※旧国、えっち多め、死ネタ
「テメェみたいなクソ野郎に殺されるぐらいなら!!自分で死んだ方がマシだ!!!」
そう叫ぶや否や、ナチスは先程までソビエトに向けていた拳銃を咥え込んだ。
「!おい待てっ!!」
企みに気づいたソビエトは急いでナチスの腕に手を伸ばすが、距離があるので間に合わなかった。
「じゃあな、クソ野郎」
グチャッ
発砲音と共に聞こえた音。
その音と同時にナチスの頭は飛沫をあげ、いつも被っていた軍帽は吹き飛び、ヨーロッパの中では小柄な体が倒れた。
雪は赤黒く染まっている。
俺はまた失敗したのか。
焦る心とは裏腹に、脳内ではそんな感想があった。
ナチスに裏切られ攻撃されて、史上最悪の戦になったこれは、初恋の人の死で終わりを迎えた。
倒れたナチスの体を触ると、まだほんのりと暖かい。
だが、ここは雪の降る戦場だ。
ナチスの体温はどんどんなくなって、雪の赤黒さもどんどん増していく。
ソビエトはナチスの体を横抱きにし、帰路を辿った。
「…そんなつもりじゃなかったんだ」
言っても空を廻るだけの独り言を呟いて、ぼたぼたと赤い液体が垂れるナチスをベッドに置いた。
自殺まで追い詰めるつもりはなかった。
これは本当だ。
本当なら、飼い慣らして廃人になるまで…なったとしても、愛し続けるつもりだった。
ご主人様になって、ナチスの初めてを全て奪いたかった。
手を繋いだり、キスをしたり、一緒に風呂にも入ってみたかった。
その先だってしたかったし、殺す予定はカケラもなかった。
そんなことを思いながら、淡々と服を脱がしていくソビエト。
うんともすんとも言わないナチスは、もう寒さも痛みも感じない状態で全裸にされた。
「綺麗だな…」
ここはとても寒いから、腐るまでまだ時間はある。
よくよく考えたら、好きなコが最期に会ったのは、見たのは、声を聞いたのは、殺意を向けたのは、看取ったのは、自分だ。
そう考えると気分が良くなったので、ソビエトは適当に下肢をいじくって挿入してやることにした。
「ん…もういいよな」
裂けたところで、怒る人物はもうあの世に逝ってしまった。
すっかり蒼白化した屍体の細い腰を掴み、ぬるぬるにしたそこにゆっくり挿れていく。
ベッドはすっかり赤に染まりきり、鉄の匂いと微かに混ざる腐臭を感じながら動き始める。
力なく揺れるその子だったものは、ソビエトを満足させるには十分だった。
ふと、生前に自ら開けた頭の風穴を広げ、口の方から性器を突っ込んでみた。
血の滑りはちょうどよく、死後硬直は顎関節からと聞いたので、まだ硬直が始まっていないうちに試してみたかったようだ。
時間が経つごとに状態が悪くなるナチスを、己の欲望のためだけに扱う。
見た目は好きなコなのだから、別にいいと思う。
「…そういえば、目のお返しがまだだったよな」
思い立ったが吉日。
日本ではそういうが、相手にとっては厄日もいいところだろう。今日から命日なのだし。
光を失った眼球を容赦なく抉り、代わりに自分が使っていた義眼を無理矢理ハメる。
抉った目を己の穴の空いた眼窩に押し込むと、ソビエトは満足そうに笑った。
「これでお揃いだ」
昔はよくやったっけ、と思い出に浸る。
上着だったり、帽子だったり、マフラーだったり。
父親のことは殺したほどに嫌いだったが、彼と会わせてくれたことだけは感謝したい。
無邪気にその鋭い歯を見せて笑ってくれたのは、意外と最近のことなのに。
会って10年と経たないうちにギクシャクし始めて、仲直りできたと思えば裏切られて。
初恋を奪ったくせに、こいつはずっと自分を傷つけてきたんだ。
なんてひどいやつなんだろう。
最近はアメリカとの仲も良くない。
自分には、こいつしかいなかったのに。
一方的な性行為をやめて、食事の用意を始めた。
全裸のナチスを机に移して、服を着直したソビエトはナイフを手に持った。
「血抜きはいらないな。大体流れてったし」
握れば折れそうなほど細く、薄い死斑が出た腕の皮膚を切り、美しい所作で一口。
そこからナイフを奥まで突っ込んでやり、肉や皮下脂肪、血管ごと引き摺り出す。
開いたまま硬直した口の中を覗き込んで、舌を切った。
各部位を少しずつ切り取って、皿に盛り付けていく。
かなり異様な光景だ。
鉄の匂いが漂う部屋で、人肉が食されている。
「これで一心同体だ」
ぺろりと舌なめずりをして、穴だらけになった肉を床に寝かせた。
頭を撫でて、いよいよ最期だ。
「入水も首吊りも面倒だな、ロシアたちは別の家にいるし…燃やすか」
倉庫から石油を持ってくると、ソビエトは勢いよく辺りへ撒いた。
余った分を自分とナチスにかけ、マッチを擦る。
ザッと火がついて、足元に放った。
「熱い…まあいいか。あっちで会う時、焼死体だったら驚かれるかな」
死後に散々陵辱された挙句、1番嫌いな宿敵に抱きしめられ、ちゃんとした式も墓もないまま燃やされていく。
幽霊になっていたら今すぐ祟り殺される ほどの行為をしておきながら、ソビエトはナチスに会う気満々らしい。
肉が焼ける感覚と匂いに包まれ、ソビエトとボロボロにされた屍体は燃えた。
先日、2体の焼死体が発見された。
形からして国のものらしいが、片方がどこかは断定できなかったらしい。
なんでも、頭や身体中に穴が空いていたのだとか。
片方はソビエト社会主義共和国連邦の特徴と合致していたため、断定することができたとのこと。
断定こそできなかったそうだが、直前まで交戦していた先輩の説が有力と言われている。
そこから派生して、心中に怯えたナチスが逃げ出そうとし、ソ連に撃ち殺された後に燃やされたという噂も流れた。
恋人なのに、彼は私を置いて宿敵と死んでしまったというのか。
「…私を置いて、2人で死ぬことないじゃないですか…」
コメント
3件
ソ連の行動、すごい好きです。 書くのめちゃくちゃ上手いですよ!なんか心がゾワゾワすると言うか…… とにかく最高です!!
これまでの半分しか書けなかった上に下手くそですな… 全力スライディング土下座謝罪