🎈「…….ん、」
窓から差し込む光が眩しくて目を覚ます。一体どのくらい眠っていたんだろう。
上体のみを起こせば、掛けられていたブランケットが半分下に落ちる。
🎈「 (ぁ、…..ここベットだったんだ、) 」
こんなふわふわな床、初めて寝たかもしれない。これがベットというものなのか。
壁に掛けられた時計や少し長めの机。何も置かれてない棚は埃を被っている。
🎈「 (…….?、初めて来た場所だなぁ、) 」
辺りを見渡せば、知らないものばかりで。ここに来た覚えもなければ、ここが誰の家かも分からない。
この場合、とりあえず何するべきなのだろうか。逃げるにしても、初めての場所で誰がいるのかも分からない。
…….ならば、実質詰み、、??
🎈「いやいやっ、逃げなきゃならないんだから」
せっかく掴みかけた自由を諦めたくない。外はとてつもなく綺麗で、初めて見るものが多かったから、。また、外に出たい。
🎈「 (何か、…..不気味だなぁ、怖いや、) 」
本当に誰かいるのだろうか、
🎈「 (扉、怖いけど開けてみよう….かな、) 」
とにかく、行動に移さなくては何も始まらない。怖いけど、扉を開けて__
?「起きたのか、」
🎈「…….ひゅっ、!?」
え…..?、一瞬の出来事すぎて脳が止まる。
🎈「 (何時から居た、一体いつ来た、?) 」
物音せずに目の前に立つ、金髪の男。耳が良い僕ですら、気づかなかった。いや、気づけなかった。
そもそも、どうやって入ってきた?、扉は微かに開いてる!?、ぇ、どうやって、???
頭はまさに混乱状態で状況が飲み込めない。
?「…….下へ来い。」
🎈「….ぁ、ぇ、??」
?「聞こえなかったか?、下へ来いと言っている。」
金髪の男は鋭い目でこちらを見て、睨んでくる。いや、目が細いから睨んでるように見えるのか、??
🎈「 (これは、どうするべきだ、?) 」
相手はわけも分からない、しかも突然現れた得体の知れない男。そんなやつの言葉を聞くべきなのだろうか。
🎈「…….っ、気は引ける、けど、、」
正直言えば、怖くて仕方ない。だが、外に出るためには、下に降りなくてはいけない。あの口調からして、ここが2階なのは確かだろうから。
…….これも”逃げる”ため。
そう自分に言い聞かせて、何とかフラフラの足で立ち上がる。久しぶりにあんなに走ったからか、足が筋肉痛で物凄く痛い。
🎈「う”ぅ”っ、、」
逃げるため、逃げるため。
あの綺麗で美しい外に、…..出るために。
扉を開けて辺りを伺えば、殺風景が広がっていた。廊下になにか荷物があるわけでも、観葉植物などのオブジェがあるわけでもない。本当に何も無いのだ。
階段の手すりに身を任せ、1段ずつ丁寧に降りる。…..階段の段ってこんなにも高かっただろうか。そんなことを考えつつ、男がいるであろう、リビングに急ぐ。
?「…….座れ。」
男はそれだけを言い残し、顎で向かい側の椅子を指した。頬杖をつき、いかにもこちらに興味が無さそうだ。
恐る恐る、睨んでくる金髪の男を見ながら、席に着く。変な緊張感が走って、身体が固まって動かない。
?「……….はぁぁ、これだから餓鬼は、」
座ればため息を漏らす。それがとてつもなく怖くて、下を向くことしか出来なかった。
今すぐ逃げ出したい。この人に一体何されるんだろうか。
?「…….名前は」
低い低音が響く。きっと、この人は怒ってる。この表情や喋り方、息遣いで直ぐに察知出来る。
🎈「かみしろ、…….るい、です。」
名前を聞いた理由は、よくもまぁ分からない。連れ去ったのだから、名前ぐらい知ってるはず。それとも、学生を狙う悪趣味な無差別誘拐犯とか?
?「….そうか。」
あっさりした返答にまた恐怖がつのる。いっその事、このまま早く逃げ出してしまいたい。逃げて、逃げて、逃げて。それで…..、、
?「言っとくが、逃げるのは不可能だからな。」
🎈「…….っ、」
?「変なこと考えないで、目の前のことに集中した方が良い。お前はもう、ここから出ることが出来ないんだから。」
🎈「…….は、??」
出ることが…..でき、ない、?
衝撃的な言葉についつい、顔を前に向け、男とばっちり目が合う。相手は以前と変わらず、ただ睨み続けているが。
🌟「…….天馬司、マフィアだ。」
言葉がすぐに理解できない。話がこんがらがって、言葉を叙爵するのにも時間がかかる。
🎈「…….っ、何言ってる、のさ、」
あまりにも理解が出来ずに言葉が漏れる。
マフィア?、ここからもう出られない?、
正直全くもって理解出来ない。マフィアだなんて、”ちゅーにびょう?”か何かなんだろう。そういう痛い人が言う職業ではないのか。その歳でもしかして抜けてないとか…..??
そもそも、ここは一体何処なんだ?、目を覚ませば、知らない場所、知らない人がいて。いきなり、誘拐されて出られないとか、
🎈「…….冗談も互いに、してよ、」
なにかの脅し?、なら凄く嫌な手口で__
🌟「…..冗談に見えるのか?、」
__カチッ”っ、
🌟「これを見てもそう言えるか、餓鬼?」
頭に冷たい何かがあてられる。その何かは音を立てて、頭にのしかかり、顔をあげられない。
🌟「…….殺すことなんて容易いんだぞ?」
上目で見れば、黒い”拳銃”の引き金を男が強く握っている。
突然、歯がガタガタとなり、身が震えて。一瞬で夜に感じた、”死”がまた間近になる。
なぜ気づかなかったんだ?、なぜ止めれなかったんだ?、相手は夜の時点で拳銃を使っていたでは無いか。
🎈「…….ぁ、ぁ、、」
🌟「なんだ、さっきの威勢は何処へいった?」
思考の中は恐怖で占領され、身動きが取れない。僕はもしかしたら、ここで死ぬ….のか?
頬を伝って嫌な汗が落ちる。
拳銃で頭を打たれたら一発即死だろうか。それとも、変なとこにめり込んで悶え苦しむのだろうか、。
🎈「…………ッッ”っ、」
🌟「置かれている状況を理解したほうが良い。感情で動いたら、痛い目をみる。」
そう言い、引き金にまた強く手をのせる。本当に撃つ気なんだ。
身体は震え上がり、手先は冷たくなって、
🎈「……ッッ”っ、ごめ、なさ”っ、い」
脳にこびりつく”死”の恐怖。やっとの思いで出た声も小さくて何を言っているか到底分からない。
🎈「ごめ”っ、なさ、…..いっ、」
分からないが、これ以外良い方法、というのが思いつかなかった。
男はまじまじとこちらを見つめ、表情一つ変えずに無言のままだった。それから、少し目を細め、
🌟「………….分かればそれでいい。」
そう言い放ち、拳銃を机の上に置く。
🌟「呉々も間違えるな、餓鬼。」
🎈「い”ッッ”っ、!?!?」
右手で髪の毛を引っ張られ、顔がぐいっと近くなる。一見綺麗に見える瞳が、何かを見透かして居るようにも感じる。
🌟「良いか、耳の穴かっぽじって良く聞け。1度しか言わないからな。」
🎈「…….ッッ”っ、!!」
🌟「…….オレはお前の命を握ってる。殺すのも生かすのもオレ次第だ。」
🌟「そこでもし、良からぬ行動をしたのなら、
___手段は選ばないからな?」
無機質な声はやけに部屋の中で響いて聞こえていた。
コメント
6件
司くん、かっこよすぎるぅ!!!!
司くんのSは神すぎる(´;ω;`)
今回も面白かったです!! ちょっとS気味…??の🌟くんがめっちゃかっこいいです!! 怯えてる🎈くんもめっっちゃかわいいです!! 更新楽しみにしてます!