!」

大声で叫んだ。

「はあ……はあ……はあ、一体何なの……誰なの…はあ、また寝たら今見た光景もきっと忘れられるよね」

目を閉じ、一休み‥……でも気は休まらない無数の視線や声‥……更に家で頻発するようになった不可解な怪現象もこの一家を大きく悩ませている。

「そういえば…、最近何だか故障してる家具が多い気がする…テレビも電球も…何度修理しても治らない」

そう一人ぼやいた。「そんな事考えてたって意味ないよね…」と言っていると、突然ダイニングの方に置いてある椅子が一つ、一人でに不自然な挙動をした。それだけに終わらす、手で触れてないのに勝手に落ちたり、テレビなどの電化製品を中心に次々に故障したりと、明らかにこの家はおかしくなっている。

「また変な挙動してる……もしかして誰かが動かしてるのかな、でも人の気配は駄目だ…忘れなきゃ……」

ともはや、呪われた曰く付きの家となってしまった事に彼女も相当怯えてしまっている模様。「きっと……全部私のせいで……私が……この家をおかしくしちゃってるのかな、もう訳が分かんないよ……」

そんな不安な気持ちを胸いっぱいに抱え込んで母親が帰ってくるまでのお留守番の時間を不気味な空間となったこの家で一人、ポツンと過ごす。

「恐い…背中……寒い……、ママ……早く帰って来て…… 」

恐怖に怯えながら耐え続け、もう恐怖に耐えきれない……とそう思っていた時だった。玄関のチャイムが鳴り、母親が帰ってきた。彼女は、飛び出るように急足で玄関先へ向かった。


「ママ……!!」


「ただいま、具合の方はどう?」


「うん……少し良くなったよ」


「熱も大分引いたみたいね、良かったわ。一人でお留守番させてごめんね、大丈夫だった?恐い事、起きてない? 」

と母親から尋ねられると、彼女は肩を振るわせ……またもや不可解な現象や相次いだ事を話した。p


「………ママ、あのね……また変な事起きたの…、勝手に花瓶が落ちたり、椅子が一人でに動いたり、それにとても怖い形相で睨んできた幽霊も見ちゃって……」


「そうだったのね、でもママが帰ってきたから不安もきっと少し楽になるわ、一人じゃない分気持ちも楽になれるわ」


「ママ…………この家も…おかしくなってるのって……きっと私のせいだよね……」

「貴女のせいじゃないわ、それに貴女を苦しめている存在が何かなんて私達には分からない。だからこそ怖いわ、この現状を怖いって思っているのは貴女一人だけじゃないの、私もそしてパパもそう思ってる」


「私……呪われてる……ずっと何かが私の身体に………背部にいるみたいで、悪寒をずっと感じるの、影も、それに現象も私が一人で居る時に……ほんとに運が悪いね、私って…」


「何言ってるの……?どういう事、呪われてるって…?」


「…………私じゃない私が、たまに出てくるの、私の事を呪い殺そうとしてるの、きっと悪い存在のもの…… 」


「え…………?」

娘から飛び出る驚愕の言葉の数々……だが、子供というのは大人に比べ、恐怖心などに敏感になりやすい体質な事が多い為に、彼女が感じ取れるのも決して不思議な話ではない。でも、やはりにわかには信じ難い。

娘からのその言葉を聞いた母親は凍りついた。

まさか、そんな訳がない……ただの思い違いじゃないのか、そう思う他、今の心の安寧を保てる方法はなかった。しかし、現象は日に日にエスカレートしていく一方で彼女に棲みつく悪魔は彼女を今も徐々に追い詰めていく、ゆっくりと……。


「はあ…………はあ……はあ……うう……うう……」


「…………黙れ‥!!、お前は出てくるな…! 」


「やめて‥……お願い、殺さないで……」


「お前はもう私の骸だ、家族全員破滅させてやる……」


「やめて……!!」

とまるで二重人格にでもなったかのような、そんな事を独り言を言った。一体、彼女は誰と話しているのか、「はあ……はあ……はあ……げほっ……何なの…こんなの、私じゃ……ない……怖い……怖い‥……」

「やっぱり私…おかしくなっちゃってるのかな……」

それからというもの…彼女は段々と心身共に落ち込んでいき、部屋に引き篭もりがちになったり、はたまた日が沈み夜になると、夜な夜な徘徊や不可解な奇行に走るようになり、益々彼女は憑依している『悪者』によって、冒されていき……没落し、それが不可解な不幸の連続を招いて、怪現象がこの一家に起き始めて早数ヶ月が経過し、この家での怪現象‥‥その周囲での不審な出来事の数々が頻繁しているから、その事実が災いの噂を呼び、『あの家に住んでる家族は全員呪われている』、『幽霊屋敷』と罵られ、陰口を言われるように……。


「ねえ、そろそろ以前言ってた専門家の人達に頼るべき時なんじゃない?明らかにこの家も、それに何よりヴェルリナの為にも、今では私達皆んな、幽霊屋敷に住んでる異常者って言われてる始末なのよ?」


「ああ、あの子の為にも早いとこ相談の電話をしてみるよ、今俺達一家が抱えてる問題は普通じゃない……最初は警察辺りに相談しようかと思ったけど、人間が悪戯でやってる……だとしても不自然な点が多いのも事実だしね」


「ええ、頼むわ」

両親は決断の末、突如として悩まされる事になった不可解な怪現象の数々‥…そしてとある日を境に別人のように豹変した娘の事について、専門家の方に相談してみる事に。

全て解決できなくとも、せめて日常を狂わせるきっかけになった『元凶』は突き止めておかなきゃ……そう二人は思ったのだ。


「ママ………この家も…私もおかしいのかな……何で……何で…」


「ヴェルリナ、大丈夫よ。私達が居るわ」


「ママ……」

でも、やっぱり日を追う事に彼女は自分を見失い、人格も多重人格の現象が生じる事も多々、性格も気性が荒くなり、攻撃的に……それに伴って不可解な現象も段々と、それは特に寝静まる夜に集中している。

「はあ‥……何なの……ずっと心がモヤモヤする、身体も…もう、まるで私じゃないみたい… 」

暗い部屋の中、一人‥‥部屋の片隅で蹲るヴェルリナ。


「…………!!!?、いや……!!!、お願い……死にたくない……っ…!」


「うう……‥うう……苦しいよ…」

自身の身体に潜む影によって心が追いやられていく。彼女は度重なる数々の現象や更には、暴力的行為、ある時には自死行為にまで事態は深刻化しており、日に日に荒んでく娘の姿を見て、母親は「ねえ、まだ訪問依頼……完了しないの?もうこれ以上、あの子が荒んでいく姿は見たくないわ」


「ああ、その事なら安心してくれ、先日連絡も取れてその時に現状を話しておいたよ、予定では近日中に来てくれるらしい、これで少しは、楽になるよ」


「それは良かったわ、これであの子の苦しみも軽減すると良いんだけれど…」


「ああ、そうだな」

悪魔憑き 〜猟奇殺戮〜

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