テラーノベル
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dzl社のqnmnです!
多分短編集と長編集の間くらい…( ?
初投稿です( ˙꒳˙ ) あまり期待はせず、下手でも許してください…!
夜の街は、異様なほど静かだった。
高層ビルの影に沈む路地。その奥にある古い倉庫の屋上で、おんりーはしゃがみ込み、双眼鏡を構えていた。
数秒、息を殺す。
おんりー「……動き、まだないな」
隣で同じく伏せているMENは、片膝を立てたまま周囲に視線を走らせている。
MEN「逆に不気味だな。ドズルさんが“注意しろ”って言う時は、大体何かある」
おんりー「……だよな」
短く視線が交わる。
言葉は少ないが、それで十分だった。
一緒に動いてきた時間が、互いの判断を補ってくれる。
今回の任務は、裏で動く組織の拠点調査。
本隊が突入する前の先行確認――最も情報が少なく、危険な役目だ。
MENは屋上の縁に近づき、下を覗き込む。
MEN「侵入口は三つ。正面、裏、地下。おんりー、どこ行く?」
おんりーは即答せず、地図を見下ろした。
わずかに眉を寄せ、地下への通路を指差す。
おんりー「……地下。嫌な感じがする」
MEN「了解。じゃあ俺が前だ」
おんりー「いや、俺が――」
MEN「却下」
即答だった。
MENは振り返らず、低く言い切る。
MEN「お前は後ろ。索敵は俺より得意だろ」
おんりーは一瞬言葉を詰まらせ、視線を伏せる。
納得できない。でも、MENの判断が合理的なのも分かっている。
おんりー「……分かった。無茶はしないでよ」
MEN「それはお互い様だ」
地下通路は湿っていて、空気が重い。
足音を極限まで抑えながら進むうち、二人の距離は自然と近づいていた。
その時、前方で微かな金属音が鳴る。
MENの肩がわずかに動いた瞬間――
おんりーは反射的にMENの服を掴み、後ろへ引いた。
次の瞬間、天井から罠が落下する。
MEN「っ……!」
おんりー「……今の、危なかった」
罠の直下、紙一重で回避していた。
MENは一度深く息を吐き、おんりーを見る。
MEN「……助かった」
おんりー「言っただろ。後ろ任せてもらえれば、俺は強い」
小さく笑うおんりーに、MENはわずかに口元を緩めた。
だが、その直後。
通信機が一瞬、ノイズを走らせる。
『――MEN? おんりー?』
通信越しのドズルの声。だが、途中で途切れた。
MEN「……通信妨害か?」
おんりー「いや、違う……」
おんりーは空気の変化を感じ取り、声を落とす。
おんりー「ここ、誘い込まれてる」
同時に、奥の闇で複数の気配が動いた。
MENは舌打ちし、低く呟く。
MEN「……数、いるな」
おんりーは一瞬息を呑んだが、すぐにMENの隣へ移動する。
自然な動きで、背中合わせの位置に立った。
おんりー「多いな。でも、逃げ道は?」
MEN「ある。俺が前、お前が後ろ」
おんりー「……了解。異議なし」
一瞬だけ視線が交わる。
怖さがないわけじゃない。
それでも、背中を預けられる相棒がいる。
それだけで、足は止まらなかった。
闇の奥から、確実にこちらへ近づいてくる足音。
この任務は――
まだ、始まったばかりだった。
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