テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
第12話
〖別世界の自分が気になるレミリア〗
――紅魔館、大広間。
ようやく腰を抜かしたショックから復活したレミリアは、ソファに座るや否や身を乗り出した。
レミリア「で!?」
霊夢「うわっ」
魔理沙「近いんだぜ」
レミリア「そんなことどうでもいいわ!」
レミリア「そっちの私はどんな感じなのよ!!」
目を輝かせるレミリア。
亜霊夢は思わず苦笑した。
亜霊夢「変わらないわね……」
レミリア「いいから!」
フラン「私も聞きたい!」
咲夜「お嬢様、落ち着いてください」
パチュリー「無理ね」
亜霊夢は少し考え込んだ。
そして。
亜霊夢「妖艶な美人吸血鬼ね」
レミリア「ほう」
亜霊夢「今のあなたよりずっと大人びてるわ」
レミリア「ほうほう!」
亜霊夢「考え方も落ち着いてるし、精神的にも余裕がある」
亜霊夢「自分から騒ぎを起こすより、周りを見守る方が多いわね」
レミリア「ほうほうほう!」
魔理沙「機嫌いいんだぜ」
霊夢「単純ねぇ」
亜霊夢「それに……」
亜霊夢「誰よりも家族思いよ」
レミリア「!」
咲夜「……」
フラン「お姉様?」
亜霊夢「フランのことも、館のみんなのことも」
亜霊夢「すごく大事にしてる」
亜霊夢「表にはあまり出さないけど」
亜霊夢「誰かが傷つけば、自分のことみたいに悲しむ」
レミリア「……へぇ」
亜霊夢「それでいて、すごく綺麗」
亜霊夢「妖艶って言葉が似合う美人吸血鬼」
亜霊夢「そんな感じかしら」
レミリアは帽子を深く被る。
レミリア「ふ、ふーん?」
魔理沙「顔赤いんだぜ」
霊夢「分かりやすいわね」
咲夜「うふふ」
パチュリー「珍しい顔してるわね」
フラン「お姉様、照れてるー!」
レミリア「うるさいわよ!」
亜霊夢「でも」
全員が亜霊夢を見る。
亜霊夢「今のあなたも嫌いじゃないわ」
レミリア「え?」
亜霊夢「子供っぽいし、騒がしいし」
亜霊夢「面白いことがあるとすぐ飛びつくし」
亜霊夢「たまに威厳どこ行ったって思うけど」
レミリア「最後余計よ!」
亜霊夢「でも」
亜霊夢「あなたはあなた」
亜霊夢「別世界のあなたとは違う」
亜霊夢「それでいいと思う」
レミリアはしばらく黙っていた。
そして。
レミリア「ふふっ」
レミリア「そうね」
レミリア「私が私じゃなくなる必要なんてないもの」
パチュリー「珍しくまともなこと言ったわね」
レミリア「どういう意味よ!」
笑い声が広がる。
その中で。
亜霊夢はふと、遠い亜幻想郷の紅魔館を思い出していた。
あの妖艶な笑みを浮かべる大人びた吸血鬼。
そして。
自分が沈んでいた時も。
何も聞かず、ただ紅茶を淹れてくれた優しい吸血鬼のことを。
亜霊夢
(みんな……元気にしてるかしら)
そんな想いを胸に。
久しぶりに、心から笑った。
コメント
1件
レミリアが別世界の自分を聞いて「ほうほうほう!」ってなるの、すごく可愛かったです笑 亜霊夢の「今のあなたも嫌いじゃない」って台詞、優しくてじんわりきました。自分は自分でいいんだよって言ってもらえる安心感、いいなあ。最後の回想で亜霊夢が遠い紅魔館を想う静かな余韻も素敵でした🌷