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狂気山脈最高地点、その頃に至る道に立ちはだかる最後の関門。漆黒の、巨大な岩壁。”大黒壁”。
天をつんざく黒い壁が、強烈な威圧感をもって小さな君たちを見下ろしている。
所々に氷が張り付き、あるいは岩肌がむき出しになったミックス帯。
ただし、超低酸素、強風、極寒……
高度1万mに至らんとするその熾烈な環境を抜きにして見れば、その壁自体は、慎重に登りさえすれば、登攀可能に思える。
大黒壁のピッチ数は4。
黒「か、かなりでかいですね。」
直央「1人くらいは死にそう。」
凜々蝶「縁起でもないこと言わないでください!」
前とルールは基本的に同じだが、3人には手記から得た情報がある。
ハーケンなどを岩壁に打ち込む、アックスやアイゼンを岩場に引っ掛けるなど、岩肌を傷つける行動を行った場合…
正攻法で普通に登った場合、壁の傷からどす黒くぬるぬるとした粘性の液体が染みだし、金属や肌を溶かす。
このペナルティを受けずに登攀を進めるためには、氷が張り付いたルートを途切れさせずに登るか、
あるいはアイゼン、ピッケルを捨て、岩肌を真の意味でのフリークライミングで登りきるしかない。
これを成功するためには、ナビゲーターが必要となる。
クライマー、ビレイヤーの他にナビゲーターを準備し、クライマーの登攀と同時に、ナビゲーターがナビゲートでロールを行う。
双方が成功した場合、1ピッチ進むことが出来る。
『クライマー』が失敗した場合は墜落判定。
『ナビゲーター』が失敗した場合は、登攀ルートに繋がらず、登り直し。
壁の途中でビバークすることも可能。
今日は猛吹雪。
凜々蝶「流石にキャンプしますよね?」
黒「ま、これじゃ進めませんよね。」
ーーーーー
18日目(残り食料12日分)
次の日。天候はまた猛吹雪。
凜々蝶「ま、また猛吹雪…」
黒「結構、厳しくなってきましたね。」
直央「このまま待つのにも限界があるな…」
ーーーーー
19日目(残り食料11日分)
続く猛吹雪に眉をしからめながらも、3人は更に追加で1日キャンプをした。
今日は強風。
凜々蝶「ど、どうします?」
黒「ここまでの天気と体力を考えると、今日登るべきだと思います。」
直央「最悪途中のピッチまで登ってビバークもできるし、登れるとこまで登っちゃおうか。」
クライマー、ビレイヤー、ナビゲーター決め。
直央「とりあえず、俺が道の選定を行う形でいいよな?」
黒「まぁこの強風の中まともにナビゲート出来そうなの直央さんしかいませんからね。」
凜々蝶「じゃあ1ピッチ目は俺が登ります。」
黒「となると消去法で俺がビレイヤーですね。」
ここから登攀が始まる。