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×月×日
面談から1週間経った。
頭が痛い。
あれから進路の話、自分のこと、家族の事、みんなの話を聞いてると頭が痛くなる日々が続いた。
そんな今日、6時間目。
進路についてテレビ放送があるらしい。
果たして自分は耐えれるだろうか。
[これからテレビ放送を始めます。]
[霄級の皆さんには放送内容が聞こえてしまいます、申し訳ありません。]
[3年生の皆さんはテレビを2chに合わせてください。]
「みんなちゃんと見るんだよ。」
「それとこれから3人の先生出てくるから、もし態度とかあれだったら点数つけてね〜」
面接のやり方、いい例と悪い例を見せて点数をつけていく、という内容だ。
その後に副主任の話、主任の話がある。
面接のやり方自体はまだいい。
でも、そのあとの二人の話でどうなるか。
できるなら早く終わって欲しい。
[えー今日は面接のやり方と、私と学年主任の話があります。]
[皆さんの進路に関わるものですから、しっかり見て、そして聞きましょう。]
[それでは早速面接について、いい例と悪い例をこれから3人の先生にしてもらいます。]
[面接官は僕がやります、生徒役は杏藤先生、大河先生、佳賀先生です。]
[それでは始めましょう。]
さて、面接はどういうものか…
少しなら知っているもののどのように話せばいいかまでは分からない。
[次の方、お入りください。]
[コンコン、失礼します!]
[コンコン、失礼しまーす!]
[コンコン、失礼します。]
[えー学校と、名前と、受験番号を…左の方からお願いします。]
[はい、××学校から来ました、受験番号1111番、杏藤奏美です!]
[××学校から来ました〜、えー、受験番号2222番で大河喜斗でーす!]
[××学校から来ました、受験番号3333番、佳賀雄です。]
[それでは御三方、おすわりください。]
[失礼します!]
[あざーす!]
[失礼します。]
[えー皆さん、この高校を志望した理由はなんですか?]
[大河さんからお願いします。]
[えーと、この高校にした理由はまぁ近いからっすね!]
[佳賀さんは?]
[家庭の理由で近い方が朝の登校や下校時に楽だと思ったからです。]
[杏藤さんは?]
[はい、私が貴校に志望した理由は、]
[私は将来看護師になりたく〜(以下略)]
[という理由から貴校に志望させて頂きました!]
[ありがとうございます。]
(以下略)
[はい、ということでいかがでしたでしょうか?]
[杏藤さんは明るくてハキハキしていましたけども。]
[大河さんは明るくてもちょっと軽かったですね、佳賀さんは態度は良かったけど少し暗かったです。]
[まぁそのうちしっかりとした面接練習がみなさんもありますから、頑張ってください。]
[それでは最後に学年主任の話です。]
[みなさんこんにちは。]
はぁ…痛い…痛くなってきた…
一刻も早く終わって欲しい、そして教室から抜け出したい。
主任はこういう話の時、必ず現実を突きつけてくる。
大人の、いや、社会というものがどういうものなのかを話す人だ。
笑える話なんて一切ない。
冗談も言わない。
全て本当のことを嘘偽りなく、この人は話す。
聞きたくなくても、知りたくなくても、目を、耳を、向けるしかない。