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第9話
〖優しい紅魔館組〗
――紅魔館、大広間。
宴会というほどでもない雑談会が続く中。
レミリアは紅茶を片手に、ふと思い出したように亜霊夢を見る。
レミリア「そういえば」
亜霊夢「?」
レミリア「今日、泊まっていくところあるの?」
亜霊夢「え?」
レミリア「良かったら、寝床として紅魔館使ってもらって構わないわよ」
魔理沙「お?」
霊夢「珍しいわね」
咲夜「お嬢様?」
レミリア「何よ」
霊夢「客人扱いなんてするの」
レミリア「別にいいじゃない」
レミリア「異世界から来て、いきなり住む場所も決まってないんでしょ?」
レミリア「それに」
レミリアは少し微笑む。
レミリア「一人でいるより、誰かいた方が楽しいもの」
亜霊夢「……」
その言葉に。
一瞬、亜霊夢の脳裏に別世界の紅魔館が浮かぶ。
亜レミリア『霊夢、いつでも来なさいな』
亜咲夜『客室は常に整えてあります』
亜パチュリー『静かにしたいなら図書館にいらっしゃい』
あの大人びた住人達。
何も聞かず。
何も強制せず。
ただ、居場所だけを用意してくれた。
そして今。
目の前の、少し子供っぽい吸血鬼も。
同じようなことを言っている。
亜霊夢「……変わらないのね」
レミリア「?」
亜霊夢「なんでもないわ」
魔理沙「神社じゃ駄目なのか?」
霊夢「別にいいけど」
霊夢「神社なんて寝る場所しかないわよ?」
魔理沙「いつものことなんだぜ」
レミリア「それなら紅魔館の方が快適でしょ?」
フラン「一緒に遊ぼうよ!」
咲夜「客室ならいくらでもございます」
パチュリー「本を読むなら図書館も使っていいわ」
小悪魔「歓迎しますよ!」
美鈴「歓迎します!」
亜霊夢「……ふふっ」
レミリア「何よ」
亜霊夢「随分歓迎されてるなって」
レミリア「当然よ」
レミリアは胸を張る。
レミリア「紅魔館は、歓迎する客にはとことん優しいんだから」
魔理沙「不法侵入者には厳しいけどな」
レミリア「それは当然よ!」
霊夢「どの口が言うんだか」
笑い声が響く。
亜霊夢は。
その笑い声の中で。
久しく感じていなかったものを感じていた。
「居てもいい」
「ここにいていい」
そんな、当たり前の居場所。
亜霊夢「……じゃあ」
全員が彼女を見る。
亜霊夢「お言葉に甘えようかしら」
フラン「やったー!」
レミリア「決まりね!」
咲夜「では、お部屋の準備をして参ります」
パチュリー「賑やかになりそうね」
魔理沙「私も泊まるか」
霊夢「泥棒猫したいだけでしょ」
魔理沙「いつものことだぜ」
霊夢「否定しなさいよ笑」
コメント
1件
この話、じんわり沁みたわ……。レミリアたちが自然に「居場所」を差し出してくれる感じ、めちゃくちゃ優しい。亜霊夢が元いた世界の紅魔館を思い出す場面で、ああ、この人も帰る場所があったんだなって分かってグッときた。「変わらないのね」ってつぶやくのも、同じ紅魔館だけど少し違う関わり方を見せられてて、何か胸熱だった。 歓迎の空気がちゃんと一人ひとりのキャラから伝わってきて、異世界放浪してきた亜霊夢が久しぶりに肩の力抜けたんじゃないかな。ここから紅魔館での新生活がどう動くのか、すごく楽しみだわ🔥